つづき
地球上では赤道上にかぎり「東西線=緯線」 が成立します。
元ネタの例が、北極点からわざわざ赤道上まで南下している理由はそこにあります。赤道上にかぎり、経線に対し直角に曲がることが、そのまま東西に移動することを意味する。だから、あの話は成立したのです。
しかし、赤道上にまで南下していない場合、あるいは赤道を越えてしまった場合には、東西線と緯線は別になります。このとき旅人は元いた場所には帰れない。
一歩譲って、1km で赤道に行ける、とっても小さな地球の話だったとしましょう。異世界です。脳が震えます……いや、なんでもありません。
でも、だとするとファンタジー世界ですから、クマの色を尋ねる設問は反則です。だってファンタジーなんだからなんでもアリでしょ? 北極にツキノワグマが居たっていいし、ジャイアント・トードが居たっていい。キャベツが飛ぼうと冬将軍が跋扈しても文句が言えない。
ひょっとしたら出題者は、方位磁針を片手に、磁石の北を示す針が常に左手に来るように歩く姿をイメージをしていたのかもしれません。これならば、緯線をトレースするように歩くことになります。
この場合、メルカトル図法の地図上ではまっすぐ歩いているように見えますが、地上に住む我々の感覚では U の字の曲線部分のような動きをすることになります。しかし「東に進んで」と言われたときに、曲線状に歩くことを考える人がどれだけいるか?
結局は「東に進む」という動作の定義の問題です。しかし、出題者がイメージした東西の定義は一般的ではない。一般的ではないことはグーグルマップ の対応をみればわかるでしょう。
「1足す1は?」「2」「ブブー、2進法だと 10 で〜す」みたいな、前提となるはずの常識が出題者の任意になっているようなクイズが、知性を測る基準として使えるものかしら?
クイズを出すなら条件はフェアに。
出題者と解答者の間にある、暗黙の最低限の礼節です。
あまりヤボなことは言いたくないんですけどねぇ。
この項 了