異次元の壁の隙間部屋 -10ページ目

異次元の壁の隙間部屋

小説やら創作やらを投下するブログです、
オリジナル設定多し、苦手な方はすぐ逃げましょう。
相互リンク大歓迎



幕間*カネレ・ファタ・モルガナ



「所で、此処は食事処ではないと思うんだが」
「ん。そうだけど何か?」



 現在地、酒場。
おい、私はともかく、お前は成人していないだろう。何故此処なのだ!!


「だって今夜此処で仕事だし」
「何の仕事だよ」
「ライブだよライブ、ピンチヒッターで呼ばれたの」


 因みに報酬はタダ飯ね。そりゃあいい。


 まぁ、中々いい感じの酒場だ。各所に透明な宝石が置かれている。
なんだろう、あれは……魔石なのか? かなり強い力を感じる。


「ここは音響石がカネレか、いいなぁ……」
「カネレ?」
「カネレ・ファタ・モルガナ。あれで音楽の音量とか質をを調整するんだ」


 因みにカネレは石の中では最上級ね。
そう付けたしすると、知り合いらしき人物が此方に話しかけてきた。
金髪で蒼眼、どこか眠たげに、だるそうな雰囲気をまとう青年。
年は……イクスと同じ程度か。いいなぁ、同年代の知り合いいて。


「ひさしぶりー【デットン】さん」


 その青年はイクスをデットンとよんだ。は?デットン!?


「よう、久しぶり。【リオレオ】。調子はいかが?」


 イクスはその青年をリオレオとよんだ。なんだその名前!?

 後々聞いたのだが、デットンとかリオレオとかは、全て偽名だそうだ。
酒場限定の偽名……芸名のようなモノなのだとか。


「そのお隣さんは誰?仲間?」
「下僕」
「違う!」


 こ、こいつ……即答で私を下僕扱いしたぞ!?
おいこら!たとえ元英雄だとしてもそれは許せんぞ!


「へー、しっかしまぁ髪の毛サラッサラだなこの人。つかマジイケメン」
「どごぞの魔女が喜んでお持ち帰りしそうだよな」
「確かに、「お持ち帰りーん♪」って言いながら飛びつきそう」


リオレオとイクスの会話がまったく理解できないのだが、
これはもう……時代の差か? いやでもヤツは普通に会話している。
ううむ……私が遅れているのか……?



「さて、そろそろ合わせやっとこうぜ。因みにソロパートあるからな」
「了解っと。 ブロウは適当に待っててくれ、金は持ってるだろ?」


 一応生活できる分はもっている、私はそのまま彼らを見送った。




「……というか何が始まるんだ?」




 とりあえず、そのライブはカオスだった。
詳しい事は言わない事にする。言ってしまったら頭を割られそうだからだ。
あまりにも危険すぎて、混沌極まり過ぎていて、もう危険というかヤバイ。

「エレキで良かった、歌だったら死んでた」
「……にしては楽しんでたな」
「そりゃあね」











 そんな宴を眺めていた青年が一人いた。

「…………へぇ」












桜の雪の中、時を待つ。
(久しく)
(時を望もう)




「なぁ、『彼女』の事さ……好きなのか?」

鉄塔と高層ビルに埋もれた街にて、その世界の仲間に聞かれる。
この街は割りと嫌いだ。


「さぁな、興味ない」 (興味はある

顔も合わせず、少しためらって返答を寄越す。


「それは酷いなぁ」 (それは良いことでして

クスクス笑う彼、多分其れは苦笑い。

「結構長く時間が感じれるしな」 (相対性理論、結構時間が短く感じる



常人にはさっぱり分からない会話、この世界ではこれが普通なのだから驚きだ。
いや、驚きと言うよりかは……呆れ。

でも、そうしないと「殺される」。
恒星の神よりも、案外この世界の神はえげつないようだ。



反転世界、と言うべきか。あぁ別に表世界を支えてたり罪の覇者がいたりはしない。
じゃあ何なんだと言うと……非常にややこしい。


強制的に嘘を吐かされる。そう説明すればいいのか。
つまりは、真の事、真の気持ちなどを言ってしまうと『殺される』。誰に?多分世界か神に。
『殺された』ヤツは、這い上がる事の出来ない『海』に投げ込まれるらしい。
死にたくなくば嘘を吐いて、相手の言葉を反転させて理解しろ。

