あの庭に 年老いた柿の木のあるあの庭にあなたとわたしが埋めた歳月 かつて棲んでいた家の 庭の隅の柿の木 ビワの木 曼殊沙華 深紅のバラもあった 窓辺の揺り椅子 広げた本の上を 雲の影が通過していった かつてという時間の中での あの苦ささえも なつかしく、麗しく 思えてくるほど わたしは歳を経たのだろうか