数年前、東直子さんの短歌の講座に
通っていました。
そのときの仲間が出版した歌集、
『黄色いボート』&『いちまいの羊歯』。
先日、合同批評会というお二人の歌集の
イベントに行ってきました。
いくつか好きな歌をご紹介します。
・原田彩加さんの歌集
『黄色いボート』より
いつだって言いたいことの半分も言えないけれど 大きいね、月
スプーンを水切りかごへ投げる音ひびき続ける夜のファミレス
帰ったら上着も脱がずうつ伏せで浜辺に打ち上げられた設定
眠る間にすべてを忘れますように 百合の香りがしている廊下
行列がなくなり水が腐っても撤去されない黄色いボート(表題作)
・國森晴野さんの歌集
『いちまいの羊歯』より
親指はかすかにしずみ月面を拓くここちで梨を剥く夜
鈍色のきりんの群れが鉄を食む足元をゆく工場の朝
切りすぎた前髪のまま追いかけるわたしは雨のはじまりに立つ
風のない午後に置かれたすずしさを揺らして君と食むわらびもち
コンナコトキミダケデスと囁いた舌のうえにはいちまいの羊歯(表題作)
個性の異なるお二人の
どちらも素敵な歌集。
『黄色いボート』
http://www.kankanbou.com/kankan/item/757
『いちまいの羊歯』
http://www.kankanbou.com/kankan/item/775
よかったら読んでみてくださいね。
☆彡