今日は「アイドルキャノンボール 2017」という映画を、渋谷HUMAXシネマへと観に行ってまいりました。
これは以前観に行ったBiSHのドキュメンタリー映画の派生版…、いえむしろこちらが本編で、BiSHの映画が番外編的なものでした。「仁義なき戦い」に例えると、 BiSHの映画は「広島死闘篇」的な立ち位置になります。
で、この映画も最低で最高の破廉恥ドキュメンタリー映画でした。あらゆる意味での“酷い”が網羅され尽くされています。
そして宣伝文句に「アイドルvsAV監督」というフレーズがありますが、その文言のインパクトに囚われていると本質を見誤ります。
これはプロのアイドルとして生きる者のプライドと、AV監督という肩書きの男達が“漢”になっていく物語。そしてその両者の全く噛み合わないぶつかり合い、その儚くも美しき狂想曲です。
映画に登場する男(AV監督)達に「生きるってこういう事だろ!覚悟ってこういう事だろ!やれんのか、おい!(猪木風)」と突きつけられてしまい、観ている時は笑っていたのに、観終わった後は思わず自分の甘さに落ち込んでしまいました。
そしてラストは映画史上でも類を見ないであろうロクでもないラスト(テレビ放映は100%不可能)なのですが、何故にこんなに心を揺さぶられるのか。それは人類史上最もバカな方法で“漢”になった男の姿を見せられたからです。嘘ついたら針千本飲ます、と言われて本当に針千本飲んだ男を見てしまった様な感激がありました。
そして上映後にはBiSのゴ・ジーラさんとキカ・フロント・フロンタールさん、カンパニー松尾氏のトークショーがありました。
因みにキカさんは、鈴木その子以来の白塗りアイドルであり、千の顔を持つ女でもあります。
そのトークショーでゴ・ジーラさんが、数々の試練が待ち受ける「WACKオーディション合宿」にまた参加したいと仰っておられました。
苦難や困難に自ら突撃するこの精神に猪木イズム、たけし軍団イズムを強烈に感じ、心底痺れました。自分も見習いたいです。因みにBiSとBiSHは名前が似ているので混乱しますが、BiSHがカルピスウォーターなら、BiSがカルピスの原液みたいなものです。
そして終演後のサイン会で、ゴ・ジーラさんに私がボクシングをやっている旨を伝えたら「今度対戦しよう」と言ってもらえました。私はこれだけで明日からまた生きていけます。しかし対戦したら私が負けると思います。目を合わせた瞬間に決まる勝負もあるのです。
とにかく!観に行って本当に良かったです。最初は登場する男達を見て「何なんだ、この人達は!」と思いましたが、最後には全員の事を好きになっていました。
生きるとは何か?覚悟とは何か?
その答えを出すためのヒント、そして答えが見つかるかも知れません。万人におすすめ出来る映画ではありませんが、気になったら書を捨てて街へ出てみてください。
「見れんのか、おい!」