
このお雛様。私が8歳で母を亡くしてから子供を生んだ30歳過ぎまでほとんど飾られず、ずっと実家の押入れの隅に眠っていたのです。決して裕福ではなかった両親が無理をして一人娘の私の為に買ってくれた七段飾りのお雛様ですが、父は仕事が忙しく、とても幼い私一人では飾り切れるものではありませんでした結婚した時に実家から引き取るように言われていたのですが、当時は2DKのアパート住まい。5年目に東京にマンションを購入した時にやっと引き取ることが出来ましたが、七段飾りを飾るスペースも無く、思案していました
ちょうどその頃、次男が誕生五月人形を購入した東京浅草橋の人形店でお雛様について相談した所、「親王飾りだけ残して、残りのお人形を毎年5月に行われる明治神宮の人形供養に出しては如何でしょう?」と提案してくださいました。
両親が貧しいながらも揃えてくれた雛人形。しかし毎年七段飾りを飾るのは難儀ですし、収納場所も必要になります親王飾りだけなら、狭い我が家でもちょっとしたスペースに飾ることが出来ます。でも、お人形ですから他をゴミにしてしまうのは抵抗があります務めを終えたお人形の魂を抜いてお炊き上げをしてくれるという人形供養という処分の仕方なら父や亡くなった母も納得してくれるでしょう。
そのようないきさつで親王飾りだけになった私のお雛様40過ぎた今でも毎年、自分の為に飾るのって悪くないと思いませんか
3月3日のひな祭りには毎年、チラシ寿司を作ってお祝い「うち、女いたっけ」と毎年のように聞く夫「私、一応女なんですけど・・・・」
今年は先日の新潟展で雪洞(ぼんぼり)も新調しました男ばかりでむさ苦しい我が家ですが、これからひな祭りまでのしばらくは箪笥の上が華やかです