私はご飯を食べていた![]()
~ぐるるるるるるる![]()
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りんちゃんがうなりながら急ぎ足でやって来る。
「りんちゃんのご飯はここじゃないよー」
れれ。
私を通り過ぎ、
彼女は普段上がったこともない
ガス・レンジの上にジャンプ。
ただならぬ雰囲気で、伸びあがっている。
「どうしたの、りんちゃん」
私になど、目もくれない。
レンジフードに犯人の匂いをかぎつけた
警察犬状態。
私はご飯を続行する![]()
りんちゃんったら、どうしたのかしら。
~うーん、ふーっ。うー![]()
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レンジ・フードの網のところへ、
猫パンチを繰り返している![]()
かなり本気。
いや、今までみたことのない本気。
ガチ、というやつか。
私も気になって、
急いでご飯を食べ![]()
(食は人生の基本ですから)、
ガス・レンジへ駆けつけた![]()
いったい、どうしたっていうの、りんちゃん。
ぶーん、ぶーん。
はっ。蝿。
レンジ・フードの網の向こうに蝿がいる。
なぜ、なぜこんなところに蝿が。
そして、なんでそれに、
遠くにいたりんちゃんが気づく?
超不思議。
りんちゃんの興奮はマックスをむかえた![]()
カチャカチャ。
私ははずしたこともない、
レンジ・フードの網を取り外そうと試みる。
このままじゃあ、
りんちゃんの狂気状態がずっと続くと
思われたから。
開いた、ぶ~ん![]()
台所に侵入する蝿。
追いかけるりんちゃん。
速すぎて、とにかく私にはわかがわからない。
何も壊さないでよ~。
と、りんちゃんのテンションが、すとん、と
ニュートラルに戻って、
しきりに床をみつめている。
前脚の先に、小さな黒い物体。
「捕まえたの?ブラボー
りんちゃん!」
他界された蝿は、
私がティッシュで確保した。
りんちゃんの野性。
感動の蝿事件である。