海、と言う場所は非常に条件が良い。だが、此処は恒星の管轄外。何があるか分からない。

 さて、なんで俺がこの世界にいるのか。と言われると……。
正直、知らない。気が付いたら此処にいた。というか誤爆的な感じで飛ばされた。
恒星の気まぐれにしては酷すぎる……と言いたいが、まぁヤツならやるだろう。

外道の化身のヤツならやる




え?なんで詳しくシステムを知ってるかって?
……身に染みて知らされたからな。嫌でも分かる。
 姿は覚えていないが、飛ばされてすぐ出会ったそいつに「状況が理解できない」と言ったら死に掛けた。
で、なんとなく分かっちゃった訳だ、嘘吐かないとぶっ殺されるって。
⊿(D)の血の超直感は実に役に立つ、久しくありがたみを覚えたあの頃だ。

そんな訳で、今日もでいでい嘘吐きを演じている。演じてるんだよ、本気じゃないからな。



「あー、忙しいねぇこの街は」 (退屈だねぇ、この街は
 『嘘吐き仲間』の石野……違った。ストール=ヘルシが言う。
「そうか?」
 いちいち反転させるのは、結構面倒くさかったが、もう慣れた。流石に一ヶ月くらいたつからな。
因みに、真のことを『言』わなければOKなので、複雑な場合は筆談だ。

このことはストールから『書いて』教えてもらった。
抜け道発覚に非常に、非常に救われた。苦労してたんだよコレ。
 筆談すら面倒くさい……というか、街中では殆どスマートフォンのメール機能を使っている。

契約しといてよかった。


あぁそう、ストールについてだが、此方に来てからであった仲間だ。
彼はなんか「華麗に屋上からダイブしたら、死なずにこっち来ちゃった」という
とんでもない理由で反転世界にやってきた異邦人。髪色は黒に青のグラデーション。地毛だそうで。


「あ、あの子あの子。なぁどう思う?」
「知らないヤツだな」 (知ってるヤツだ


 街中の人混みの中で、ストールは一人の少女を発見。

見た目は十三歳位、髪色は黒で型はショートカット。
……俺は無言でスマホでメールを打ち、ストールに送る。



『この世界の神様って、俺に何か恨みでもあんのか』
『つまり……どういうことだってばよ?』
『あの子、別軸での彼女』
『…………どういうことだってばよ』
『そのまんまの意味、出来れば他人の空似とかそういうことを期待したい』
『リア充爆ぜろ』
『既に沈みました』
『とりあえずナンパしていい?』
『三百歩譲って許可する』




 だが、ストールは声を掛けようとはしない。その少女……ルライトの姿は人混みの中へと消えていった。
本当は呼び止めたかったが、彼女の前では極力嘘を吐きたくない。離れたほうがいい。

「いいのか?」
「よくない」 (いいよ
「……気張れよ」 (頑張るなよ
「いいえ」

 口数は少ないほうがいい。死ぬのは怖くないが、残機が分からないから、そっちのほうが怖い。


「とりあえず出掛けようか」 (とにかく帰ろうか

 そういって、俺は家路を辿る。向かう先は裏路地の廃ビル。住民票何てもってないからな、
生活レベルは冒険者時代とはそう変わらないのが、ひとまずの救いだった。






『くっだらない世界だこと』
 心の中で呟く、もう、言葉にしないことには慣れた。

『まるで刑罰を下す牢獄だ』

 ……俺はいつも死から遠い場所にいた。あの世界には殆ど死というものがないし、
俺自身に流れる咎血の加護で、龍と同等の寿命も持っている。
ついでに恒星の無駄な加護による「偶発的な奇跡」のせいで、肺ぶち抜かれても結局死ななかった。




