3月23日 PM 17:43
ボクは
彼女に真実を言えぬまま
選挙本部前の喫茶店で三人と合流していた。
三人は緊張して
黙って窓辺から見張りをしている。
その時
陣君が
「フププププ…」
と、急に笑いだした。
ボクは
「どうしたの急に?」
「思い出し笑い。昨日ね、大好きな歌手の白矢綾〔シロヤアヤ・20歳・
〕ちゃんが、2年ぶりに音楽番組に出た時の話なんだけど…」
「私も見ましたよ。注目している歌手の1人です。」
「ボクも見たよ。結構好きだよ。笑った時の、やえ歯がいんだよな。」
「その中で、何個か視聴者の質問に答えてたでしょ?その殆どが嘘だったんだ。」
「『今年のお正月は誰と過ごしたんですか?』という質問も嘘ですか?」
「『家族と過ごしてました。』って言った時、ノイズがしたんだ…友達とならそう言えばいいから、たぶん彼氏と過ごしたと思う。」
「『私も綾ちゃんのようにかわいくなりたいから、整形を考えてます。どう思いますか?』ってやつは
」
「『整形はケガをした人などのためのもの。そこまでしてかわいくなる必要はないと思います。』って言ってたでしょ…」
ボクと戸神さんは
「………ノイズが………
」
「…………うん…………噂があったでしょ。最近鼻が高くなったとか、胸が大きくなったとか。たぶんその通りだと…」
「えぇええ…今日の収録日は、綾ちゃんの20歳の誕生日おめでとうってやつも
」
「『ありがとうございます。』って言った時も、ノイズがしたんだ…たぶん2・3歳は誤魔化してる。でもね、ボクは嫌いになったわけじゃないんだ。」
「……………」
「……………」
「この能力に目覚めた時、急に周りがノイズだらけになったんだ。テレビを見ても、家族からも聞こえてきた。それが嘘を吐いてるからだと分かった時は、ショックだった……でも、やさしい嘘もいっぱいあったから………たくさんの人が、やさしい嘘で助けられてたから………でも、トゥルーエンジェルが能力で得た世界に救いはないから…………」
「能力には能力で、私達が阻止しましょう。」
ボクは
店内の時計を見て
「もうすぐ5時。ホームページの選挙活動の予定ではそろそろ動き出す。」
「時間だ。」
選挙本部で教祖の沢木は
信者の5人の
守光哲也〔モリミツテツヤ・?歳・
〕
瀧村徹〔タキムラトオル・?歳・
〕
玄馬一之〔ゲンマカズユキ・?歳・
〕
羽月美和〔ハヅキミワ・・
〕
黒武者宗佑〔クロムシャソウスケ・?歳・
〕に
今日の予定を説明している。
「守光は、昨日と同じ様に候補者1人消せ。その他の玄馬・瀧村・羽月・黒武者は、オレと一緒に選挙活動だ。」
すると
守光は
「1日1人とは言わず、全ての者を消せば良いのではないですか?」
「退屈なんだよ…選挙も出来レースみたいなもの……オレ達へのエールだと思ってやれ!!」
「出て来たよ、教祖の沢木。それに1人2人………信者3人。」
「(複数相手…計画通りに戸神さんとボクの能力のコンボで、沢木達を尾行させる人を選び、ボク達は二重尾行する。)戸神さん、あの子でいいんじゃない?普通な感じで目立たなそうだし。」
「……そうですね。問題ないですね、そうしましょう。」
ボクと戸神さんが
尾行させる人の所へ
行こうとした瞬間
「待って!!単独行動の信者がいる!!」
「(単独相手…ボク達自身が尾行する。)よし、行こう。」