今日は松田聖子さんの、初のJAZZコンサートに行ってまいりました。
今日のコンサートはアイドル・松田聖子ではなく、歌手・松田聖子の歌を堪能できたコンサートでした。音楽は人を幸せにする為にあるものだと、改めて感じた夜でした。
聖子さんは元々ロックンローラー気質の人だと思いますが、ジャズのステージというかしこまった場に立つ事で、それが逆説的に浮き彫りになったと思いました。そして基本的にしっとりとしたコンサートでしたが、何度も「カッコ良い!」という場面があり鳥肌が立ちました。
あと今日思ったのは、これはジャズを聴かせる事が目的ではなく、自分が大好きな歌を追求したその先にあったのが、たまたまジャズという音楽だったのではという事です。本田美奈子さんがクラシックに辿り着いたように。
そして今日の聖子さんは自分のオリジナル曲ではなくジャズのカバー曲を歌う事で、アイドルというある種の枠の外に飛び出し、伸び伸びと歌っているという印象でした。
アイドルという概念は聖子さんの存在の支柱であると共に、時には足枷にもなるものだと思います。しかし今日あったのは、そこから飛び出した事によるワクワク感と不安感。それを観客も無意識の内に感じ取り、聖子さんの気持ちと同調した感覚を共有できたコンサートだったと思います。
人生いろいろ、ジャズも色々。黒人がのし上がる手段としてのジャズ、理論を追求して新たな音楽を生み出すフォーマットとしてのジャズ、大人がムードに浸る為のジャズ。しかし聖子さんのジャズは、国民的アイドルがアイドルという枠を超えたところで挑戦した聖子さんだけのジャズです。
故にSEIKO JAZZなのです。
チケットは高額でしたが、充分にお釣りの来るコンサートでした。次がある時も必ず観に行きます!
追記
私の幻覚だとは思いますが、今日の最後の曲を歌う聖子さんの背中に、天使の羽根が見えました。あれはまさに夢か現か幻か、です。