コロナの痛みを分かち合う | 八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳ゆるふわ日記

八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(若神楼は日量1080トンの豊富な湯量を誇る)

 

 国道141号線を清里方面から中央高速須玉IC方面に向かって走っていくと、「ふるさと公園(若神子城址)」にほど近い丘陵地にちょっと目立つ建物がある。源泉かけ流し温泉旅館「若神楼(わかみろう)」である。

 

(中央高速からもよく見える)

 

 私は温泉がそれほど好きではないが、この旅館にはかねてから注目していた。それは、

・ 八ヶ岳南麓と東京を往復するたびに必ず目にするランドマークであること

・ 丘陵地に孤立するその造作は城郭風でなんだか若神子城を偲ばせるものであること

・ ペットと泊まれる宿であること(専用の部屋があるらしい)

によるのだが、今般この若神楼がにわかに世間の注目を浴びることになった。

 山梨県の発表によれば、若神楼はコロナウィルス感染者の軽症者の受け入れ先に名乗りをあげ、

この4月26日から患者の収容が始まるのだという。

 

 客商売にとって恐ろしいもののひとつが風評被害であろう。

 そのリスクを甘受して世の中に貢献したいというその心意気。私はこの話を聞いて心底感動した。

 コロナ騒ぎの初期に武漢からの帰国者119人を受け入れた千葉勝浦の「ホテル三日月」は、受け入れの際こんなメッセージを発した。

 

「(前略)政府からの要請に接しさまざまな困難があることも予想されましたが、当社は同じ日本人として帰国者のために政府の要請に応じることを決断しました。

 当社は本件の受け入れのみならず、これからも地域、日本の繁栄のために邁進していく所存です。」

 

(3月1日から営業再開 ここも泊まりに行かなくては)

 

 今回の受入れに関して若神楼からコメントはないが、おそらくその心情はホテル三日月と同じはず。 

 やがてコロナ騒ぎが終息した際には愛犬ともども1泊、いや2泊させていただきます。

 

 そうこうするうちに長崎幸太郎山梨県知事が自らの報酬をカットする条例案を議会に提出することになった。なんと「現行報酬月額125万円を1円にする」という。

 報酬をゼロにしないのは奇をてらっているわけではなく、「報酬は払わない」とする条例は立法技術的に問題がありそうだし、といって条例によらず寄付の形をとると政治家の寄付を禁ずる公職選挙法に抵触することになるらしい。

 

(報酬カットを発表する長崎知事

 開成高校→東大法学部→財務省というエリートだが、見かけはどこか八百屋の兄ちゃん風なのが

 いい)

 

 偉い。長崎知事は、偉い。

 コロナ騒ぎで生活が一気に苦しくなるのはパートや自営業の方たちばかりで、公務員や私のような年金生活者はとりあえずは収入が減るわけではない。そんな中で率先して痛みを分かち合おうという長崎知事の心意気には頭が下がる。

 いつの日か北杜市民となった暁には1回、いや毎回長崎知事に投票させていただきます。

 

 立派なふるまいをされる方々を端から賞賛しているだけでは埒があかない。我が第二の故郷大泉に、北杜市に私なりに何か貢献できないだろうか。

 いろいろ考えてまずは北杜市の「ふるさと納税」に寄付することにした。額は恥ずかしながら1万円。

 

(返礼品はシャトレーゼ「シャルドネ2017」1本と明野の卵を使ったYATSUDOKI(シャトレーゼのサブブランド)のマドレーヌ等4個)

 

 この程度では若神楼や長崎知事の足のつま先の爪の垢にも及ばないが、千里の道も一歩から、まずは痛みを分かち合う第一歩を踏み出すことは出来たかもしれない。