(「森のやまびこ」本店にあたる岐阜県中津川市「大平の山彦」は息子さんが経営している)
うなぎ美味し かの山~
飲みトモのAさんの奥様の運転で八ヶ岳南麓が誇る関西風鰻「森のやまびこ」へ行った。
同店を訪れるのはおよそ1年ぶりだ。
冒頭の「「うなぎ美味し・・・」のくだりはその時の記事をご覧いただきたい。
久しぶりにご一緒させていただいたAさんご夫妻もお元気そのもので何より。本来はイケる口の奥様には我慢していただいて(ど~もスミマセン)、とりあえずビールで乾杯。
品数が限られているうえにここ数年メニューが変わっていない「勝手知ったる他人の店」とあって注文は早い。
まずは定番中の定番「肝焼き」に、「山芋磯辺揚げ」と冷奴を注文する。
(女将さんが切り盛りする店とあって店内は清潔そのもの)
まずは肝焼きがやってきた。
ビールによし、日本酒によし。これにまさるツマミはそうそう見当たらないだろう。
(磯辺揚げと冷奴は絵ヅラがイマイチなのでカット)
岐阜の銘酒「鯨波」(恵那酒造)に切り替えて「白焼き」を注文した。なんだかんだ、日本酒を口にする機会が続いているが、まあハレの日だから。
わさびをちょこっとつけて食う白焼きの旨いこと。
それにしていつまでこうやって鰻を楽しむことができるのだろうか。
懸念するのは私の体調ではなく、鰻の供給量である。
鰻の稚魚であるシラスウナギの国内漁獲量は年々減り続け、ピークの1961年には250トンの漁獲があったものが2021年にはわずか11トンにまで落ち込んでしまった(別に輸入シラスが7トンある)。
ウナギの遠大な回遊ルートを考えるとシラスウナギの漁獲量はこれからも減っていく一方だろう。
ウナギの回遊ルート(水産庁「ウナギをめぐる状況と対策について2022.7)」より)
(川で5~15年暮らしたウナギは何故かは分からないが産卵のためはるばるマリアナ海溝へ そこで生まれた稚魚は東シナ海で少年時代(シラス)を過ごしやがて故郷の川に戻ってくる)
シラスウナギの不漁は当然ながら国内でのウナギ養殖にも大きな影響を与えていて、養殖ウナギもまた減少傾向にあり、今や我が国の鰻は輸入が70%を占めるに至っている。
(天然ウナギもあるにはあるが僅か63トン、全体の0.1%に過ぎない)
その命綱の輸入ウナギだが、コロナ騒動で貿易がストップしたせいで最大の供給源中国の養殖業者、流通業者が中国国内での市場開拓に努力した結果、中国人の間で鰻人気がそれこそ鰻登りになっているそうだ。我が国への供給がいきなりストップすることはないだろうが、供給量がどんどん減っていって価格がそれに反比例して急騰していくことは想像に難くない。
サンマ、ワイン、チーズ、コーヒー、牛肉。
中国人の膨大な胃袋が生みだす巨大なバイイングパワーの前に我が国は獲り負け、買い負けが続いていくことだろう。
最後は「どんぶり」(かば焼き半分のうな丼 2000円)でおしまい。
そう遠くない日にこの鰻も3000円、5000円になっていくのだろう。
(食べ散らかしていてど~もスミマセン)