昔の海外添乗は大変だった!今では考えられない添乗員の仕事
海外添乗の仕事をしていた頃のことを振り返ると、「今の添乗員さんは便利になっただろうな」と思うことがあります。私が海外添乗をしていた頃は、今のようにスマートフォンもなく、インターネットをどこでも簡単に使える時代ではありませんでした。今ならスマホひとつでできてしまうことも、当時はすべて自分で準備し、紙で持ち歩かなければなりません。今回は、そんな昔の海外添乗で大変だったことを振り返ってみます。お客様の航空券を全部持ち歩く今ではeチケットやスマートフォンのアプリなどが当たり前になりましたが、当時はそうではありません。ツアーのお客様の航空券を、添乗員がまとめて管理していました。つまり、お客様全員分の航空券を持って移動することになります。「絶対になくしてはいけない」というプレッシャーが常にありました。航空券だけではありません。添乗員は、旅行に必要なさまざまな書類を持ち歩いていました。高額な現金を持って移動するこれも今では考えにくいことかもしれません。当時の添乗員は、ツアーで必要になる現金を持って移動することもありました。当然、金額もそれなりになります。海外では日本と同じ感覚で行動するわけにはいきません。「絶対に盗まれてはいけない」という緊張感がありました。ネームリストも重要な書類お客様の名前が記載されたネームリストも、添乗員にとって重要なものでした。今のようにスマートフォンにデータを入れておけばいい、というわけではありません。紙のリストを持ち歩き、人数を確認したり、移動の際にお客様を確認したりします。これも、なくしてはいけないものの一つ。海外では、持ち物の管理そのものが添乗員の大切な仕事でした。観光地の説明も「紙」観光地を訪れるときには、お客様に説明するための資料を準備します。地図を配ったり、観光地の資料を渡したり。もちろん、今のように「詳しくはスマホで検索してください」とは言えません。添乗員自身が必要な情報を事前に調べ、資料として準備しておく必要がありました。次の日の予定も紙に書いて配るそして、毎日のように行っていたのが、翌日の予定の案内です。「明日の朝食は○時です」「集合時間は○時です」「○時にホテルを出発します」といった予定を書いた紙を作り、お客様に配ります。今ならスマートフォンで簡単に連絡できますが、当時は紙が大切な連絡手段でした。添乗員は、翌日のスケジュールを間違えないように確認し、分かりやすくお客様に伝える必要がありました。添乗員は通訳もする海外添乗では、添乗員自身が通訳をする場面もあります。ホテル、レストラン、観光施設など、現地のスタッフとお客様との間に入って話をします。もちろん、すべての場面で完璧な通訳ができるわけではありません。それでも、お客様に安心して旅行してもらうためには、添乗員が何とか意思疎通をしなければなりません。今なら翻訳アプリがありますが、当時はそんな便利なものはありません。自分の語学力と身振り手振りで何とか伝える。これも海外添乗の仕事でした。海外ではスリにも注意そして、海外旅行ではスリにも十分注意しなければなりませんでした。日本にいるときと同じ感覚で、バッグを持って歩いているわけにはいきません。添乗員自身の貴重品だけではなく、お客様にも注意していただく必要があります。「貴重品には十分気をつけてください」と、何度もお客様にお伝えしていました。インターネットがすぐに使えない今では、分からないことがあればスマートフォンを取り出して検索できます。地図も見られます。翻訳もできます。ホテルの場所も確認できます。でも、私が添乗員をしていた頃は、それができませんでした。必要な情報は、出発前に調べて、紙にして持っていく。現地で必要になる資料も、あらかじめ準備しておく。今振り返ると、かなりアナログな仕事でした。今ならスマホ一台でできることも航空券の管理。地図の確認。翻訳。連絡。スケジュールの共有。観光情報の検索。今ならスマートフォンひとつで、かなりのことができます。でも、当時はそれらを一つひとつ自分で準備していました。だからこそ、添乗員は常にたくさんのものを抱えていました。書類、地図、資料、ネームリスト、そして現金。それらをなくさないように気をつけながら、お客様を連れて海外を移動していたのです。今思えば、かなり神経を使う仕事だったなと思います。でも、すべての準備を終えて、お客様と一緒に無事に帰国できたときの安心感は格別でした。そして何より、何事もなく旅行を終え、お客様が楽しそうに帰っていかれる姿を見ると、「添乗員をやっていて良かった」と思えたものです。今の便利な旅行を見ていると、昔の海外添乗は本当に大変でした。でも、あの頃にはあの頃の良さもありました。便利なものがなかったからこそ、自分で考え、準備し、現地で判断する。そんな経験が、今の私の中に残っています。