香りの記憶 | 雲と空

雲と空

ことばと風景 - そして ― 私

 

 恍惚と林檎は腐っていくらしい

 春の終わった私のテーブル

 

  終わりながら

  放つ香り

  この甘美な 

  熟すということの 儀式

  あるいは

  終わりへの行程

 

  荘厳でかつ 密やかな

  この 時の経過

 

  在ったものが

  無になるための

  この世に遺す

 

  香りの記憶