 ──命と言う名の責任を負わない故の、戒めなのだとでも言うのだろうか。



「いないだけ、有益か」 (いるだけ、無益か

 廃ビルにその言葉を聞くものはいない。

『……いっその事、彼女のいない場所で死んでしまおうか』
『真だの嘘だの関係なく、飛び降りてしまおうか』
『きっと、誰も気付かない』




 親父もおかしな名を寄越したもんだ、「救い」なんてさ。
たとえ誰かを「救」えても、俺に対しての報酬なんてない。
ボランティアと同じ。報酬はない。ただ、力があるからそうするだけ。



「……誰もが気付く生き方なんて、少ないもんな」
『誰もが気付かない死に方なんて、ごちゃまんとある』



 幸い、彼女に俺の存在は気付かれていない。状況はいい。
あぁでもやっぱり、誰かが気付いてくれるのを願い、水面に仰ぎ見てしまうのだ。



 夜が明けた頃、突然スマホが鳴り響く。ストールからメールだ。

『ごめん。俺やっぱ耐えられない』
「……………!?」

 その文面はおそらく、一斉送信で送られてきたモノ。何を考えてる?一体何を?
下へスクロールしていくと……予想していた答が、無慈悲にも存在していた。



『いってきます。そして、いきなさい』



 朝日が、いつも以上に恨めしく思えた。




 なぜだか、ストールが『海』にいってしまった日から、自殺が多く目に付くようになった。
芋蔓式に、連鎖反応を起こして、耐えられなかった者達は次々死んでいく。
スマホに送られてきたメール、その差出人はどこを探してもいない。


…………これが偶然なのか、必然なのか。もし偶然なら、いやな偶然だ。


 こんな時、自分を恨んでしまう。だって皆、『真』を言って死んだのだから。
何を怖がってる? 俺が求めていたのは真と同意義の答だった。欲しかったのはソレのはずだった。
なぜ言い出せない? なんで? 真を言うのをなぜ躊躇う?


「あぁ、そうか」 




 俺、死ぬのが怖いんだ。






「ごめんなさい」

 その人は言葉を残すと、目の前で死んだ。

「こんな世界、大嫌いだ!!」

 その少年は、本心を叫んで死んだ。

「ありがとう」

 その少女は、想い人の腕に抱かれて死んだ。




 本当に伝えたい言葉を、真を言って、皆死んでゆく。真にたどり着いて、死んでゆく。
『嘘ばかりじゃ、ダメなんだ』
『言わなきゃ』
『でも…………彼女を悲しませるかもしれない』






 とある日、大通りを歩いていると、彼女の姿を見つけた。


「……おい、ルライト?」

 確認。

「え……、い、イクス……?」

 
 完了。暫く声を出していなかったもんだから、発言するのが少々辛い。
彼女が何故この世界にいるのかは分からない。知りたくは……あ、少し興味はある。
安心した表情をルライトは見せる。あぁよかった。


