(警察のマスコットキャラクター「ピーポくん」のLEDライト付きキーホルダー
「日本三大キモキャラ」の最年長ピーポくんは1986年生まれ)
ウォーキングで井の頭公園に行った時のこと。井の頭公園駅に出ると大型の警察車両と数人のお巡りさんが駅前のスペースに整列していた。
すわ、猟奇事件でも起きたのかと記者魂が頭をもたげ(ウソこけ)、やおら近づいていくと、
「おはようございます三鷹警察です。ただいま防犯キャンペーン中です」と渡されたものは各種グッズが詰まったビニール袋であった。
(ポケットティッシュ、キーホルダー、ボールペン、不織布マスクの詰め合わせ
警視庁と共催の「東京防犯協会連合会」は典型的な天下り団体 警視庁はこの詰め合わせを1セット300円位で防犯協会から仕入れているのだろう)
「あの、私のヤサ(←警察用語で住処のこと 今野敏の警察小説を読んで以来使いたくてしようがない)は杉並区で三鷹署の所轄外(同上)なんですけど、もらっていいんですか」
「いいですよ、どうぞ(最近こういう人多いんだよね~。回転寿司で「ムラサキちょうだい!」とか言うタイプだよ)」
寒い中朝早くからごくろうさまなことだ。
彼らも天下り団体にカネを落とすことが目的のこんなガラクタを配ったところで防犯には全く寄与しないことは百も承知だろうが、上の命令だから仕方がない。
わずかながら税金の還付を受けたものと考えてありがたく頂戴した。
それからしばらくたって、税理士の小野寺誠先生を訪ねた時のこと。
「杉並で一番律儀な税理士」と評判の小野寺センセイにお世話になるのはこれが3回目。前2回は亡父母の相続税申告、今回は土地売却に伴う確定申告である。
(ホンモノはもっと律儀な感じ 次にセンセイのお世話になるのは私が死んだ時だ)
クルマでセンセイの事務所に向かった私は井の頭通りから抜け道を通って環八に。と思ったら
環八に出るところで自転車に乗ったお巡りさんに呼び止められた。
(グーグルストリートビューによる現場映像 正面が環八「止まれ」の標識が目立つ)
おそらく高井戸署の地域課のお巡りさんだろう。物腰はいたって柔らかい。
「ここは一時停止の場所ですが、ご存知なかったですか」
「はい、気がつきませんでした」
「そうですか。免許証を出してください」
しまった、と思ったがもう遅い。
敵は地域課(たぶん)、しかも単独行動中である。
うまく誘導されてしまったが、標識に気がついたか否か、つまり「一時停止しなかったのは故意か過失か」をテーマにするのでなく、「一時停止したか否か」を争うべきだったのだ。
交通違反の取り締まりはほぼ例外なく複数の警察官で行われる。一人ではやはり証拠能力が低いとみなされるのだろうから、事実を争う余地はあったのに。
2021年における全国交通違反件数は677万5820件。
うちトップを占めるのは「一時停止違反」の158万8628件である。全国で一日あたり4300人もの被害者(被害者だよ、これ)が発生していることになる。
一時停止違反の罰金は7000円(普通車の場合)だから、これだけで警察の懐に111億円転がり込んでくる勘定だ。そのあぶく銭があちこちの外郭団体を潤す、という構造である。
貴重な財源だから敵も力を入れているのだろう、交通違反誘導のやりとりも実にスマートである。ひと昔前なら、
「こら~、一時停止しなかっただろう」
「しましたよ、ちゃんと」
なんて水掛け論になっていたところを見事に回避している。「単独行動時の交通違反誘導マニュアル」なんてのが整備されているに違いない。
(払いますよ、ちゃんと 最近テレビで「密着!罰金滞納者の摘発」なんてのをよくやっているが警察も取材協力を惜しまないはずだ)
苦節45年、ようやく手に入れたゴールド免許は、かくして一瞬にして画餅に帰したのであった。
(あ~あ)