(見事な逆転金メダル)
連日熱戦が続くパリ五輪のせいで慢性的な寝不足だ。
数多くの逆転劇の中でもとりわけ印象的だったのがスケートボードの堀米雄斗選手である。選手層の厚い日本で代表落ちの危機を乗り越えたうえに、本番でも最後の最後に2連覇を決めたのはお見事だった。
堀米選手はかろうじて国内予選を潜り抜けて栄冠をつかんだわけだが、メダルを有力視されながら不運にも国内予選を突破できなかったアスリートは世界中に多数いるだろう。
4年に1回の世界の祭典でトップ選手が見られないのはさびしいものだ。せめて前回大会でメダルを獲った選手は招待選手として本選出場を認めるべきではないだろうか。
今回のパリ五輪は競技数329種目に合計1万1000人の選手が出場している。個人競技に限定して前回メダル選手を出場させたとしても増える人数はせいぜい1000人位だからそれほどのコスト増にはならないはず。
また、副次的なメリットとして有力選手を予選から除外することで当該国の他のアスリートに五輪出場のチャンスが生まれることも大きい。
レスリングの吉田沙保里さん(55キロ級=当時)や、柔道の野村忠弘さん(60キロ級=同)といった絶対王者が君臨した階級では五輪に出れないものだからやむなく前後の階級に鞍替えした選手がどれだけいたことか。
IOCの迅速な改善を期待したい。
もうひとつ定数を増やしてほしいのが大相撲の年寄株である。
先日の名古屋場所で照ノ富士が常々目標としていた10回目の優勝を決めたが、これを花道に引退したくてもできないのが実情である。
(優勝はしたものの・・・)
彼の引退を妨げているの理由はただ一つ、年寄株がいまだに取得できないこと。師匠(伊勢ヶ濱親方)の意向で引退後の照ノ富士が伊勢ヶ浜部屋を承継することが内定しているが、部屋持ち親方となるための必須条件である年寄株が手に入らないのだ。
師弟が描くストーリーは:
・照ノ富士が年寄株Xを手に入れ引退、X親方に
・2025年7月、65歳定年に達した現伊勢ヶ濱親方は伊勢ヶ濱名跡とX株を交換、照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋を承継する(現親方は定年で部屋持ち親方は出来ないが70歳までX親方として協会に残ることができる)
・2030年7月X親方日本相撲協会解雇、X株は浮動株となる
というもの。
ところがこの年寄株、カネを積んでも手に入らないほど払底しているのだ。
現在105ある年寄株のうち空いているのはわずか4つ。このうち「湊川(みなとがわ)」は引退が旦夕に迫る貴景勝が、また「振分(ふりわけ)」は妙義龍が取得したらしい。
(貴景勝は引退後に湊川部屋を興すことがほぼ決まっている)
のこる2つ「岩友」、「出來山」はいずれも出羽の海一門の関係者が所有していて、協会理事長選、同理事選に影響が出るので一門外である照ノ富士(=伊勢ヶ濱一門)に渡る可能性は極めて低いといわれている。おそらく碧山と御嶽海が取得することになるだろう。
伊勢ヶ濱一門が保有する株が空くのは現伊勢ヶ濱親方の協会再雇用期間が終わる2030年が最短で、その次に空くのは玉垣親方(元智の花)の再雇用が終了する2034年だ(あ~あ)。
年寄株不足は照ノ富士だけの問題ではない。
年寄株の総数を現在の105に限定することにしたのは100年も前の1927年のこと。それからこっち、親方衆の寿命は伸びに伸びて今では皆さん再雇用終了の70歳までピンピンしているから、このままだと高安、朝乃山、正代といった元大関衆も株を手に入れるのに苦労するに違いない。
相撲協会の迅速な改善を期待したい。
一方では無駄に定数をかかえた異様な世界もある。地方議会だ。
現在都道府県議員は全国に2662人(平均月額歳費81万3000円)、市区議会議員が815市区合わせて18752人(同40万8000円)、町村議会議員が926町村に10770人(同21万7000円)いらっしゃる。
この3万2184人に及ぶ選良たちが形骸化した議会に日々出席しているわけだから、居眠り、読書、鼻クソほじりから果てはスマホでゲームをやるなど、ついヒマつぶしに走ってしまうお気持ちもよ~く分かる。
(この方も氷山の一角にすぎない 宮城県大河原町は彼の活躍(?)で一躍有名に)
本来日本国憲法を改正して無用の長物たる参議院と地方議会をなくしてしまうのが王道だが、そんなこといつ実現できるか分かりやしない。
それならばせめて条例を改正して議員数を大きく減らしてほしい。
我が山梨県の丹波山村(人口543人)村議会議員数は全国最小の6人である。
人口の多寡に差があるっていったって、どうせヒマなんだからどこの自治体だってこの程度の人数でやろうと思えばやれるでしょ。