SALE。
なんとときめく四文字だろう![]()
たとえ必要がなくったって、ふらふらとすいこまれていく。
「ご試着できますからね~」
はい、はい。
「あ、それはお買い得です」
「そちらはね、セーターだけを作ってるところのものなんです。
お袖口もね、なんの変哲もないんですが、絶対に伸びないんです」
「へー」
「ベーシックなものは、お安い時に買うのが1番!」
「そっすね~。じゃあ、これお願いします」
「他は、よろしいですか?」
「んー、あと、あの紺のやつもかわいいけど うち、
猫いるんで」
「え」
「毛がついて目立つんです。紺とか黒は」
「そんなに?」
「背中にのったり、身体のぼったりするんで」
「うっそー。かわいいー。うちにも猫いるんだけど、まだそんなことしないー。
10月生まれなんです。なに飼ってるんですか?」
「アメショー?」なぜか私は語尾を上げる。
「うちもアメショー」
「えー、うっそー」
アメショーが、全世界に2匹![]()
しかいないかのように2人はもりあがった。
こんないたずらする、あんな顔する、と。
店のなかでは、多分ワゴンの高さくらい浮いていたと思う。
生後3カ月の頃は、りんちゃんのいたずらも、半端なかったな。
少ししたら落ち着くよ、と私は先輩面
してショッピングを終えた。
家に帰ると、このいきさつを知ってたかのように、
そのお店の袋に異常に喰いつくりんちゃん。
カサカサカサカサ。
あの店員さんの猫ちゃんの匂いでもするのかな。
と、突然走りだし、生後3か月を彷彿とさせるような狂走![]()
SALEには、りんちゃんもときめくらしい![]()
