言語聴覚士「けつ」の伝えたい話 -3ページ目

言語聴覚士「けつ」の伝えたい話

言語聴覚士として病院で働いている自称「けつ」が、仕事や日常生活で感じるちょっとした気づきや考えを綴ります。とくに、経験の少ない言語聴覚士を含むコメディカルや学生に聞いてもらえるとうれしいな。

夜から明け方にかけてすごい雨が降ってましたね。その雨も、通勤時にはあがっていたのはラッキーでした。

今日も先日話をしている患者さんの話です。アズノールのうがい薬を1日5回きちんとしてもらうことで、口腔内の状態は随分と改善傾向。舌を中心とする運動機能の改善も認めている。会話中の明瞭度低下に関しては、①吸気行為不十分に伴う構音時の呼気変換効率が悪い点、②口蓋筋群の可動性低下及び奥舌の可動域低下に伴う開鼻声、③(元々、舌小帯短縮症による器質的な舌先巧緻性低下が構音や嚥下に影響はあった方だと推察されるが)舌の巧緻運動能力低下が考えられる。嚥下に関しても同じような理由が考えられ、それにともなうムセや誤嚥リスクがあるのではないかと評価した。病期としても、少しでも口から食べることを再開・継続したいと考えている。

そして…、昨日ようやくポタージュスープ程度にとろみをつけたお茶を20cc程度、軽いムセは認めたが摂取した。その後、ゼリー摂取は1口少量のスプーン介助下摂取で、やはり嚥下までの時間を要した。嚥下後の咽頭クリアランス不良もあり。ST介入後、初の直接嚥下練習(食物を用いた練習)だった。結局、ゼリーは30gの半分、15g
程度で終了とした。

今日の記事は、少し言語聴覚士らしい内容となったが、癌末期の緩和ケア段階の患者のリハビリに関われることを幸せに感じる。と同時に、緩和ケア病棟を有するわけでもないので、一般の急性期病院で癌末期の患者様にどれだけ寄り添えているかというと、非常に問題を感じるもの正直なところだ。忙しいは「心を亡くす」と書く漢字である。ゆえに、どんな状況であれども、私は臨床家として「心を亡くすことなく」日々患者さまに向かいたいと思う。
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昨日から今日の臨床のイメージをしてきた方がいます。個人情報なので詳細は書けませんが、癌ターミナルの患者さんです。自身の癌患者さんへのアプローチに対する思いは、また別の機会に置いといて、とにかく自分の持ってる力を出し切って対応したい担当患者さんなんです。

 
先週初めてお会いした日、治療の副作用で皮膚がただれ、口腔内粘膜も状態は悪く、口角は切れ、舌にも前方後方ともに潰瘍ができており、唾液嚥下もしづらく、口にも喉にも粘調痰が貯留し、痰の自己喀出も難しい状態でした。更には、もともと舌小帯短縮症による舌の運動能の低下もある。開鼻声も著明に認める…。勿論、発声もしづらく、発話明瞭度も不良。発話明瞭度で言う4:時々分かる言葉がある 程度でした。
 
自身や、自分の大切なヒトに置き換えただけでも、よく頑張られているなと思い、グッときてしまいました。強い方だなと、ココロから思いました。そして、自身が考えられる知識やこれまでの経験をもとに、担当の理学療法士と一緒に評価をしました。
 
まず取り組んだのは潰瘍を早く治すこと、口腔内衛生状態の改善、並行して痰の喀出につながる方法検討と、痰量を減らすこと。それから…このSTを信じてもらえるための紳士的対応。その日だけでも複数回顔を出しました。最悪な状況下で、少しだけ表情が和らぎました。そして、うがいの能力の評価と病棟でのうがい薬を用いたうがいの定着。1日5回はベースに。翌日、翌々日と口腔内の状態は変化してきました。
 
3日目。挺舌時の可動域に随分と変化がみられるようになりました。さて、また続きを書きますね。今日はすごく眠たいのでこのあたりで…。あっ、タイトルの15グラムの経口摂取の話しが出る前にこの時間…。とくk
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勢いがある日にはブログる!

この前のブログで書いたように、月曜日を迎える夜や、休み明け前夜は寝付きが悪い。ここ数年は、担当患者数も激減し、臨床といっても、新人や経験の浅いSTを中心とした臨床同行が多かったりする。経験年数の少ないSTがどのように自身のキャリアを積んでいくのか。これは当院だけの問題ではなく、今後ST業界全体の問題となっていくだろう。今日facebookの投稿で、『人間関係がうまくいく秘訣』なるものを見つけた。それによると、人間関係がうまくいく秘訣には、「考えすぎない」「追いすぎない」「求めすぎない」「押し付けすぎない」「決めつけすぎない」「縛りすぎない」「見下さない」「こだわりすぎない」「自分だけだと思わない」「挨拶を忘れない」「ありがとうを忘れない」とあった。

これを見た瞬間、STとして、管理職者として働く自身は、少し思い悩んでしまいそうになった。つい…「自分が1年目の頃はこうだった…」とか言いそうになったり、現に言ってしまっていたりすることもあると思う。脳血管疾患により生じる様々な症状を観察・評価・分析し、アプローチしていくSTとしては、脳で起こっていることは、ある意味ブラックボックスである。だからこそ、テキトーに聞こえてしまうこともあるわけで、根拠が必要となってくるんだよね。だからこそ、あえて言いたい「考え抜き、追い求め、そして求めて、こだわっていけ!」「押し付けや、決めつけ、縛りすぎ、見下しはやはり良くない」「自分だけだとは思わないが、職人である以上、自分
の腕には自信を持って、ただし、挨拶や感謝を常に忘れることなく謙虚でいる」それが職人にとって、STにとっては必要なことである気がしてならない。コミュニケーションを生業とするSTだからこそ、人間関係が“ うまくいく ” だけを大切にしていくのもどうかと思う。もし万が一、このブログをSTになろうとしている方や学生が読まれたなら、私は是非「職業人としてのプロ意識をしっかりもって謙虚な姿勢で臨む」ことのできるSTになってもらいたいと思う。できれば、『この人になら師事してもいい』『このような人になりない』と思えるSTとの出会いがあればサイコーだ
ね。そうすれば、あとやることは決まっている。ただひたすらに、そのヒトを観察して、真似る。そして、真似たくはないなと思う箇所があれば、そこは真似ない。

人間関係がうまくいくこと、それを先に考えると、どことなくさし障りのないことを言ったり、周囲に嫌われないようにしようとすることに労力をかけてしまいそうだ。ただ、STとして思うのは、コミュニケーションは「情報の授受(受授)」であって、自分があって相手があって成立するものだと考えている。だからこそ、相手を理解しようと努力しながら、表出(伝達等)していくことに消極的にはなりたくないと強く思う。新人や経験の浅いSTとのコミュニケーションや臨床指導を通しては、「人間関係がうまくいくこと」をあまり意識しすぎないようにしていきたいと改めて感じた。これから当院に実習に来る学生に対しても同じ考えで臨みたいと思う。
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