ようやく手に入れた武器は、拳銃だった。
おそらくは新型だろう、琥珀色の宝玉が埋め込まれた黒い銃。
どこかザワつくものがあるが……戦闘に支障はない。と願いたいお願いしますわマジで。
正直言うとな、アイツなんかに負けたくないんだよ!!
一旅目 5 デモ戦:ドレッドノートは風に啼く
『オレ様を扱うとでも言うのか?』
突然脳裏に響く声、誰だ!?今忙しいんだけど!?
声の主を辿ってみると、それは何故か琥珀色の宝玉から聞こえていた。
……最近は武器が意思を持つのか。すごいな。
『何か勘違いしているようだが、まぁいいや。一時的だが力を貸してやるよ』
「は、はぁ……」
えーと、とりあえずこの銃さんは力を貸してくれるらしい。
しかし、なんなんだコレ? なんかチャージとか出来そうな部品が取り付けられてるよ?
見た目は至って普通の銃なんだが、うーん? チャージ武装……ミニ波動砲とか撃てたりして!?
いやいや、ないない。どこのRの系譜だよ。ねーよ、絶対ねーよ。
コツ、コツ、コツ、さて足音が近づいてくるぞ、タイミングを逃したら終わりだから一発で決める。
『いまだ、往け!』
武器の収納された棚から通路に飛び出て、目の前までやってきていたブロウに零距離連射。
何かが抜けていく感覚をかき消すように ドガガガガ!!とぶっちゃけ拳銃にしちゃ、ぶっ飛びすぎるような弾声が唸る。
しかも、恐ろしい威力で、五弾ほど被弾したブロウがフラフラと倒れこんだ。
「…………………………えっえええ!?」
戦闘終了のブザーが鳴ると、武器庫と外部を繋ぐ扉から観戦者だったらしい少女が顔をのぞく。
青い髪、珍しい色してるな。
「えっとー……終了。です」
「……あ、あぁ……了解」
なんだか呆気なかったけど、謎の武器によって倒れたブロウに敬礼!!
「いや私まだ死んでないから」
黙ってなさい阿呆。また弾丸浴びたいか。
*
「いやはや、まさかあそこまでの威力を持つ武器があるとは」
休憩室で茶を飲みながら反省会。あまりにも呆気なく終わってしまったため、
特に参考に出来るような事もなかった。
お手本には成れなかった訳だ。が、何故か感謝された。
俺が発見してブロウを瞬殺した拳銃、えーと……『アルバトロス』とかいったかな。
アルバトロスとやらは、非常に力が強すぎて、レジスタンスのメンバーでさえ扱えなかった代物らしい。
こいつは人格を持っていたのだが、そこらへんはどうなの? と聞いてみたら、
原材料?に問題があるようだが、詳しくは知らない、だそうで。
まぁそんなこんなで、使えない銃の行き先が決まったと、まぁ宝の持ち腐れはやだもんな。
ありがたく、銃は頂戴する事にした。だって、ねぇ。嬉しいじゃん。おいしいじゃん。無償でゲットだぜ。
「お前のゴリオシ戦法にも吃驚だったがな」
「あぁ……それは、その」
「はぁ、取り合えず制限は決めておこうか」
技の使用制限はどの道必要だ。まぁラストボスに相応しい戦闘力の持ち主だ、
人前でバンバン魔法を使われたら化け物扱いされて通常活動に支障が出る。
俺が入手したアルバトロスも、一般人の前では使用を控えねばならない。
両者、枷付きであっても、それなりにやっていけるほどの強さはある。問題は無い。
「じゃあ私は人前では魔法職……アークメイジが習得する技だけを使用すればいいんだな」
「俺はアルバトロスの使用を控えるで手を打つ」
アルバトロスは戦闘中以外では喋る事が出来ないようだ。まぁ……問題は無い名。
レジスタンスには先程、ブロウは魔法の偉才で、枠に収まる者じゃないことを説明してある。
妙な事をしない限り、大丈夫であろう。うん、そうであってほしい。
「お前、大丈夫か?」
何が?
「顔色悪いぞ、真っ青だ」
「別に体調は正常だけど」
ちょっと違和感はあるけどな。
「そうか……次はどこに向かうつもりだ?」
「そうだな……」
ちらり、日付が一緒に表示されている時計を見る。
暫く任務はない。季節は春。
「……桜でも見に行こうか」
「サクラ?」
「丁度花見の季節だしな。いい穴場を知ってるんだ、息抜きに行こうぜ」
大人しい同僚たちも誘ってさ。
正直、此処最近は任務の内容がハードで疲れていたんだ。たまにはいいだろう。
「じゃあそろそろ出発しよう、用は済んだし」
休憩室を出て、出口のある区域へ歩を進める。
……なんだろう、視界が霞んで見える。あれ、ちょ、ま。
*
「生きてるか?」
「一応生きてるみたいだな、すまない。何から何まで世話になってしまい」
「別にいいさ、アレを使って倒れた人間はごちゃまんといるし」
イクスが突然吐血し、倒れ、今は救護室。
どうしてよいのか分からず、右往左往していた私を助けてくれたのはかつての部下であった。
デーモンスレイヤー。今はトリガーと名乗っている青年、魔族と人間の混血で、背に翼の在る者。
今、トリガーは私の正体に気付いている様子はない。
かつて彼を裏切った事を、謝罪するチャンスは無い。
「あの銃、そこまで危険なものだったのか……」
あの威力、確かに可笑しいと思ったが機械武器に反動と言うものが存在するのか?
それとも機械に見せかけた何かの魔法武器か?
「詳しくは知らないが、命の危険がある事には変わりないな」
んな危険な武器を何故此処で所有しているのだ。さっぱど分からんぞ。
「起きたら使用は極力控えろと伝えておけ、コイツは使えるものはとことん使う。釘を刺しておいてくれ」
まるで困り者を知り合いに持っている人間のように言うと、トリガーは部屋を出て行った。
出て行く瞬間、こう、呟きが聞こえた気がする。
「…………いつも無茶ばっかしやがって」
お前はいつもそう、無茶をする
(優しすぎるよ)
(強がりすぎるよ)
*あとがき
ようやく一任務目終了、次の部隊はジパングでっせ 和だぜ!和!!
そこで新規にレギュラーを迎え入れたいと想います。

