(毎度お世話になっている荻窪病院(東京・杉並))
夏の定期点検週間が始まった。
今週はまず心臓の定期検査、続いて愛車フォレスターの車検をやって、さらに気が向けば15年ぶりの大腸内視鏡検査を受けちゃおうという算段である。
梅雨明けのこの日、半年前に予約した心臓の検査のため荻窪病院に向かった。
主治医の大塚先生は2年前に八ヶ岳南麓で狭心症を患った私が東京に戻ってきてから何度か事後検診をしてくださった恩人だ。
「もう大丈夫ですね。それではサヨナラ、サヨナラ、サヨナラ(←オフコースでなく淀川長治風に)」
と、いったん縁を切られそうになったのだが、
「クルマだって定期点検があるじゃないですか~。どうかお見捨てなく」
とすがりついて定期健診をしていただくことになったという経緯がある。
ご本人の名誉のためにつけ加えておくと、センセイは決して冷酷な人物ではない。日々増え続けていく一方の患者をさばくのに手いっぱいだから、一人でも患者が手を離れてくれるとうれしいのだろう。
(院内はいつも芋を洗う騒ぎ 芋の多くは私より年配)
以前廊下をヨロヨロと歩くセンセイに出くわしてオッたまげたことがあった。
長時間の手術でもやった後なのだろうか、センセイは顔面蒼白で疲労困憊のサマはまるで死神のようだった。
以来私の定期健診なんざ屁のようなものだから私の相手をしている間だけでもセンセイのつかの間の休息になるだろう、と意を強くしている(←こういうのを牽強付会といいます)。
この日のメニューは心臓エコー検査。予約の際に検査内容が決まっている。
ヌルヌルしたものをおっぱいの辺りに塗りたくられて笑いをこらえるのに必死だが、検査は10分ほどで終わり、それから30分待ってセンセイに呼ばれた。
「特に問題はないですね。私よりお元気そうだし」
センセイは画像のモニターを見ながら厳かに宣言した。
「あの、画面の写真を撮ってもいいですか」
「写真を、ですか」
センセイの目が妖しく光った。
不謹慎な患者に腹を立てたのだろうか。こいつどこぞの医者に画像を見せてセカンドオピニオンをもらおうとしてやがる、と疑心暗鬼になったのかもしれない。
「う~ん・・・」
「・・・(あ、怒ってはる)」
「こっちの写真の方がいいでしょ、心臓の形がよくわかるから」
なんだ怒ったんじゃないのね。
(大塚先生ピックアップ画像 心房、心室の形状がよくわかる(本人談)1枚)
「ではまた半年後に。次回は心電図とレントゲンを撮ります」
心臓の調子がいいと聞いてひと安心、途端に腹が減ってきた。
なんだかホルモン焼きが食いたい気分だ。梅雨明けの夜にホルモンを食いながらよ~く冷えたビールをグビ。
ツマミはやっぱしハツでしょう。
(ホルモン焼きの名店「総裁」(吉祥寺)のハツ たしかに上の写真に似てる)