「イクス……、キミもいたんだ……、よか、……あ」

 内心焦った。うっかりどうでもいい真を言ってしまわないかが、非常に怖い。
おそらくは良かった。といいたかったのだろう。だが言ってしまったらおしまいだ。


「無事……みたいだな。……そちらは聞いていないか、『此処』のことを」
「……聞いて、ない」


 聞いていると。ああやっぱり知っているんだ。
どこまでもえげつない、神だこと。


「……キミは、まだ理解していないの?」


 心配そうな顔をして、俺に問う。本来ならばメールなどを使うべきだが、

絶対的な確立で彼女は端末を持っていない。


「あぁ、まだ、だ」


 慎重に言葉を選ぶ。うっかり死んだら全ておじゃん。水の泡だ。
まるで人魚姫の最後のように、泡は溶けて消える。俺も同じような道を辿りたいものだ。


「そう。……あのね、イクス。きい、聴かなくていいことを言うよ」


 つまりは、聞いて欲しい事を言うと。反転させて、真に受けないように。
此処から出る方法などない、そんなこと分かりきってる。だから逃げない。


「何だ?」
「……会えて、悲しい。見つけてくれて、苦しい」


 会えて嬉しい、見つけてくれて…………
あぁやっぱりきついなぁ。苦しいや。真意は別にあっても、言葉は言葉で結構抉られる。
 でも彼女はこの世界の法則を理解している。それを知れてよかった。
それさえ知っていれば、不条理に殺される事はない。いや、ルールは最上悪に不条理だけど。
慣れは怖い。だけど、安全なんだ。それで。


 さぁ、覚悟を決めようか。


「……そうか。……ルライト。俺も、聴かなくていいことを言う」


 彼女の使った反転語を使って、理解に苦をなさないように努力する。


「……えっ?ちょ、え??」


 あぁでも、死に顔は見せたくないや。
 ルライトを抱きしめて、彼女には顔を見せないようにする。やばい、すっごい怖いや。
無意識にも、彼女の手を握る。震えているの、分かってしまうだろうか。


「ど、どうか、して……いないの?」
「……聞いてくれ」


 さぁさ笑って、精一杯笑って、お願い、笑って。最後くらい、希望を持たせて。



「    」




痛みは感じなかった、なにも、なにも、只一つ感じ取れたのは……後悔だった。







 青色に埋もれた視界、見覚えのある世界だった。
そう、ここが『海』。の深海に位置する場所。

 知っている、この冷たさ。この昏さ。音の、なさ。
本当の深海の底にて、見覚えのある光景にやってくる。
光の届かない、水面の光すら、太陽の光すら、星の光すら届かない、この場所で。
また……空を呪い続けるのだろうか。いや、恨みを投げるとしたら人の住むあの場所か。


 どれだけ背伸びしても届かない、
 どれだけ腕を伸ばしても掴めない、
 どれだけ願っても、恨んでも、何も届くことはない。


楽園は、幻想は、なにもいらないと思った。未練がないとは言い切れないけどさ。
きっと此処なら、彼女もたどり着けることない。多分、おそらく。 


キミはきっと来ない。きっと、きっと。
頼むから、来ないでくれよ。
こんな表情、到底見せられない。




「   !」



 ふと、声がよぎる。空耳だと願った。
でも違った。否定なんて出来なかったんだ。彼女自身だったんだから、無理だった。
降りてきたソレは、ルライト。
 すっかり冷え切った手を、今度はルライトが握る。



「ルライト、なんでキミまで……!?」



 なんで、死んだんだ。
 なんで、死ねたんだ。
 どうして……此処まで来た。



「イクス、聞いて。聞かないと許さない」



 目線を合わせて、彼女は言う。










「世界で一番、大好きだ」










 海にておそらく私情最上級の驚きと、私情最速の理解速度を更新して、少し経った。

「……まったく、予想外すぎて魂消たぞ」

「?」

「あぁ聞かなくていい。反転しなくていい」


 さて、皆を元の世界に返さなければ。今の力だと、多分自分はダメだな。暫くは命海暮らしだ。
俺は海龍の末裔どころか、そのまま海龍だからな。

命海の覇者だし、コレぐらいの特権はあっていいはずだ。


「……よし、お前ら元いた場所に帰れ」

 深海から空に向かって、不特定多数の魂に呼びかける。因みにその中にルライトも入っている。
歓声の声が小波の音に変化して聞こえる。その中に、一人だけの異論がいた。


「え? ど、どういうこと!?」
「此処で永遠にいさせるわけには行かないからな、理ぶっ壊してでも帰させる」


 無論、キミも。


「……イクスも一緒だよね?」
「あぁ、後で行くから気にすんな」

 
 時期は物凄い開くがな。約束は守る。意地でも帰るぞ俺は。
ルライトの心配を振り払うように、声のトーンを上げて、謳う様に。


「『さぁ、いきなさい』」


 こんな場所ではなく、お前らの望む場所で、勝手に栄えて滅びるがいいさ。
みすぼらしくも、誰かが愛せるような物語紡いでこい!!










