家造りの失敗の原因は大別すれば二つ。
ひとつは「工務店、業者との間のコミュニケーションギャップ」、そしてもうひとつが「実際の住まい方を想像し的確に設計図面に反映させる力の欠如」である。
以前の杉並の家、八ヶ岳南麓の別荘と2回にわたる家造りの経験から相当ノウハウはたまっているはず、と自負していたのだが、いざ建ててみると想像力の乏しさが随所に悲喜劇を生み出してしまった。
① ルンバ一躍スターダムへ
一つ二つ増設したところで大した出費にならないのだから各部屋の四隅にコンセントをつければいい、と思いつつも、ついつい適当なところで誤魔化してしまった。
その結果ルンバの基地を設置する場所がなくなってしまった。というのも当初基地スペースと見込んでいた場所は実際にはちょっと狭くてルンバにとっては望ましい環境にはならなかったのである。
といって、「ここがよさそう」というスペースにはコンセントがない。結局いかにも中途半端なところに基地を置かざるを得なくなってしまった。
(リビングの一等地に鎮座するルンバ i3+ 自動吸引ダストボックスが想像以上にデカい)
② 色違いの手すりでアクセントを
階段には手すりを取り付けてもらったわけだが、階段を下り切った玄関たたきの柱にはつけなかった。
よく考えてみれば靴を脱いだり履いたりの際にはやがて身体を支える手すりが欲しくなるし、階段下部のカーブしている辺りが一番転びやすい場所のはず。しかも手すりがないとつい柱に手を添えるから壁が段々薄汚れていくだろう。
あわててホームセンターで手すりを調達したのだが、色違いになってしまった。
(階段の手すりはオフホワイト、後から取り付けた手すりはチェリー色)
③ the Dark Side of the moon
寝室の窓には当初自力でカーテンをつけるつもりだったのだが、次第にメンドウになり、「リビングと同じのでお願いします」と、ロールスクリーンをとりつけてもらったのが運の尽き。
(オシャレといえばおしゃれ)
考えてみれば当たり前なのだがスクリーンと窓枠の間にはわずかな隙間がある。ここからお向かいの家の玄関灯が一晩中部屋に差し込んでくるのである。
(朝陽はこんな感じ 夜中の明かりはもう少し弱い)
夜中に目が覚めて天井を見ると、そこにはボンヤリお月さま。
「部屋の常夜灯代わりになるしさ」、と自分に言い聞かせる毎日である。
(常夜灯要らないタイプなんだけどな)
「次回は寝室には遮光カーテンをつけよっと」、と思っても後の祭り。
これから先未来永劫その教訓を生かす機会は生じないのである。
(ピンクフロイド「狂気 the Dark Side of the moon」1973 全世界で5000万枚売れたヒットアルバムは
「ビルボード200」に741週連続ランクイン、「同カタログチャート」では1630週(!)連続ランクインというギネス記録を樹立した)






