あの庭に | 雲と空

雲と空

ことばと風景 - そして ― 私

 

   年老いた柿の木のあるあの庭にあなたとわたしが埋めた歳月

 

    かつて棲んでいた家の

    庭の隅の柿の木

    ビワの木

    曼殊沙華

    深紅のバラもあった

 

    窓辺の揺り椅子

    広げた本の上を

    雲の影が通過していった

 

    かつてという時間の中での

    あの苦ささえも

    なつかしく、麗しく

    思えてくるほど

 

    わたしは歳を経たのだろうか