異次元の壁の隙間部屋 -11ページ目

異次元の壁の隙間部屋

小説やら創作やらを投下するブログです、
オリジナル設定多し、苦手な方はすぐ逃げましょう。
相互リンク大歓迎


「お前がいたせいだ」



 
 やめろ。



「理解したくない、視界から消えてくれ」



やめてくれよ。



「どうしても嫌と言うならば、その哀れな化け物と一緒に、殺してやるよ」



 もう、やめてくれ!!





六旅目、4  断絶者





時は、少し遡る。

「よーやく合流できたな」
「いやーすまんすまん。まさか合流願望だとは思わなかった」


 色々すっ飛ばして炬燵たちと合流を果たしたが、ティダがいないことには驚愕した。
……現在この場所にいるメンバーを確認しておこう。
 まず炬燵、龍牙。生きててよかった。よくあのバイヲを駆け抜けたな。
 そんでもってメールで助けを求めてきたトリガー先輩。

まぁこの人は……しぶといからな、無駄に。そう、無駄に。



「なぁ、奈零紗は?大丈夫なのか?」
「あぁ水雷さんが診ててくれてる、……とにかく、お前らなんで此処まで潜った」



 炬燵の質問に答えて質問で返す。



「あー…いや、その……」
「ごめん、オレもわかんない」



 龍牙の返答で、イクスは大体の事を察したらしい。
ようは迷子になったんだなと、そう単純な理由だと思い込むことにしたようだ。


「ティダの件は大丈夫だろ、闇落ちしてても引き戻せる」


 刹那、トリガーの発言の直後だった。ドゴンッ!という爆音と、何者かの歓声が聞こえたのは。




*合流場所→→→総合研究室





「なん、だこりゃ!?」

 炬燵は思わず声を上げた。研究室のど真ん中に存在するそれをみて。

「キメラだな。あー……大物だ」

 トリガーは淡々と語る、龍牙は気分が悪くなったのか、それから目を逸らした。
 

 金属と生物が融合したソレ。おそらく生物はニンゲン。
何人犠牲にしたのだろうか。イクスは巨大キメラを見、ギャラリーと化した研究者達を見た。
 ふと、思う。




 ノイズが邪魔だ。彼らさえいなければ。




「いやはや、今回は大成功ですな」
「あぁ、これで私たちの努力も報われる」
「やったぞ。これで。これで……」






 すべて スクワレル。






「お前らの勝手な理想論なんざ、邪魔なだけだ」


 『彼』は動いた。







 一瞬の出来事だった。トリガーは流石だと感嘆する。
ざっと二十数名いたギャラリーが、一瞬で死んだ。否、殺されたのだ。

 彼、イクスの手によって。



 正直此処まで殺れるとは思っていなかった、想定外だ。
そういえば彼は、異様にキメラに関して詳しいな。そんでもって大嫌いだと言っていた。
大嫌いの対象はおそらく……。



「お、おい!もうやめろよ!!何も殺さなくても……!!」


 
 炬燵が叫ぶ。多分、それは聞こえていない。たとえ聞いていたとしても……。



「こういうのは放っておくと面倒な事になる。今潰しておいた方が効率がいい」



 人間。そう、あいつは極度の人間嫌いだ。
 表ではそういう素振りは見せないが、いざこうみてみると、よく分かる。
だって、仲間を見る目すら、豹変しているのだから。

 冷たい憎悪の光。仲間であっても容赦がない。殺意しかない瞳。


グシャリ、死体となったそれの頭を踏み潰している。
表現してはいけないもの全てをぶっ潰し、ゴミのように蹴り飛ばす。
いつも以上に狂気行動に走っている。


「なにして……るんだよ!!」

 龍牙は拳を構えて突撃した。実力行使で止めるつもりなのか。無駄な事を。



「やめておけ、死ぬぞ」


 トリガーがソレを引き止める。死者は少ないほうがいい。
 滑稽だな。










 彼らがいたせいで。こうなったのか?
あてつけ?真実?虚構?うそ?
くだらない、今は殺せばいい、それだけだ。
 そう、あいつだ。あいつさえいなければ。
全て終わるわけじゃない、だけど、殺さねば。

殺さねば、俺が壊れてしまう。
理由なんて知るか、そんなものイラナイ。イラナイ。

死んでしまえ。

死んでしまえ。

犠牲になるのは、俺たちだけで十分なんだ!
これ以上殺させたくない!
 
