随分前に書いた ProtoolsとCubaseの違い記事 https://ameblo.jp/ritchie-the-world/entry-12073223760.html
がご好評いただいているようなので第二弾です。
StudioOneといえば元々Cubaseを開発していた方が作り出したソフトですね。
元々同じルーツというか、同じチームだった人が今は違うチームにいるというか、Cubaseの別ルート進化というか
何かドラマティックなものがありますね(笑)
私StudioOneも使用しておりまして。
自身のバンドR.T.W.でCDをプレスする際はマスターディスクではなくDDP入稿へと移行しました。(StudioOneで作成)
マスターディスクCD-Rのパイオニア太陽誘電がCD-R事業撤退につき、このポイントで悩んでいる方は多いかと思いますので
是非その点もご参考にしていただければなと思います。
では、いきなり包み隠さず話します。
現時点で最新のStudioOne3とCubase9.5の比較となります。
インストール編
StudioOneインストールで地獄を見ました。
インストールが途中で止まるのです。ネットで調べても結構なレアケースなのか改善方法は書いておらず。
Macタイムマシーンで復元してもだめ。なので完全にまっさらなMacに戻しクリーンな状態でStudioOneをインストール。
その後地獄の手動復元(DL&インストールの嵐)でなんとか使用できるようになりました。約3日かかりました。
サブマシンのWinにはなんの問題もなくすぐにインストールできたのでMacとの相性も疑わしいかなと。
Cubaseはインストール専用のソフトが開発され大変にインストールはスムーズでした。
フルインストーラーもアプデインストーラーも選べるのでここはソフトキャリアの差があるかなと。
ちなみにCubaseはディスクインストール時代からインストール時にバグが起きたことがないです。
操作性編
これはProtoolsの時にも同じことを言いましたが慣れが大きいと思います。それを踏まえて
StudioOneでこれはいいなー。と思ったのはプラグイン切り替えが一つの画面でできるということですね。
これはCubaseには無い機能で大変効率的です。Cubaseにできる同時にいくつも別画面にプラグインを立ち上げることも当然できます。Cubaseにもこれは入れて欲しいですね。
ただBUSトラック作成にやや癖があり面倒だなと思う点があります。これはCubaseのGroupトラックにも似たようなことが言えるのですが…Cubaseの方が全然ここはマシかなと。
しかしミックスだけで言うのであれば、先にStudioOneで慣れた方はCubaseには行きにくいかなといった印象。
MIDI編
ここはCubaseに地の利がありますね。というのも主流規格であるVSTの本家であるCubaseは当然の如くほぼ全てのVSTを難なく使いこなせるのに対して、StudioOneは最上位バージョンでしかVSTを使用できません。今の時代それほど問題ないかもしれませんが、お気に入りのフリーソフトや個人開発系のものはVSTが殆どなので場合によってはここは痛いかもしれません。
打ち込みは慣れだと思います。多機能で安定しているのはなのは流石にCubaseです。StudioOneのクオンタイズ機能は致命的なバグがあるので(発動条件は謎)移行したいけど移行できないと言う方が多い一番の要因はMIDI機能の不安定さにあると思います。
オーディオ編
これはどちらも優れています。
共に64bit浮動小数点なので明らかに従来のDAWとは音が違います。「良い!」と一口に言ってしまうのは簡単ですが
音の分離感がよく綺麗なサウンドです。Cubaseはジャンルによってはサウンドに飽和感があると言われていましたが見事克服したなと。
StudioOneのサウンドは近代的な感じだと思います、編な例え出すがシャカシャカする感じというか(笑)高音に特徴があるというか、とてもハイファイ感のある音だと思います。Cubaseも9.5から少し似た傾向はありますがStudioOneよりは特徴がないというか、普通に綺麗な音です。強いて言えば重低音はCubaseの方がよく聞こえる気がします。低音ではなく重低音です。
ここら辺はクラブミュージック系やドロップD以下のバンドサウンドなどでは結構影響しそうな感じはします。
マスタリング編
StudioOneに軍配があがります。Cubaseはそもそもマスタリングの専用機能は付いていません。同社のWavelabという別ソフトが出ています。それに対してStudioOneは同DAW内で完結できるので大変シームレスです。
更に作曲系DAW唯一のDDPファイル作成機能&インポート機能があるので強いですね。マスタリングそのものも大変しやすく直感的にできます。ただしStudioOneに取り込んだ時点で多少音は変わります。これはどのソフトでも多少は起こることですので仕方ないですね。(マスターディスクにデータを焼いても多少の変化は起こります)
ただしこのStudioOneのDDP作成機能
現時点バージョン3では致命的なエラーがあるので(笑)
回避方法をお伝えしておきます
普通にDDPを作成するとできます。しかしインポートすると…あれ?
入力したはずのタイトルが消えていたりバグってたり…日本語タイトルだからダメなのかな?と全部アルファベット入力しても改善されない。しかも恐ろしいことに、同条件で同じDDPを作成しているのにインポートするとその度に違ったバグが起きていたりします(恐)ランダムなバグとかどうしろと…
改善策はこうです。
StudioOneそのものの言語設定を日本語から英語に変える
更に念には念を入れるなら
フォルダーやタイトルに至るまで日本語は使用しない
です。
これで直ると思われます。何度やってもダメだった私はもしや…?と思い試してみたらこれでできました。
まとめ
StudioOneは安定さえすればトップシェアになりうるソフトだなと。
現時点で国内トップシェアはCubaseですが、StudioOneも誕生後短期間でものすごい勢いで上がってきています。
新しいソフトなので時代遅れの機能はそもそも入っていない為ソフト自体がまず軽く音も良い!安い!ライセンスUSBドングルとかいらない!PC5代入れられる!などとても時代に合っているスマートなソフトだなと。
現在国内王者のCubaseもやはりあぐらをかいているわけではなく積極的に進化を続けています。音質は上がり、かなり癖のあったオートメーション書き込みも改善され、圧倒的多機能!
個人的にCubaseはDDP作成機能を入れて欲しいなと。StudioOneは多機能にはならなくて良いから安定して欲しいなと。
Pro toolsの今後の反応も楽しみなところです。
私は普段何を一番使っているかというと2017年になってからは9割以上Cubaseです。
最近はミックスもPro toolsではなくCubaseでやっております。
理由としてはやはり作曲とミックスがシームレスに行えることと、私の周りでは圧倒的にCubaseユーザーが多いということ。
当然そうなると送られてきたり送るファイルもCubaseで作成したwavが多く
「wavファイルをインポートする際は同一DAWでやった方が音質変化が少ない」という当たり前のことですが、せっかく周りのほとんどがCubaseなんだからこれで!的な感じです。
もちろんPro toolsのセッションで求めれてくればそれで送りますしそれで作業もします。全所有DAWのショートカットはPro toolsに合わせているのでいつでもばっちこいです(笑)しかしあまりにも国内Cubase率が高い為に、昔で言うところの「Pro toolsでやり取りする」感じのポジションにCubaseがなっている感じですね。今現在は。
やはり今はどのDAWも優秀なので、何を最初に触るか、自分の環境に合っているのはどれか
音質操作性云々ではなくなんとなく見た感じ使いたくなるのはどれか のような感じで考えすぎずに好きなDAWを使うのが一番正解な気がします!!
でも
好き嫌い、音質云々ではなく、Pro toolsは使えるようにしておくと色々役に立つことは多いですよ