自動筆記者によって書かれたかのようなシナリオを持つ夢は、iPhoneのアラーム音によって打ち切られた。辺りはまだ暗かった。冬の午前5時だからである。スクリーンに魔法の数字を入力すると、ロックが解除される。義務的にLINEトークの新着を確認して、背筋が凍りついた。
とある有能な部下が盲腸かもしれず、病院に寄ってから出勤するということであった。いや、もちろん健康が第一なので、休んでもらって一向にかまわないのだが、とりあえず心配で仕方がなく、詳しいことが分かりしだい連絡をしてほしいと返信した。
この書き込みは深夜にされていて、その時間、私はすでに眠りについていた。朝5時に起きて、有意義な仕事をするためである。おそらく前向きでウキウキした気分でいっぱいだったのではないかと思う。
とりあえず、仕事そのものをすすめることはできるのだが、もはや完全に依存しまくっているため、ただの作業レベルにとどまってしまう。というか、道しるべを失った状態である。そして、もうただただ心配である。
わりとこまめに連絡はくれていたのだが、本来の始業時刻をすぎるとわりとバタバタしてきて、ろくに返信もままならないような状態であった。余裕がない状態で返信をしたくはなかった。
やっと少し落ち着いたので、返信をした。とにかく気にせず、体を第一に気づかってほしいというような、かなり余裕をかましたような風を装ったのだが、もちろん内心ではかなり不安であった。しかも、それがなかなか既読にならず、しかも「血液検査」だとか「CT」だとかいうワードも書かれていたこともあり、もしかするとわりと良くない状況なのではないか、などと想像してしまう。
さらにここ最近、期待をかけすぎて難易度の高い課題をあたえすぎていたため、それがストレスになっていたのではないか、などと自責の念にもかられてきた。そうなると考えはどんどん良くない方向にすすみ、ただただ自分自身を責めるようになってくる。
LINEを確認する頻度もかなり多くなってくるのだが、一向に既読にはならない。不安や心配にも加速度がつきかけたその時、わりと普通に出勤してきた。しかも、いつもとそれほど変わらない感じである。
それで一気に安心したのだが、専門の医者が今日は不在のため、2日後にまた診察してもらうのだという。とにかく今日は帰って休んだ方がいいと言ったのだが、働くといって聞かないので、なるべく負担がかからないかたちで働いてもらうことにした。
しかし、もちろんすすめたい仕事はものすごくあるため、気がつくと市場調査に行かせていた。16時までには帰ってこれると言っていたが、ゆっくり見てくればいいと言っておいた。
しかし、帰ってこなければこないでまたいろいろ気になり、いつもはLINEで連絡を取るのだが、ついに電話をかけてしまった。留守番サービスセンターに繋がれそうになったので、今度はLINEで電話をしてみた。まったく素の声が聞こえてきて拍子抜けしたのだが、どうやらこちらの声が一切聞こえていないようである。高野寛「ベステンダンク」のような状況である。おそらく違うけれども。
後で聞いたところによると、夢中になって見ているうちに気がつくと16時30分になっていたらしい。この辺りも、とても良いところである。
課題は多いのだが、これはぜひやり遂げなければならない。待遇改善なども、本気で行えるようにしていきたい。とにかくまず第一段階の期日は決めたので、それまでに準備を徹底的にすすめていく。あと、やはり情報が足りなすぎるので、再来週にそのための時間をまる一日取る。これをぜひ有効につかっていきたい。
誰が興味あんねん。