ネタバレ感想 死刑にいたる病 | 玉と蝋石の雑種

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映画ゲーム海外ドラマ周りの話を備忘録的に書いています。

 

死刑にいたる病



予告編

 

2022年製作/128分/PG12/日本
配給:クロックワークス

 

監督 白石和彌
原作 櫛木理宇
脚本 高田亮
製作 藤本款 小坂恵一 和田佳恵
企画 深瀬和美
プロデューサー 深瀬和美 永井拓郎 堀慎太郎
撮影 池田直矢
照明 舘野秀樹
録音 浦田和治
美術 今村力 新田隆之
装飾 多田明日香
衣装 高橋さやか
ヘアメイク 有路涼子
VFXスーパーバイザー 朝倉怜
音響効果 柴崎憲治
撮影効果 実原康之
編集 加藤ひとみ
音楽 大間々昂
助監督 渡辺圭太
制作担当 篠宮隆浩
 

阿部サダヲ
岡田健史
岩田剛典
宮崎優
鈴木卓爾
佐藤玲
赤ペン瀧川
大下ヒロト

 

近況報告 

 

我が家は今来週に引っ越しを控えていることもあり、梱包作業に追われております...

あとはこれはもうやめなきゃなとは思うのですが不意にベルセルクが読みたくなったのでまた電子書籍版を買ってしまいました。

これで今持っている電子書籍上の漫画の数が2373冊ということでね、一冊500円として計算すると恐ろしいものが...

 

 

あらすじ 

 

鬱屈した日々を送る大学生・雅也のもとに、世間を震撼させた連続殺人事件の犯人・榛村から1通の手紙が届く。24件の殺人容疑で逮捕され死刑判決を受けた榛村は、犯行当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。手紙の中で、榛村は自身の罪を認めたものの、最後の事件は冤罪だと訴え、犯人が他にいることを証明してほしいと雅也に依頼する。独自に事件を調べ始めた雅也は、想像を超えるほどに残酷な真相にたどり着く。

 

感想 

 

87点


安定の白石和彌監督クオリティーでしたね!

フゥーー!やっぱ好きだぜ!


内容としては、今までの白石和彌映画テイストの特徴であるところの「ヤクザ!警察!シャブ!」みたいにクソ悪なものを妙にテンション高く叩きつけてくる、みたいな感じではなく、悲鳴以外では大声出すような人もいないひたすらに暗い話でした。


作中で主人公雅也のお父さんが「喪中だぞ!はしゃぐな!」なんて怒るところもあるんだけど、そこも小声だけど怒鳴るみたいな器用なことをやってて「後でマネしたい...」なんて思ったり。

あとはこの映画、PG12になってますけど痛い描写のエグさがかなりキツイのでご注意ください。爪....とか骨....とか。特に骨のシーンの痛めつけられっぷりは被害者が潔癖症であるということの弱点も踏まえての森ぬかるみステージチョイスに意地の悪さを感じましたし、イーライ・ロスのホステルを連想しましたね、つらい...

事前に原作を読んでから観に行ってましたし、お話の全体の構造としては同じだったのである程度落ち着いて観てられたのですが、脚色が入っているところがいちいち怖かったですねー

まず、雅也が榛村の息子の疑惑がMAXになったときに榛村が面会室のアクリルを挟んで「いま、きみの手が握れたらいいんだけどな」と言うシーン。原作にも同じセリフはあって、原作のラストも洗脳した担当弁護士に向けてそのセリフを言って終わりなので印象的な言葉ではあるわけですが、
映画ではその時に突然映画内リアリティが歪みアクリルを超えて本当に手を握ってしまうんですよねー!
油断してたのでめっちゃビビったのと映画じゃないとできない表現だなーなんてちょっと感動しました

また、原作中では密室の面会室の中にいる唯一の第三者である刑務官は雅也と榛村のやり取りに仕事としてでしか干渉しないけど、あくまで一般社会=雅也側の人間として存在していたわけですね。でも映画の中では榛村と談笑してるシーンがあって、おやなんか様子がおかしいなーなんて思ってたら、不意に榛村側に立って面会時間を融通し始めた時の恐怖よ...!

密室の雅也と槇村との間にはアクリル板と刑務官という2つの障害があったから平静が保っていられたけども、もう無理でした!

そしてラスト、雅也の幼なじみから恋人になった灯里の場面、これはもうホラーの定番といいますか、「もう安心かと思ってたら、違う!!」シーンとしての「ガッツリ洗脳されてたんかい灯里...!」のところですね

原作ではこれから灯里に槇村がコンタクト取りそうっていうところで終わりだったのでまだ「救われしろ」みたいのはあったんですけど、映画のほうではもうあーあ....っていう状態になっちまってましたね!ちゃんとビビりましたよ!

ということで、原作読んでてもめちゃめちゃ怖かったですよ、さすがだぜ白石和彌監督&脚本担当の高田亮氏よ!

あと雅也を演じた岡田健史の演技がよかったので今後ボンヤリ追いかけようかななんて思いました。阿部サダヲの口調とそっくりになるシーンがマジ怖い。

おしまい

 


原作本。面白いし思ってたよりもだいぶ読みやすかったです。