「にゃん社長、どうしたんすか。うかない顔して」
「あ、りん探偵。実は、さっきゴミを捨てに行ったら…」
「ん?今日は雑ガミの日ですね」
「そうなんだよ。そしたらさー、まだ誰も捨ててなかったの」
「へー。そんであの柵とネットをセットしなくちゃなんなくて、
面倒くさー、っと思ったんだね」
「でしょ?(ゴミなんか捨てに行ったこともない)りん探偵も、そう思うでしょ?」
「ぐるるん」
「それがさ、柵もネットもセットしてあったんだよ」
「ぐるるん?」
「変でしょ~?自分は捨てるゴミないのにセットした人が、この町内にはいるんだよ。
え?調査してみる、って?そうだねー。このところ、全然探偵活動してないから、
腕がなまっちゃってるよね」
「ぐる、ぐる、ぐるるん!」
「じゃあ、いっちょ、りん探偵にお願いしようかな。調査範囲はこの町内でしょー、
んで、多分律儀で、真面目で几帳面で、他人のために一生懸命を物事を行える人…」
「ふにゃにゃん」メモ
を取る、りん探偵。
「あっ
」
突然のにゃん社長の大声に、目を見開くりん探偵。
「やっぱ、調査、やめよう」
首をかしげる、りん探偵。
「だってそんな立派な人が誰かわかったって、私と気が合いそうにないし、
逆にお説教かご指導されそうだし。誰も幸せになんないよ」
りん探偵、激しく尻尾をふり出す
。
「いや、け、経営的にさ、調査してもらっても、それ相当の報酬を、
りん探偵にあげられないからさ、だからだよ
」
にゃんとも探偵社は、堅実経営です。
