税理士の小野寺センセイから、「相続税の申告が終わった」との連絡をいただいた。父の死去から数ええて203日目のことである。
さっそく事務所を訪れ、
「先生、ブログに載せるから写真撮らせて下さい」と告げると、小野寺センセイは思いのほか喜び、
「あ~、じゃあちょっと着替えてきます」とオロオロする。
「いや、その小汚い、いえTシャツの方がセンセイの誠実なご性格がにじみでてますよ。そのままそれで行きましょう!」と素人モデルを口説くような口から出まかせで丸め込み、日常の赤裸々な姿で撮影したのが下の写真である(事務所の様子やセンセイの人となりの記事は → ここ )。
(いかにも篤実な小野寺センセイの雄姿 税理士というより便利屋のおっちゃんのようでもある
手にしているのが記念品(証拠品?)として私にプレゼントしてくれる相続税申告書の写し)
「で、先生の報酬は?」と質すと、
「いや~、最近ネットで出てるんですよ、相場。そんなこともあって随分値崩れしました」とそっと提示した額は、確かに当初聞いた概算よりだいぶ安い。
私は大した相続財産もなかったが、それでも自分で相続税申告をやらないで良かったとつくづく思う。
毎年やる確定申告ならいざ知らず、一生にせいぜい2回か3回の相続税申告は次回までノウハウを覚えておくことなんて不可能だからである。
しかも申告後2年位はあ~でもない、こ~でもないと税務署がつつきまわしてくる。税理士に依頼すればそんな税務署の一次対応もすべて請け負ってくれるのである。
余程暇で(まあ世の中に私より暇な方はそうはいますまい)、かつこの手のことが好きな凝り性の方以外はカネで解決するのがよい。報酬も値崩れしてるようだし。
「今回は言い値で払いますけど、次回(老母)、その次(私)もセンセイにお願いしますから、『ファミリー割引』みたいなのお願いしますよ。私のは遺言にも書いとくから」
「わかりました」と、センセイはどこまでも律儀である。
聞けば「小野寺誠税理士事務所」をこの杉並区本天沼の地に開いたのが18年前、奥様の実家の隣が売りに出たのがきっかけだったそうだ(確か昔はぼろっちい骨董屋だった)。開設当初は駅からも離れた住宅街でこれからどうなるのかと将来を危ぶんだこともあったという。
礎知識さえ怪しい人がいる。