アコースティック・ギター、エレキ・ギターの老舗であるギブソンが破産申告しました。
ショックです。
なんとままならない時代であることか…


一応集めた情報では、本業のギター製作は順調だったようですが、やたらと多角的に音楽事業全般に手を出したことが破綻の原因だったようです。
なんだかなぁ…
アメリカのヒットチャートもロック系の音楽は影をひそめ、ヒップホップに若者の人気が集まっています。ギター・ミュージックは、昔のように主役になることができなくなってきた。だからギター製作の将来的な縮小に備えた経営だったのでしょうが、それが裏目に出たということでしょうか。


世界的に、音楽のありようが変化している。
ちょうど 100 年前に写真術が台頭したとき、画家たちは「人間が絵筆をとって絵を描くとはどういうことか」という問題に直面しました。100 年後の今、音楽の世界で同様のことが起きている。打ち込みやアンプ/スピーカー・シミュレーション技術の向上、作曲支援ソフトウェアの充実と浸透は、人間自らが楽器を持って演奏するという意味を問いかけているように思えるのです。

ギターだけではありません。
数年前のアメリカのニュースでは、良家の家庭に一台はあったピアノがどんどん廃棄処分されていると報告していました。キーボードも電子化され、シンセサイザーやソフトウェアの打ち込みに置き換わっているらしい。
技術革新は古いものを駆逐してゆく。ある意味、こうした変化は仕方がないのでしょう。ピアノはチェンバロを駆逐しましたが、同じことが、今度はピアノ自身に起きている、と言ってもいいでしょう。
栄枯盛衰、諸行無常。人間世界では仕方のないことなのかもしれません。


思えばS先生と高校で出会ったとき、ふたりともギブソンのハミングバードのコピーモデルを愛用していたところから意気投合したのでした。
S先生はその後、ホンモノのハミングバードを手に入れました。ホントに一途なヒトです。ちょっとジャジーでテンション系の和音をそこそこまとめてしまういい加減さが、ブルース系の音楽をやるのには最適でした。当たりハズレがあるギター・メーカーでしたが、破産申告はとてもとても…残念です。

ギター製作は続けるのかな? 続けてほしいな。

人間が楽器を演奏する行為には、コンピュータ・ミュージックとは違うなんらかの意味がある。いや、個人的に、あると信じたいのです。