ビール好きにおススメ 一日一組限定のレストラン | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(ドイツビール シュナイダーヴァイセ(左)とヴァイヘンシュテファンヴァイス)

 

 ゴルフ友のAさんご夫妻に一日一組限定のレストラン「オクトベルク」に連れていっていただいた。

 

 ビール会社の技術者だった店の主が八ヶ岳南麓のこの地に家を建て、レストランを始めたのが今から14年前。店名はドイツ語でオクト=8、ベルク=山からとったとのことで、日本語なら「八ヶ岳小僧」といったところだろうか(違うか)。

 

 まずはバーカウンターへ。

 ここで主のウンチクを聞きながら様々なビールを味わう、というのがお約束らしい。

 

(貸し切りだから他のお客さんはいない)

 

(綺羅星のごときビールのリスト ちなみに国産地ビールは置いていない)

 

 まずはウズラ卵の燻製をツマミに主のお勧めの南ドイツのビールで乾杯(冒頭の写真)。酵母が底に溜まっているという珍しいビールだが苦味は控えめ、芳醇で最初の一杯には好適だ。

 

 続いてミニピザをツマミに2杯目。

 ビールとピザというのはどうしてこう相性がいいのだろう。

 

(ビールはなんだっけ)

 

「たぶん先週はドイツのビアホールはすごいことになったでしょうね」

「大荒れでしょう」

「酒に弱いサッカーファンもいたりして」

「それはいません(きっぱり)」

 

 ドイツ駐在が長かった主によると、ドイツ人は例外なく酒が強いのだそうだ。

 これまた元技術者(注 ビール会社ではない)のAさんによると、何万年か前に中国東北部で突然変異が起き、そのせいで酒が弱い人類が誕生したとのこと。

 

 調べてみると酒に弱い人は悪酔いの原因物質であるアセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2という)が弱い(あるいは欠落している)遺伝子を持っている。人種別、国籍別にその比率を見てみると、

日本人44%

中国人41%

タイ、フィリピン人 10%程度

アメリカインディアン4%(←彼らの祖先がアジアから米国大陸に渡った証拠)

白人、黒人0%

となっていて、「酒に弱いのは世界で日本人と中国人だけ」ということらしい。さすがAさんのウンチク、まさに理科系の酒好きそのもの。

 

「彼らに酒が飲めない、酒に弱いということを理解させるのは不可能です」

「う~む、確かに」

「遺伝子の説明をクドクドするよりも、『祖母の遺言で酒は飲まないことにしている』というのが一番です」

 なるほど、ウソも方便というヤツだ。どうやら主は酒がそれほど強くないらしい。

 

 続いて豚肉の味噌漬けがやってきた。当たり前といえば当たり前だが、ビール泥棒が次々に登場してくるのはうれしいような、やっぱりうれしいような。

 

(「息子が父親の酒を買いに行く」というのは世界共通のモチーフらしい)

 

 カウンターでのウンチク談義はここまで。

 第二幕はテーブル席に移動してワインを楽しむことに。

 

(広い室内に一組だけというぜいたくな空間)

 

 まずは「パーナ貝の殻焼き」。

 こいつは白ワイン(グラス)でやることにした。

 

 

(パーナ貝はムール貝の仲間だが加熱しても縮まないというのが特徴とのこと 味はこっちが上で値段も倍近くするらしい)

 

 「豚肉のリエット」とサラダがやってきたのを機に赤ワインに切り替えた。

 

(リエットはワインにも自家製パンにもぴったし パンは3個食うはめに)

 

 今宵のトリは「鶏肉ときのこのクリーム煮」(←シャレではない)。

 これで腹がパンパンになり、デザートはパス(泣)。

 

(しめじなど数種のきのこが入っている)

 

「古くなってきたビールは『仕方ないな』ということで飲んじゃいます。この店をやっていて、

うれしいことのひとつです」と主。なんだ、酒が弱いわけじゃないんだ。

 

 店舗貸し切りで一人5000円というのは安いといってよい。

 これだけのぜいたくな空間は八ヶ岳南麓随一だろう。なんせあの一人18000円(税・サ別、税・サ別)の「八ヶ岳えさき」より広々している(外からのぞき見した印象で実測したわけではない)。

 

 ドイツレストランというとソーセージやキャベツをつい想像するが、そういったステレオタイプでないところもうれしい。

 

 ビール好きの方は、特別な日に足を運んでみてはいかがでしょう。