くだらない実験なんか、
そんな事に全て捧げるヤツなんか、
生かす価値すらない連中なんざ、
全部


死んでしまえ!!














でも、本当にそれでいいのか?
(理解不能)
(理解、拒絶)






アトガキ

 暴走しました。

 


異次元の壁の隙間部屋



ノリとノリとノリで描いた意味不明漫画もどき





「なぁ、もしもさ」

「もしもってどういうことよ?」

「もしも、俺が消えたいとか言ったら……どう思う?」


 唐突な質問に、リリアは戸惑う表情を見せた。が、すぐにいつもの表情が顔を見せ、こういう。


「全力でそれを否定して、全力でそれを留めてみせるわ」


 自信満々に、不安の欠片も感じさせない、リリアらしい言葉で。

イクスはそれを見て、安心したように微笑んだ。最近までどこか旅に出てしまっていた、自然な笑顔。

かつての彼らしい表情をみて、リリアは安堵しながらも、頬を膨らませる。


「むぅ……何笑ってるのよ」

「いやー、いつも通りだなぁーっと」

「なによそれ」


 リリアの不機嫌は中々治らない。それくらい、イクスは知っている。

子供のころから、兄弟のように育ってきたの幼馴染だ、

相手の機嫌のたちの悪さぐらいは、理解しているし、相手が何か抱え込んでいるのも、直感的にわかる。

 きっと、自分が今抱えている問題も、相手は全部わかっているのだろう。


 秘密も、何も、全部。きっと察しているのだろう。

「もう、イクスってば悩んでるといつもそう」


 ため息交じりにリリアが言葉を紡ぐ。彼女も、理解していた、察していた。

お人好しで寂しがり屋な【弟】は、他人には迷惑をかけまいと、自分の事を後回しにする傾向がある。

【姉】は、それを知っていた。


「そういって、いつも通りに振舞おうとする。そーれーに、自虐的な冗談も簡単に言い放っちゃうしさ」

「あー……バレてた?」

「何年間一緒につるんでいると思ってるの?」


 そりゃそうだ、もう十年以上の付き合いだ。下手な嘘は全部見透かされるに決まってる。


「じゃあこちらも、同じ言葉を返すぞ。どーせ、いろいろ悩んでるんだろ」

「…………アンタの方が問題は重いでしょ」

「『重い軽いの問題じゃない』って言って俺を叱りつけた人は誰でしたか」


 リリアは降参したように笑った、まさか過去彼に言ったことを、自分に返されるとは。

確かにそうだ、重い軽いの問題じゃない。悩みは悩み、それには変わりない。


「まぁ、さ」


 しぶしぶ、リリアは口を開く。


「後継ぎの問題とか、家族の事とか、今後の事とか……ケリつけてない問題は沢山あるわよ」

「でも、リリアの場合は、一人でやりきる。とか言うんだよな」

「随分とまぁ分かり切ってる事で、ええそうよ。やって見せるわよこれくらい」


 【兄】は知っていた。常に先を走り続ける【妹】は、時折人を頼ることを忘れてガス欠を起こすことを。

そして、本当は人一倍、寂しがりやなことを。


「あほ、俺にも手伝わせろっての。まーたぶっ倒れてみろ、今度は顔に落書きしてやる」

「ひっどーい! んー……まぁ、良いわよ。勝手に手伝いなさいよ」


 ふんっと鼻を鳴らして、そっぽを向く。感謝はしているのだ、いつもの行いで。

そのいつもの行いがイタズラだったり、喧嘩だったりするが……それもまた、彼らの在り方だ。


「……アンタは」

 そっぽ向いたまま、リリアは問いかける。


「アンタは、どうなのよ。……継承の事」


 彼女は心配だった。彼は今、ある意味危機に直面している。それも、命にかかわる問題だ。

 イクスはようやく見出した選択肢の中で揺れていた。

力を得て、今まで殺した分の人々以上の数を救って死ぬか、

力を得て、また人を危めながらも、人を止めてでも生きるか。


「まだ考え中」

「それだけじゃダメなこと、分かってるよね?」

「分かってる」


 身にしみて、知ってる。 そう彼は付け足した。

 リリアは余計に心配になった。何をしでかすつもりなのだろうか、

今までの『冒険者』としての、『幼馴染』としての生活には戻れなくなるような気がする。

嫌な予感だけは良く当たる。今回だけはそうであってほしくない。

 

