200位のエルヴィス・コステロ&ジ・アトラクション「インペリアル・ベッドルーム」からカウントダウン式に順番に聴いていこうかと思ったのだが、これでは1位のビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」までたどり着くのがいつになるか分ったものではない。毎日それなりに忙しいし人生は短いので。予定を変更して、聴いたことがないものを順番に聴いていくことにした。
ジョン・マーティン「ソリッド・エアー」(76位)を聴きながら寝て、一度目が覚めてしまったので、今度はギリアン・ウェルチ「タイム」(79位)を聴くことにして、一夜明けて仕事に行く時はインクレディブル・ストリング・バンド「ハングマンズ・ビューティフル・ドーター」(98位)を聴き、帰宅してからはジョン・ケイル「パリ 1919」を聴きながら作業をした。
ここに選ばれるだけあって、いずれもユニークで素晴らしい作品である。聴くことができてよかった。このような新たな出会いがあるから、このようなベスト・アルバム・リストが大好きなのである。
そして、トップ100位内で最後の1枚、ローラ・ニーロ「イーライと13番目の懺悔」を聴いた。これがすごく気に入ってしまった。
数週間前に萩原健太さんの「70年代シティ・ポップ・グラフィティ」というとてもおもしろい本を読んだことがきっかけで、私に空前の日本のシティ・ポップブームが訪れた。吉田美奈子のデビュー・アルバム「扉の冬」など最高だったのだが、当時、吉田美奈子が和製ローラ・ニーロなどと呼ばれていたということを知った。
確かにいまから何十年も前に日本にこんなにもカッコいい音楽があったのかと驚いたことは間違いないのだが、じつは私はこのローラ・ニーロというアーティストをほとんどちゃんと聴いたことがなかったのだ。
1997年に亡くなった時、「UNCUT」で記事を読み、その後、何かのきっかけで「ニューヨーク・テンダベリー」というアルバムを買ったはずなのだが、当時、聴くものが他にもたくさんあったということもあり、ちゃんと聴くこともないまま、いつの間にか手放してしまっていた。
そしてこの度、1968年にリリースされた2枚目のアルバムだという「イーライと13番目の懺悔」を初めて聴いたのである。
ここのところ日本のシティ・ポップをかなり好んで聴いていた私にはひじょうにしっくくるサウンドである。そして、声の魅力が圧倒的である。これはかなり好きだ。
このような作品が、あのサイケデリック・ロック全盛のイメージがある1968年にリリースされていたということにも驚いた。その後のシンガー・ソング・ライター・ブームだとか、さらにはAORにも通じる音楽性なのではないかと思う。
ローラ・ニーロはソングライターとしては知られていたが、アーティストとしてはそれほど成功しなかったようである。後に評価が高まっていったタイプのようである。
たとえばこのようなベスト・アルバム・リストのようなもので出会い、新たな名盤と出会うのだが、作品の素晴らしさは理解できたとして、自分の音楽の好みというのはすでにある程度かたまってしまっているため、なかなかすごく好きという感じにはなりにくいものである。しかし、ローラ・ニーロはかなり好きになった。これをきっかけに他のアルバムも聴いてみようと思う。
Eli and the Thirteenth Confess/Laura Nyro

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