(雪化粧の富士山 南麓から富士山がこれだけきれいに見えることは滅多にない)
「日曜の夜ですが、ヒマでしたらウチのお客さんの懇親会に参加しませんか」
我が家から徒歩圏にある不動産会社「DUAL-LIFE yatsugatake」の社長にしてゴルフ友の黒田さんから連絡があった。
黒田さんは彼の会社を通じて南麓の土地・中古物件を購入したお客さんたちのサポート組織「デュアルライフメンバーズ」を運営していて、この日曜に昼間はまきば公園周辺ハイキング、夜は懇親会をやるのだという。
「DUAL-LIFE」は2019年創業の若い会社だから、会員の皆さんも八ヶ岳南麓暮らしはそれほど長くはない。そこで先達として会話に加わってくださいといういささか面映ゆい話であったが、「いつでも、どこでも、だれとでも」の私は二つ返事で引き受けた。
新しい出会いというのはワクワクするものだ。
ひょっとするとゴルフ友や囲碁トモができるかも、と黒田社長の思惑とは関係なく気分は合コンである。
懇親会の会場はゴルフ反省会で毎度お世話になっている焼鳥屋「心粋」。
定刻にはせ参じると、そこにはゴルフ友のAさん、ゴルフはしないが反省会には必ず参加するBさんまで助っ人に来ていて、なんだか気分はいつもの反省会である。
(会員の皆さんに何かを熱心に説明する黒田社長 なんだっけ?)
はて私はホストなのかそれともゲストなのか、
社長の代理としてメンバーズの皆さんを接待した方がいいのだろうか、
と己れのポジションにいささか当惑したものの、2時間制限つき飲み放題、しかも参加費も払ったとあって手あたり次第に飲んでいるうちにホストでもゲストでもないただの酔漢と化してしまったあたりはまさに「下手な考え休むに似たり」というヤツである(用法としてちょっと違うような)。
(せせりとカシラ 赤ワインがぴったんこ)
TPOをわきまえずにしゃべり散らかすこと2時間、会がお開きとなった後も一部の会員さんと酒盛りを続けたが、「下手な人とならゴルフをやりたい」という絶好のカモ、失礼、Cさんと出会えたりと会員さん以上に私が楽しんだ懇親会であった。
それにしても「DUAL-LIFE」を通じて物件を購入したお客さんは幸せだ。
「デュアルライフメンバーズ」に加入すると、有料(月1000円)とはいえ、イベント・懇親会といった会員相互の交流の場だけでなく鍵の無料保管サービス、よろず相談、はてはオフィススペースの無料利用まで手厚いサポートが受けられる。
私が土地を買った不動産会社の社長も好人物だったが取引が終わればそれっきり。
家を建ててもらった工務店も一昨年廃業してしまったから、なにかの際に私が頼れる存在はどこにもない。その点まだまだ若い黒田社長なら向こう20年は保つだろう。
翌日散歩のついでに「DUAL-LIFE」に立ち寄った。昨晩の狼藉(黒田さんはたぶんそう思っているはず)をお詫びするためである。
(オフィスは石堂交差点から北に100m かつてのレストラン「木亭」の建物)
黒田さんは幸い在席しており、ついでに根ほり葉ほり話を聞かせてもらった。
現在北杜市内で売りに出されている物件(土地・中古別荘)はおよそ100件ほど。
意外に少ないように思えるが、それでもコロナ期よりは増えてきているのだという。
不動産物件の仲介には一般媒介(複数の不動産会社が同じ物件を扱う)と専任媒介(排他的に1社のみが扱う)とがあるが、八ヶ岳南麓ではほぼ100%一般媒介の由。
ということは、気に入った物件の仲介をどの不動産会社に依頼するか、買い手にある程度の裁量の余地があるということだ。
もともと世話好きの黒田さんだが、会員サポート組織運営の背景にはそういった事情もあるのかもしれない。
「それにしてもさすが黒田さん、買い手の皆さんも喜ぶし、会社の差別化にもつながるし、会員サポート組織とはいいところに目をつけましたね~」
「元々のアイデアは私が八ヶ岳南麓に土地を買った際の不動産会社がやっていたもので、地元に馴染むまでの間ずいぶん助けられました。今はその会社も大手に吸収されてなくなってしまいましたけど」
ふ~む、そうだったのか。
「デュアルライフメンバーズ」の内容をさらに充実させていきたい、やがては八ヶ岳南麓全体にコミュニケーションの場を創造していきたいと語る黒田さん。
なんだかゴルフの時より生き生きしているように見えるのは僻目というものだろうか。
(「黒田社長明日の八ヶ岳南麓を語る」って感じ ゴルフの時より絶対かっこいい)