春も深くなると

小っちゃな窓辺より聞こえるのは

陽光を透過する空の声

もっといっぱい「囀り」を聞きたくて

電車に1時間揺られ

バスは満席にて1時間揺られ

奥多摩の檜原<都民の森>

三頭山へ行ってきたよ

 

山道を歩きたくて

かおりの路を見つけにウロウロ

行ったり来たりしてたら

ガイドの方が声をかけてくださった

森林館の2階より抜ける道を教わったよ

 

バードウォッチングのコツも教えて頂いた

むやみに動いちゃいけない。とか

見下ろすように発見すると

鳥がきれいに見える。とか

5月の初め頃までは餌が乏しいので

鳥が人の近くに寄ってくる。とか

鳥のいるコース、いないコースも教わって

自分の中で予定変更したりして

 

お話してたら

「コガラ」がすぐ目の前に何度も来たの

黒いベレー帽の小さな頭

すごくすごくかわいい。。

「カケス」の姿も確認

声は、、ギャアーギャアー

「オオルリ」の声の伸びやかさは

シルクのように美しくて上品なの

「ウグイス」を遠くから聞いたよ

ホーホケキョ。風流だのう

 

10:07 かおりの路の入り口を

スイッチバックに登っていくと

森の中を飛行する「カケス」の姿を

見下ろすことができたよ

羽を広げると紺碧の青い色が

なんとも優雅に美しかった

 

10:24 お腹がすいたので、テラスで一休み

山並みを眺めながら早いお昼ごはん

今日の山道はみんなこんなふうに

片側斜面な道なの

 

10:45 野鳥観察小屋

静かな山道

ここらあたりで、初めて人と会う

長いカメラを担いでいたよ

ここらあたりで、せせらぎが聞こえる

「ゴジュウカラ」のフィーフィーフィーの

囀りにて、すこぶる遙か~な気分になったり

「ミソサザイ」の鋭く複雑な囀りで

胸騒ぎがしたり

 

山へ登る道と下る道の分岐あたり

ようやく花の群生発見。なんの花か分からん

この季節は花にも新緑にも早いかも、、

しかしながら清流は陽光に照らされて

すこぶる麗しく目映く涼やかだった

水はとっても冷たかったよ

 

沢沿いを下ってると

長いカメラの人が居た

「ミソサザイ」がいるよ。と声をかけて頂き

近寄ってみると、いた!

すこぶる小さくて地味に茶色い鳥なの

この景色の真ん中にて

どえらい声でとんでもない節回しで

叫んでるの!

お腹に拡張器があるんだよ

核融合並みのエナジー

 

11:03 三頭山を目指し、石山の路を行く

こちらの方から登ってみたかったんだ

 

スミレの群生があった

ほんわかと安らぐ心地だのう

菫は憧れであり特別であり思い出なの

"山路来てなにやらゆかしすみれ草"芭蕉

"菫ほどな小さき人に生まれたし"漱石

かっこいい句だ

 

青空の開けた景色の真ん中にて

「コガラ」がツツピーツツピーって囀ってる

風渡るみたいな心地良い響き

 

川を越えると、岩は階段のように

上へ上へと人を誘うよ

 

尾根すじをたどる、深山の路

山道の途中なんでもないところに椅子がある

座ってみた。

ゆるりとすると、囀りいろいろ聞こえてくる

「ゴジュウカラ」のフィーフィー

「アオゲラ」の呼び声みたいなピューピュー

「キセキレイ」の森の挨拶みたいな囀り

「ヒガラ」のツピツピツピツピ!

「ヒヨドリ」の何事だって勢いのイーヨイーヨ

「シジュウカラ」の囃子太鼓みたいなツツピッツツピッツツピッ

等々

 

なかなかの傾斜でござる

根っこの階段と新芽

 

山並みを見渡せて、傾斜も緩やかな

山道の途中なんでもないところに椅子がある

座ってみた。

「シジュウカラ」の囃子太鼓は

さらに勢いと速度が増す

「オオアカゲラ」の地鳴きがしてた

猫みたいな不思議な声

 

11:55 西原峠との合流地点

またまた傾斜がきつくなる

なんだろう、この声は、、と

耳を澄ますと、熊鈴だった

この道中2人とすれ違う

 

疲れて、立ち止まった

そしたら、羽音が聞こえる

目を懲らすと、2,3羽いた

「エナガ」のつつつつつつつの囀り

遠慮がちにあったりして

 

12:08 大沢山に到着

歩いてると暑いのに

休むとすぐに涼しくなっちゃう

恐るべし山の上

 

12:13 ムシカリ峠

人の声が聞こえるようになる

 

12:21 三頭山到着

賑やか。あちこちに人を見る

山並みを眺めるが、どれがどれだか分からん

 

下山は沢沿いを行く、ブナの路

せせらぎが聞こえてくると

「ミソサザイ」が騒がしいほどに囀っている

 

新緑の赤ちゃんを

炊きたてのご飯のように

腕いっぱい抱える木もあった

 

長いカメラの人が居る

何を狙ってるのかな

レンズの行方を追ってみた

「コマドリ」えんじ色の小鳥なんだのう

聞きなしは、ヒンカラカラ。

この景色の真ん中にて

ただならぬ調子でけたたましいくらいに

コロコロコロコロ囀りが転がってた

 

13:29 三頭大滝

落差35m。滝見橋より眺める

岩肌を滑らかに水が流れ落ちている

 

大滝の路 セラピーロードを帰る

ウッドチップが敷き詰められている

ふかふかしてる

歩くのに足に負担がかからないのう

 

途中、なにやら看板がある。行ってみよう

再び森に入り、スイッチバックの路を登る

 

13:46 都民の森で一番大きいもみの木

どーんと、大きいね。見上げたのー

 

次は生活の森を歩こうと思って

行ってみたんだけど、

なんや道が不明瞭な感じかも、、

引き返して14:30のバスで帰ったよ

 

吉祥寺に到着

いささか不完全燃焼にて

もっと冒険したく

「一圓」名物の大きな餃子と格闘する

お腹も欲求も満たされて

無事、帰りの途に着いた

 

記憶をたどって鳥を調べてるので

間違ってるかもしれん、、

 

山道はほわんほわんと囀りに抱かれた

静かな時間を過ごすことができたの

もっともっとのんびりしてもよかったのう

 

美しい囀りにうっとりし

命が迸るさまに圧倒され

すこぶる癒しの山行だった

そして、幸福な光景とすれ違う

三頭山の登山者は

シルバーなご夫婦率が

すこぶる高かったよ。素敵。

、、自分は孤独が似合うもん

 

・囀りやひとりもよろし三頭山