〈短歌10〉

1、抜きたての二十日大根ちっちゃくてピリリ5月の弾けとぶ空


2、ゆさゆさと大きな屋根を持ち上げる柱ありけりはつ夏の蕗


3、おさなごの手をとるように春菊を連れて畑の回廊をゆく


4、泥だらけの白いTシャツ少年のまま歩き出す夏を担いで


5、なくしものみつけた午後の旅じかんマーガレットの咲いている庭


6、泥水の中をぬめり またぬめり ぬくい 冷たい 田んぼの足湯


7、木の幹も椅子も閑に佇みて山の暮らしのつつがなきこと


8、始まりはちいさなちいさな種でした野菜料理を大皿に盛る


9、夏至のころ夢のつづきの山の果てライトローズマイカメタリック


10、七輪で焼いた鰻にタレを塗る夜風よりみち純米ロック




〈フォト〉