生徒から、「証明なんて、社会に出て役に立つんですか?」と聞かれ、
私は、「役に立つよ」と答えました。
それを聞いた生徒から、「どんな役に立つんですか?」と聞かれたので、説明してあげました。
「例えば、あなたが、物を売る仕事に就いたとする。」
「お客様は、あなたの会社の商品の良さが解らない。あなたの会社の商品が、自分たちの会社にどのように役に立つか解らない。という時、どうやってお客様に説明する?」
「ウチの商品は、こういう商品です。お客様のお仕事は、こういうお仕事ですね。だから、お客様のお仕事のこの部分に役に立ちます。と説明するときに、お客様が理解してくれないと買ってくれないでしょ。」
と話したところで、証明問題を指して、
「で、この証明の例題を見てごらん。この辺とこの辺が同じですね。こっちの辺とこっちの辺も同じですね。そして、この2つの辺の間の角も同じですね。『二辺とその間の角が等しいと合同』っていう条件があるから、この2つの三角形は合同です。って流れで説明されたら、『いや、合同じゃない』って言えないでしょ。」
「数学はね、複雑な社会や自然界を記号化、数値化して、単純に表現しているの。」
「あなたの会社の商品の説明は、三角形の合同の証明より複雑でしょ。」
「だから、あなたの会社の商品の説明をするとき、しっかりとお客様に理解してもらう説明をできる脳ミソの基礎を作るための訓練として、『証明の問題』は、役に立つんだよ。」
「『証明の問題』で相手に説明する基礎ができたら、会社の商品の説明を勉強できるようになるでしょ。」
「わかった?」
とここまで説明して、生徒に訊ねたら、
「はい」
と返事が返ってきました。
「学校の先生は、こんなことを言って教えてくないでしょう。」
と生徒に聞くと、
「どうして、学校の先生は、先生みたいに教えてくれないんですか?」
と聞き返されました。
生徒の疑問に対して、私は、
「学校の先生は知らないからだよ。学校の先生は、物を売ったり、会社に勤めたり、って経験がないでしょ。だから、知らないの。」
と答えました。
生徒も腑に落ちて納得した様子でした。

