夢を見る | ケセラセラとテイクイットイージー

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以前はヤフーブログで長い事記事更新を行っていました。
ほとんど準備をせずにいきなり引っ越しをいたしましたので、徐々に体裁を整えていく予定です。

夢の世界と現実の世界の狭間、これはなかなか興味深いテーマで、多くの方に関心のある事ではないか、と思います。

 

以前私は自分の夢を自在にコントロールする話を書いた事があります。

これは高校生の頃、授業中の雑談の中で先生が語られた事で、わたしは非常に興味がありましたので、自分で実験してみました。

先生のお話の最後は「オレはコレをやって、夢と現実の違いが分からなくなったので止めた」と仰りました。

そして私自身も同じように夢と現実が区別できなくなったので止めました。

 

夢ってなんだろう?

という疑問を解決する事でこの現象を読み解く事が出来ます。

 

私たちは夜寝ている時、体は動く事を止め、脳も活動を停止して、一日の疲れを癒します。

体の休憩は動く事を止める事で充分ですが、脳は少し違って、長時間の完全休止が出来ません。

これは機械等でも同じですが、一度完全に動きを止めてしまったものは、再びスイッチを入れても、以前と同じ働きが出来るようになるまで時間がかかりますので、長時間の完全停止はよっぽどの事でも無い限りいたしません。

 

さて脳は、ほとんど動かない状態(ノンレム睡眠)と、色々な制約が無く自由な活動をする状態(レム睡眠)を交互に繰り返します。その時間は約90分でこれを1サイクルとして就寝中に何回かのサイクルが行われます。

 

通常私たちが頭を使うときは、無意識のうちに様々な制約を設けて、その縛りの中で脳内の情報処理活動をいたします。

たとえて言うと、道路を整備して信号機や交通ルールを用意して、それらに従って車を動かすと、スムーズに交通が流れますが、道路があってもみんなが交通ルールや信号を無視して好き勝手に車の運転をしたらどうなるでしょうか?

むちゃくちゃな状態になりますよね。

しかし様々な制約に従う事は、それなりのストレスを産む事も又事実です。

そこで就寝中での脳活動(レム睡眠状態)では、脳内での情報処理に係わる色々な制約を解除した状態で、自由に情報処理が行われます。

そこで出てくる現象は、

もう思い出す事も無いような昔の記憶が出てくる、

空を飛ぶ事や大きさが自由に変わる事等、物理的法則を無視する、

瞬時に場所が移動する等、時間や空間での制約を無視する、

あるいは本来ならば話の出来ない相手(動物や機械、言葉を知らない外国人等)と会話をする、

等の通常では有り得ない事が、いかにもそこにあるかの様に映像のイメージとして脳内に浮かんできます。

もう一つ、意識しているいないに係わらず、その日のうちにあるいは最近で非常にインパクトが強く心に(まあ頭の中ですね)残っているものがある場合、これが脳内の情報処理で大きく幅をきかす事があります。

あるいは寝ている状態での体への刺激(手足が痛いとか冷たい、胃が重い、あるいは何か耳元で音が聞こえる)等も脳内の情報処理に影響を与えます。

この様な状態で情報処理されたものが映像化されて、「夢を見ている」と言います。

時々「私は夢を見ない」と言われる方がおられますが、実はみんな寝ている時のレム睡眠状態の時に必ず夢は見ているのですが、通常では目が覚めた瞬間に脳内の情報処理は通常モードに切り替わる為に、この様な常識外れの不条理な事は瞬時に忘れているのです。

 

これは当然の事で、あまりにも変な事を何時までも覚えていると、日常生活に支障をきたします。

しかし、時として目が覚めても夢を覚えている事があります。

先ほど書きました様に、就寝時に心に強く感じた事は夢に影響を与えますので、起床時に夢を覚えている事が出来る場合、寝る前に強く念じればそれが夢に現れる可能性が高くなります。

昔の人が、初夢を良いものにするために、枕の下に縁起の良い絵を入れていたのは、自己暗示によって夢をコントロールする試みであった訳です。

あるいは、好きな人の夢を見るおまじない、なんていうものも同様な事です。

 

私はこの訓練を何回も繰り返し、自分の夢を自在に見る事が出来る様になりました。

まるで今のゲームの様に、昨日の夢で上手く行かなかった所からやり直す。

良い夢だったので同じ夢を又見る。

という事をしているうちに、夢の中が現実世界の常識に支配されるようになりました。

以前の様に、登場人物があらゆる法則を無視して、自由に振る舞う事が出来なくなったのです。

自然と夢の中のお話が日常生活と変わらないものとなり、主人公の私自身が普通に学校に通い、友人と会話をし、家庭で家族と会話をしています。

あまりにも夢が現実に即したリアルなものになってしまったので、友人・知人・家族との会話や出来事が夢の話か、実際の話か、区別出来なくなりました。

結果として「やった、やらない」「言った、言わない」のトラブルが発生し、私自身自分の記憶が現実のものなのか?夢の中での事なのか?が判別出来なくなったのでした。

 

言いしれぬ危険性を感じた私は、夢を支配する事を止めました。

 

さて白昼夢という言葉がありますが、これは昼間の起きている時に夢を見る、という状態ですが、実際にその様な事が起こりえるのか?と言いますとあり得るんですね。

私も時々経験いたしますが、20~30分の昼寝をしている時に夢を見る事があります。

うつらうつらしている時がレム睡眠状態で、自分は寝ていて休んでいるつもりでも、脳が活動して夢を見ているのです。

あまりにも睡眠時間が短くて、夢を忘れる事が出来ない、という訳です。

これが進むと、なにかぼ~っとしている時に自分は起きているつもりでも、脳は勝手にレム睡眠状態になり、体は起きているのに頭の中では夢を見ている、という状態になります。

そうすると何やら現実の世界に不条理で不思議なものが見えるのですが、これは脳が勝手に作り出した幻なんですね。

ある種の薬物で強制的にこの様な状態になる事も出来ます。

 

という訳で、夢と幻とは密接な関係にあり、どちらも脳内で情報処理された結果出てくるものなんですね。

ただ現実には存在しないものであっても、実際には脳が「居る、有る」と認識しているので、本人にとっては現実の体験であるところが、話をややこしくさせます。