ナチュラルに恋して | …

i am so disappointed.

前回のブログでも少しふれたのだが、現在、私の心に最も深いダメージをあたえる曲がPerfumeの「ナチュラルに恋して」である。ならば聴かなけれいいだろうという話なのだが、その問題は私が直面する現実のうちでもかなり深刻なものであり、その真実を受け入れなければならないし、それによる被虐的快感がクセになってきてもいるのである。

とはいえ、この日常の恋人との関係を歌ったこの曲に対し、どうやったらそのような感想を持てるかということだが、それは現在の私を取り巻くきわめて個人的な事情によるところが大きい。

Perfumeは現在の日本のポップアクトの中でも、トップクラスに人気があり売れている人たちにカテゴライズされるであろう。しかし、私のこのグループに対する知識はきわめて乏しく、数ヶ月前まではiTunesにも1曲も入っていなかった。

Negiccoのラジオを聴いていると「スウィートドーナッツ」という曲がかかり、それがとても気に入ってしまった。すぐにiTunesで購入したのだが、それが初めてiTunesに入れたPerfumeの曲であった。「ポリリズム」のヒットにより大ブレイクする以前に発表された曲らしく、ボーカルもまだそれほど機械処理されていないような感じであった。

その後、アルバムを順番に聴いていったのだが、さすがにポップ音楽としてひじょうに優れているなと、いまさらながら思ったのであった。

道重さゆみがPerfumeのファンでコンサートに行っていることをラジオで話していたし、今年に入ってNegiccoにハマる中で、そのPerfumeとの関係性に対して、とても感動するところがあった。

そして、やっとその作品をちゃんと聴いて、その印象が少しは実をともなったものになったような感じである。

さて、「ナチュラルに恋して」である。

Perfumeのヒット曲のいくつかは有線放送などで耳にした覚えがあったが、この曲はおそらくこれまで聴いたことがなかった。2010年4月14日に「不自然なガール」とのカップリングでシングルとしてリリースされ、オリコン第2位の大ヒットを記録したようである。

日本の偉大な小説家、坂口安吾が「恋愛論」で書いた「恋愛は人生の花であります。この外に花はない」という言葉に、私は1000%ぐらいは賛同する者である。

私は恋愛を、この退屈でクソッタレな人生における非日常的体験として認識している。金銭感覚が麻痺して多額のカード請求額に驚愕したり、ほとんど眠っていなくてもエネルギーとバイタリティーに満ち溢れているのだから、それはきっと非日常的体験であるに違いない。

いま書いたようなことはここ最近、私に訪れた事実ではあるのだが、残念ながらこと私に関しては、けしていま現在、恋愛をしているという事実はない。

ピチカート・ファイヴの「これは恋ではない」を引用するならば、「これは恋ではなくて ただの痛み」であり、「君は天使じゃなくて ただの娘」である。「娘」というよりは、「小娘」と表現した方が、より的確である。

前回のブログにもほぼ同じことを書いたが、とても大切なことなので、改めて書いておいた。

恋人との交際期間が長くなると、当初の非日常感は後退し、やがて関係がルーティン化していく。特に同居した場合などは、その速度がはやまる傾向にあるようである。

当然、そこに物足りなさや心のスキのようなものが生じるケースもあり、それについての愚痴を聞いたり相談を受けたりしているうちに、間男的なアプローチですべり込むケースというのが、けして少なくはない。

そのようなスタイルを試みるが、感覚がライトでメロウなうちはまだいいものの、ふと油断したすきにわりとガチめな方向性に感情が持っていかれた場合、その薄っぺらさに直面し、わりと死にたくなるようなケースというのも、世の中には存在するようである。

そして、そのような気分にとどめを刺すかのような圧倒的な完成度と強度を持つのが、Perfumeの「ナチュラルに恋して」であると、私はそう認識している。

ここに描かれた恋人同士の感覚は、まさに日常である。タイトルが「ナチュラルに恋して」なのだからもちろんその通りなのだが、ここには非日常が入り込む隙は一切ない。

「記念の日」なのに「ぜんぜん がんばってくれない」ような恋人であるにもかかわらず、「何気ない 気持ちがいちばんのほんもの」だというのだ。

おそらくたいていの恋人同士というのは、このような感じで日常を続けているのであろう。

それを認識することにより、私はたまらない疎外感と絶望感を覚え、もういっそこのまま死んでしまえないものだろうか、と思う。

その感覚がクセになり、また繰り返し聴いてしまう。

しかし、わりとルーティーンに入っていると思われる恋人と、このような日常を送っているであろう様子をも含めて良いと思えるようになれれば、このフェイズは克服できるわけであり、もはやそれを目指してやっていくしかないのであろう。

だから、この曲の世界観を平気で受け入れることができるようになるまで、私は「ナチュラルに恋して」を繰り返し聴き続けるのである。

こんな文章、いったい誰が共感できるというのであろうか。

いかんともしがたい。




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