「……でも、まぁ。此処に居続ける努力はしてみる」
「珍しいわね、アンタが努力なんて言葉遣うなんて」


 根性と気力と努力だけが取り柄なもんでしてね、彼はまた笑う。

昔のような笑い方はしなくなった。昔のような、上っ面だけの仮面は消えた。


 紅闇戦争終息から約二年、彼は変わった。彼女は変わった。

彼女、リリアは己の能力を活かせる道へ、迷わず一人で突っ走っている。

彼、イクスは旅を続けている、今度は仲間をまとめるリーダーとして。


 夢を追う者、夢を探す者。

 そんな二人が、今此処にいる事すら、奇跡なのかも知れない。


「つーか、その前にケリつけないといけない事、沢山あるし……あーやること多し」

「せいぜい頑張りなさいよ、燃え尽きそうになったら助け舟出してあげるから」

「その船で何かを渡らされそうで怖いんだけど」

「お花畑の川の先にいるご両親に会わせて差し上げましょうか?」

「やーめーてー」


 ジョークが怖いよ、ジョークが怖いよリリアさーん。

クスクスとリリアは笑う。笑みすら怖いよ貴方。めっさ怖いよ。

イクスは冗談に苦笑しながら、こう返した。


「とりあえず、意地でも此処に居座りますから。ヨロシク」

「えぇ、せいぜい今を生きることね」


 アンタが人間止めても、居場所ぐらい見繕ってあげるから。

リリアはそう付け足して、スッと立ち上がる。背景の夜空に紛れて、表情が見えない。


「さーて、今夜は飲むわよー!」

「おい未成年者、何問題発言してやがる」

「ジュースよジュース。さ、アンタも来なさい!」


 右腕を半強制的に引っ掴み、リリアは街の騒ぎ屋に向かって歩き出す。

それに引き摺られる形でイクスもまた、騒ぎ屋へ向かわされる。

案外、リリアの力は強い。引っ張られる腕が痛い。


「ちょまっ、痛い痛い痛い」

「ひ弱ねぇ……男なら我慢する!」

「ひ弱言うなーこらー!」

「うっさいわね!このチビエノキ!!」

「チビエノキっていつの話だコラ!このカラーヒヨコ!!」

「カラーヒヨコってなによ!!ワタシは女よ!!」

「へーへーそうですかー」

「こぉーらぁー!!しばき倒してやるー!」


 ギャアギャア騒ぎながらも、街の喧騒ざわめく人ゴミの中へ二人は姿を消した。



**



 そんな二人の姿を見つめていた人たちがいた。


「仲良いですねー、あの二人」

「仲良いと言うのかアレ」

「まぁ、いいんじゃないんでしょうか」


 エヴィン、絆、シエルの三人であった。ラグは事情があって早期退場である。

偶然白夜の街で二人を見かけ、暇つぶしにぶらぶら歩いていた三人は、その光景を覗いていたのだ。

観ていたのは、喧嘩し始めた部分だけだが……。


「チビエノキ(笑)」

「圧倒的にリリアが優勢だな、あのあだ名だと」


 シエルが黒い笑みで嘲笑ってる。こういう姿は中々見れないから、存分に弄りたいのだろう。

見た目に騙されたら、SAN値は速攻で直葬されるだろう。


「そういえば、カラーヒヨコって全部雄らしいですよ」

「鶏の雄とか無茶苦茶強暴とか聞くな、なるほど……エノキはすぐくたばるな」

「あだ名の経緯、面白そうですね」

「シエル、マジで怖いからその笑みヤメロ」


 エヴィンの意外な雑学で、カラーヒヨコの意味はお分かり頂けただろうか。


「幼馴染っていいですよね……」


 つぶやくようにエヴィンが言ったが、場を察してスルーする。空気の読める男たちである。


「というかラグさんは?」

「宿屋で死んでたぞ」

「あららー」


 ラグェ、絆は密かに合掌した。倒れた原因がエヴィンとシエルにあることなど、言えるわけがない。


「まぁ、俺らも今夜は遊ぼうぜ?次の任務あれだろ?でかい龍の討伐だったし」


 同意しないわけがない、シエル達はまた、人込みに紛れていった。





**


「うぉおぉ……」


 そうそう、ラグは殺意しか感じない腹痛に一晩悩まされたらしいよ。

G並み生命力に敬礼!






今、此処にいる事。

(此処にいるために)

(今を遊ぼう)






──あとがき

ぐっだぐだー、ぐっだぐだー、

過去編リメイクメンバーでぐだぐだ書いてみました。予想以上にグダグダ、グダグダでいいじゃない。