「ヒグチユウコ展 CIRCUS[サーカス]」について。 | …

i am so disappointed.

自宅から歩いて行ける距離に世田谷文学館があり、いいやつをよくやっているので時々行くのだが、いまやっている展示をそのうち観に行きたいが、欲しいグッズがもう売り切れているとか、そんな話をなんとなくされているような気がした。行ける時間があったのでふらっと歩いて行ってきたのだが、これがかなり良かったのだ。

 

まず、入った瞬間に物販コーナーにものすごい人がいることに驚いた。私はここ数年は基本的に土曜日や日曜日や祝日にはだいたい仕事をしているので、来られるとすれば平日になるのだが、こんなに多くの人がいるのを見たことがなかった。といっても、ものすごく混み合っているというわけでもなく、展示を自分のペースで自由にゆっくりと観ることはじゅうぶんにできる程度である。

 

イラストレーターのこととかは不勉強でよく知らないのだが、これはよく雑誌の表紙などで見かけるやつだ、とすぐに分かった。猫の絵がとても多いのだが、とにかく表情がものすごくリアルである。ただ写実的というのではなく、猫と生活しているとよく見かける様々な表情が静止画として再現されている感動である。また、1枚の絵に描かれた白い猫は、家で飼っているうちの1匹にとてもよく似ていたのだが、おそらくいろいろな絵に描かれた猫に対して、それぞれそのように思った人は他にもたくさんいるのではないかと思った。

 

その猫が擬人化されたりしているのだが、猫と生活していると、自分と猫とが異なった生き物であることを忘れてコミュニケーションを取っていることがあり、そういう時は気持ちも通じているような気がなんとなくするのだが、感覚的には同じ形の生き物として接しているかのように思えることがある。もちろん現実的はまったく異なった形をしているのだが、ここに擬人化されて描かれている猫の絵には、その感覚が視覚化されたかのような印象を受けた。

 

あと小さい鳥だとか虫だとかの描写もひじょうに細かくリアルであると同時に幻想的なのだが、猫と他の動物と虫との境界がアブストラクトになったようなものもあり、なかなかおもしろかった。

 

私は絵やイラストにそれほど積極的に親しむタイプでもないので、興味がある人に誘われて美術館などに行くことがある程度なのだが、このヒグチユウコというひじょうに人気がある画家のことも、今回はじめて知った。

 

はじめての絵本である「ふたりのねこ」が出版されたのが2014年ということで、そこからの絵も展示されていた。ぬいぐるみの「ニャンコ」と公園に住む野良猫の「ねこ」との出逢いと別れという、こうして文章で書いていてもちょっとなにを言っているのかよく分からないのだが、これがなんだか可愛いのだが胸が苦しくなるような、不思議な感覚を呼び起こしてくれる。

 

それから、「すきになったら」という絵本についての展示もあり、これは少女とワニについての話であり、またしてもこうして文章で書いているだけだと、ちょっとなにを言っているのかよく分からないのだが、誰かを好きになった時の自分の心が揺れ動き、認識できる世界の質が本格的に変わっていく時の気分がヴィヴィッドに思い出された。ちなみに私はその少し前に自宅でストロングゼロのパイナップル味を飲みながら、個人的な好みだけで選ぶ平成の100曲を選んだりしていたので、この時点ではややほろ酔い気味であったのだが、この「すきになったら」についての展示を観ていて、本気で胸が苦しくなり、半ば泣きそうになっていたのであった。見ているのは、少女とワニの絵なのにである。

 

それから私が年末に新宿歌舞伎町のTOHOシネマズに観に行って感銘を受けたホラー映画「ヘレディタリー/継承」や、先週から公開され、観に行きたいのだがまだ行けていない「サスペリア」についてのイラストも展示されていた。いや本当に素晴らしいものを観たし、また世界が広がったような気分である。

 

絵を見ることに集中していてあまり気づかなかったのだが、来場していた客のほとんどが女性であり、2階のトイレが2つとも女性用になっていた。常設展も軽く観て、物販コーナーに行くと、人気の商品はすでに売り切れている。また、この時は自由に入って買い物をすることができたのだが、曜日や時間帯によっては入場制限されることもあるような貼り紙もあった。フィギュアのガチャガチャが500円でできたので、やってみようということになった。7種中5種が猫のフィギュアだったのだが、ひとつめちゃんという文字通り一つ目のキャラクターが2回連続で出て、とりあえずこれで最後にしようと3回目を回したところ、じつは一番ほしかったこはるという白い猫のフィギュアが出てきたのでよかった。しかも、2つ続けて出てきたひとつめちゃんのうちの1つを、近くでやっていた方がやはり2つ同じのが出たという黒い猫のGUSTAVEくんBと交換してくれた。

 

帰宅してから白い猫、こはるのフィギュアを改めて見てみたのだが、家で飼っている猫のうちの1匹とよく似ていた。3月31日まで開催されているということなので、このブログを読んでくださってなにかを感じてくれている、特に猫が好きな方には響くと思うので、ぜひとも全力でおすすめしたい。最寄り駅の京王線芦花公園駅の近くには笹陣という、東京なのに新潟名物のへぎそばが食べられる店もある。私は行ったことがないけれども。