隔月で発行されている雑誌「昭和40年男」は特集によって買ったり買わなかったりしているのだが、今回は特集が「俺たち即席メン世代」ということで、迷わず買った。「インスタントジェネレーション」というサブタイトル的なものもカッコいい。表紙に何種類かの定番即席メンのパッケージが掲載されているのだが、これだけで気持ちが盛り上がる。これはもうポップ・アートであろう。
先ほども書いたようにこの雑誌は買ったり買わなかったりしているのだが、今回の特集にはこれまで読んできた中でもかなりの力が入っているように感じられた。私としては懐かしい即席メンのパッケージがいろいろ載っていて、それが見られるだけでも十分に満足だったのだが、その起源についてや歴史年表など、かなりしっかり調べられている。もちろんパッケージ写真も充実していて、見て楽しく読んでためになる特集となっている。
そして、サエキけんぞうがいくつかの記事を書いていることが意外であった。確かにハルメンズに「焼ソバ老人」という曲はあったが、即席メンのイメージはそれほどなかったからである。しかも、よくある実はあのミュージシャンがこのジャンルにとても詳しいので特別寄稿というような感じでもなく、ただストイックに文章だけが掲載されていて、本人の写真などもない。
編集後記を読んで知ったのだが、そもそもこの企画はテクノ・ポップのことで取材をしていたところ、インスタントラーメンについてかなり熱く語られ、そこから発展したものだという。
過去にいろいろ発売されていた日清カップヌードルの写真がいろいろ載っているのが、とても楽しい。カップヌードルの黄色い自動販売機は昔、町でよく見かけて、プラスチックの透明のフォークも入っていた。カップヌードルMISOのジェームス・ブラウンのCMが思い出される。
カップ焼そばについて取り上げられたページでは、「ペヤングソースやきそばVS日清焼そばU.F.O.」という記事が組まれているが、北海道だとここはペヤングソース焼そばの代わりにマルちゃんやきそば弁当になるところであろう。ペヤングソースやきそばのことはメディアではその名前を知っていたが、実物をはじめて見たのは東京で一人暮らしをはじめてからであった。柔道部員が登場する、あの印象的なテレビCMもその頃にはじめて観た。私にとって、マルちゃんやきそば弁当ははじめて食べたカップ焼そばだったのみならず、ソース焼そばという食べ物の存在をはじめて認識したきっかけでもあり、ひじょうに印象深いのだが、これもやはり「地方発即席メン」のページで取り上げられていた。
また、実はここ最近、最も気に入っているカップラーメンはマルちゃんの激めんわんたんめんなのだが、今年で発売40周年ということである。当時も何度か食べていたのだが、それほど強く印象に残っていたわけではなかった。その後、記憶も薄れかけていて、北海道限定で販売されていると聞いた時も、それほど強い思い入れはなかったので、わざわざ買って食べてみるようなこともなかった。今年の9月に帰省した時にもスーパーで見かけたが、やはり買わなかった。東京に戻ってきていつも行っているスーパーに行くと、なぜか売られていたので久しぶりに買って食べてみると、これがすごく美味しい。醤油味なのだがガーリックとジンジャーが入っているらしく、わりとガツンとくる味である。そして、ボリュームのある肉入りのワンタン、さらに乾燥ではなく生のメンマが入っているのもすごく良い。なんとこの秋から、また全国発売が開始されたのだという。そして、「みそ」と「豆乳担々麺」も新発売されたようなのだが、これはまだ見たことがない。この激めんわんたんめんについても、今回の特集では定番の1つとして取り上げられている。
また、かつてコンビニエンスストアのアルバイトをしていた頃に発注したものの中でも強く印象に残っている、怪物制作所のイカ姿焼ウドンのパッケージ写真を再び見ることができたのは、かなりうれしかった。焼うどんの上に具材として、よくおつまみコーナーなどで売られているイカの姿焼き的なスナックがそのまま載っているという、かなり前衛的な商品であった。はじめて仕入れをした時にはすぐに売り切れたのだが、調子に乗って追加注文すると、もうそれほど売れなくなっていた。あと、マルタイの焼ちゃんぽんWとかペヤングのらーめんライスとかについては、すっかり忘れていた。アン・ルイスがCMをしていた調理いらずのかた焼そば的な商品、アルキメンデスはわりと好きだったのだが、コストパフォーマンス的に見合わなかったような記憶がある。
この特集では即席メン以外に、様々なインスタント商品を取り上げていて、これもまたとても楽しい。小学生の頃によく飲んでいた白いミルクボールが浮かんだインスタントココアのことをもうすっかり忘れていたのだが、本当に久しぶりにパッケージ写真を見て、その味や部屋の記憶までよみがえってくるようであった。
60ページ以上にも及ぶ充実した内容の特集に加え、レギュラーページも面白い。これからの季節、ヒートショックに要注意という健康記事はひじょうにためになる。また、昭和54年の特集も組まれているのだが、プロ野球の西武ライオンズが設立され、本拠地の西武球場が誕生する経緯についての記事が、個人的には特に楽しめた。他にもプロレスや音楽やパソコンや車や映画など、様々な切り口からこの年のことを検証している。石野真子やみうらじゅんのインタビューもとても楽しかった。
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