もう11月だ。11月(旧暦)は「霜月」とも呼ばれる。
英語(November)、フランス語(Novembre)では「9番目の月」という味気ない呼称だが、かつてのフランス革命歴では11月はやはり「霜月 Frimaire 」であった。もっともロベスピエールたちが当時の日本の暦を知っていた可能性は皆無だから、これは単なる偶然であろう。
11月の楽しみは3日の米大統領選と大相撲九州場所。
それにしても世界一の大国である米国のトップ選びは何故こうもコミカルなのだろうか。
我々部外者から見るとトランプが大統領に選ばれること自体不可思議に思えるのだが、そこはお祭り好きで強いものを無条件で賛美する国民性と、国民の30%がいまだに進化論を否定しているという保守性(というより固陋というべきだろう)が投票行動に影響しているのだろう。
今年は開票後も揉めそうな雲行きで、長いことコメディが続きそうだ。
(こういうのが受けるらしい)
一方待ちに待った大相撲11月場所(会場が九州じゃないので「11月場所」が唯一の呼称である)が
8日に始まる。
優勝候補は白鵬、朝乃山の2人とみた。
白鵬は手術後の経過もよさそうで、体調万全ならやはり傑出した力を持っている。
朝乃山は大関昇進後の一連の祝賀会と、コロナ禍による出稽古禁止のせいでここの所明らかに稽古不足であった。
なにせ所属の高砂部屋には朝乃山以外に関取はいないのだから、「部屋で稽古してろ」と言われてもどうしようもない(この辺は御嶽海も同様の環境である)。10月にようやく出稽古が解禁され、場所に向けて充実した稽古を重ねてきているものと思われる。
一方先場所優勝した新大関正代はどうか。統計的にいえば優勝の可能性は殆どない。
ここ10年の新大関の成績を調べてみると、最高が今年7月場所の朝乃山の12勝である。名横綱と
いわれた大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花も昇進後の成績は10勝、11勝どまりだ。
新大関昇進後の成績
大関昇進の場所で優勝した力士となるとさらに厳しくて年6場所制(1958年~)以降若羽黒、清国、栃東(二代目)、白鵬のわずか4人に過ぎない。
正代の場合今回地元九州でなく東京開催となったのが僥倖だが、それでも優勝へのハードルは高いのものと思われる。
今場所は二度にわたる怪我で序二段まで陥落した宇良が3年ぶりに関取に戻ってきた。
がんばれ宇良。
照ノ富士、宇良とも大勝ちしなくていいから怪我に気をつけて着実に白星を積み重ねてほしいものだ。