神楽坂のフレンチで結婚祝い | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

 

 2019年最大のサプライズ、それは友人の九州氏が突然都内の土地持ちの令嬢と結婚したことである

(その時の記事は → 友の幸せ )。

 

 奥様はどんな方なのか(物好きであることだけは間違いない)、

 どれほどの資産をお持ちなのか、

興味本位で結婚祝いをやらせてもらうことにしたのだが、直後に老母の事故があったりして延び延びとなり、半年を経てようやくお祝いをすることになった。

 

 お祝いの場所は神楽坂のフレンチ「 L'Atlas」。明治43年創業の大阪寿司の名店「大〆(おおしめ)」が所有するビルのテナントである。

 25年ほど前のことだが、私の隣の部に「北関東の地主の息子で給料は全て小遣いにしている」、という噂の食道楽部長がいらした。この方、直属の部下でない気安さか時々私を昼メシに誘ってくださるのだが、中でも余程好きだったらしく、「大〆、行こうよ」と私をお供にしてタクシーでお茶の水から神楽坂まで何度も駆けつけたものだった。

 その大〆も2、3年前に100年の歴史に幕を閉じ、今では大家さん業に徹しているらしい。そんな縁もあって店子の「 L'Atlas」は一度は来てみたいレストランだったのである。

 

 約束の時間5分前に奥様と私達は店の前で出くわした。はっきり言って九州氏にはもったいない美しい女性である。

 テーブルに着くなり、九州氏がなかなか来ないことを良いことに根ほり葉ほり聞きまくった。

 「あの、九州さんのどこがよかったんでしょうか」

 「ふふふ。私ちょっと変わってるんです」

 あ~やっぱり、と思ったがそこは大人の我々、声には出さない。

 

 やがて九州氏も登場し、一同8000円のコースへ。

 

(アミューズはなんだったかな)

 

(パルメザンチーズのブリュレベーコン乗せ 

 甘いものとしょっぱいもののコンビネーションという私があまり評価しない食い物がまず登場)

 

 

(スモークサーモンのタルタルとイクラ レモンとライムのエスプーマ(亜酸化窒素ガスを使った泡状の

食い物) 趣向の割にはパッとしない)

 

(オマール海老コンソメジュレとカリフラワーのヴルーテソース ウニ、温泉卵、キャビア添え)

 

(エイヒレのポワレ これは不味かった)

 

メイン

(奥様と私のチョイス「鴨のローストとフォアグラソテー トリュフソース」

 九州氏は「黒毛和牛サーロインのグリエ」家内は「オマール海老のロティビスクソース」)

 

 料理は一見華やかだがそれだけにチャラいというのが私の印象である。味も濃いから、若いカップルのデート用にはよさそうだ。まあ今回はおめでたい席だからその位でよかったのかもしれない。

 

 3時間ほどああでもないこうでもないとしゃべり散らかして、日の傾いてきた街に出た。

 「場所代えてちょっと飲み直しましょう」

 九州氏の提案に得たりとばかり男たちは何の脈絡もなく渋谷へ。

 

 バタ臭いものの後はうらぶれた気分になりたいのが人情というもの。渋谷で唯一闇市の香りが残っている井の頭線ガード下の小汚い焼き鳥屋でサワーをグビグビと飲んで改めてお祝いしたのであった。