兄が亡くなったことをはなすとき、ALSについては語りません。語りたくないのです。
ですから「実はもう兄が亡くなったの。長い闘病生活だったから・・・」と言葉を濁してそれ以上は語りません。
相手がALSを知っていても言いたくないし(どんな病気か説明したくない)、相手がどんな病気か知っていても言いたくないのです。
職場では、ごく一部の人にだけ姉の病名や状態等詳しいことを話しました。姉のことで帰省するときはみなさんにご迷惑をかけるので、みなさんに姉が難病で、とは言いました。
でも、どんな症状があるの、とか根掘り葉掘り訊いてくる人たちは何なのでしょうか。仕方なく病名は伏せて少し説明したら、「ALSとかも同じような病気ですよね」とか若い女性に言われました。
腹が立ったので、「そのALSなんです」とこたえました。
そうしたら結局その女性はなんて反応したらいいのか困ったようすで、どんな病気かしらない周りの人たちには何それ、みたいに説明を求められる雰囲気になって。
訊くのやめましょう、と思います。こちらから積極的に話さない場合は話したくないのですから、難病で十分でしょう。 話すべき上司たちには詳しく話しているのですから。
でも、私の場合、ALSだから話したくないというわけではないかな、とも思います。
今年久しぶりにあった友人の1人は「お父さんがパーキンソン病で介護が必要になってきた」、と普通に話をしましたし、もう1人も「兄が難病で(病名も言っていましたがまったく聞いたことがないもので覚えていませんが)、親より先に逝っちゃうんじゃないかな」と普通に話していました。
私は姉のことは言いませんでしたし、姉がALSじゃなく末期の癌とかその他の重い病気でもやはり話さないでしょう。
私が話したくないだけで、世間では家族の重い病気や病名について割と普通に話すものなのですかね。
職場であれこれ訊いてくる人達は逆なら訊かれても平気だから、いろいろ訊いてくるのですかね。
まあでも私は自分が話すまで訊かれたくないので、こちらからいろいろ訊くということは今後もしませんが。病気に限らず、いろいろと。