誰もいなくなった海の底。
只一人、龍は空を謳っていた。
(還るために、帰るために、今は、いきましょう)













おまけ:エンドロールの先


「なにしてるの、早く帰るよ」
 ソイツは俺の腕を引っつかんで言った。
星色の髪をした、奇跡を司る女神、『ステラ』。
「どーこーに連れてくつもりだ」
「どこにって、地上に」
「ふざけんな」


 俺は即答で突っ撥ねる、地上だって?何言ってんだこいつ。俺を殺す気か。
 ステラはため息をつき、言葉を発する。

「地上がそんなに嫌い?彼女も住んでるのに」
「嫌いじゃない、苦手なだけだ」

 土の上を歩くのは、とても苦手なんだ。息を吸うのと同じくらい苦しくて苦手。


「ねぇ……キミは今だれなのかな?」

 質問攻めは嫌いです。

「答えて」

 嫌いだって言ってるだろ。

「ボクが提示する選択肢は四つ、『空白の覇者』『海朽龍』『ローディ』『イクス』。さぁ、答えて」


 ため息は形にもならず、仕方なく口を開く。


「⊿:βdata weapon。四番目の執筆者」


 ルート武器を扱うものに容赦なく与えられる、畏怖と憎悪を込められた、継承者の異名。
正直言って、『四番目』には意味は無い。だって一番目も二番目もいないのだから。
……⊿の文字は別言語に変換すると、Dの文字に相当するそうだ。


「あ、そっちだったか」

 ステラは頬を掻きながら、あちゃーと項垂れる。これで女神とか、色々と疑いたい。

「ひとまずはお引取り願う、まだ仕事があるんだ」

 全ての命海は繋がっている。それは此処も同じだった。
 仕事は魂の追い返し、なぜか真を言って死んだ連中は

此処に来るもんだからなぁ……放置するわけにも行かない。


「……キミは、此処にいるべきではないと思うけど?」
「何言ってんだよ」



 もとより居場所は【此処】。そう定めたのは誰だったっけか?


「この場に埋もれるのは早すぎるっていってんの、さ、帰りなさい」




 ステラは俺の手を強引に引っ張ってゆく。
 行き場所は地上か、それとも違う場所か。





「自分の足で歩いて、いきなさい」
「……分かったよ」










 ⊿は、また歩き出す。
(終わりの大地を)
(終わらせないために)




「歪な世界だ」

 紅の狂気が世を憂い見る。

「……崩してしまおうか」

 遊びのように、華やかに。

「そうだ。それがいい」

 美しく、醜く、艶やかに。それは鼓動を刻み始める。
さぁ創めようか。一つの系譜を。
新たな、貪欲なるDを。

 紅は、また嗤った。



三つの約束~再滅と終末の物語~
プロローグ。



 紅は、まずどこから壊していこうか考えていた。簡単に全てを壊しては面白くない。
遊びなのだ、結局は自分のための遊び。
 黒に沈む海辺にて、紅──カプリチオは漣を聞きながら、試行錯誤に没頭する。


「何してるんだ」


 ふと、突然声を掛けられた。


「誰だ貴様」


 やけに彼に似ている青年であった。ダークブラウンの髪、琥珀の瞳、
ざっと見て十八歳程度だろうか……?
 

「通りすがりの旅人さ」

 青年はニヤっとした笑みでこう言っては、右手で暇そうに銃をクルクル回す。
それは、M1911型の銃である。此処まで同じなのか、彼と。
 だが、ありえないだろう。彼は既に死んでいるのだから。


「さて、質問に答えてもらおうか」


 






 ハジマリは奇妙な出会い