今日二つ目は

 

第3章 [17世紀] 古典主義の隆盛とその周辺

 

の続き

 

2.古典主義の完成
 古典主義、代表的ジャンルは演劇、悲劇。5幕韻文で書かれるのが原則。アレクサンドランと呼ばれる12音節定型詩句が用いられる。三単一の法則を尊守

*フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー
 政治的陰謀や戦いに参加するが、うまくいかず失意のうちにサロンに通う(サブレ夫人、ラ・ファイエット夫人)。代表作『箴言集』、『回想記』

箴言集 講談社学術文庫 
マクシム ; 格言と反省  白水社
ラ・ロシュフーコー公爵傳説 堀田 善衛 集英社

*シャン・ド・ラ・フォンテーヌ 1621-95
 『寓話詩』Fables。

ラ・フォンテーヌ寓話  白水社、玉川大学出版部、社会思想社 など。
社会思想社 はG・ドレ挿画。気になる。見てみたい。

うさぎとかめ、きたかせとたいよう、などオックスフォードえほんシリーズ

*セヴィニエ侯爵夫人 1626-95
 書簡集。当時、立派な手紙を書くことは宮廷社交界では必須の素養。サロンで朗読されたり模範文例集として出版されたりもした。私信であっても公的な性格を持っていた。

セヴィニェ夫人手紙抄  岩波文庫
セヴィニェ夫人の手紙 大学書林

*モリエール 1622-73
 人間心理の描写を重視。古典主義喜劇の確立者。
 『才女気取り』『女房学校』『タルチェフ』『ドン・ジュアン』『人間嫌い』など。

*ジャン・ラシーヌ 1639-99
 幼少期ジャンセニスト(ポール・ロワイヤル修道院と関係が深い)から教育を受け、作品に深い痕跡を残す。
 『アンドロマック』『ブリタニキュス』

フェードル 、アンドロマック、ブリタニキュス 岩波文庫
ポール=ロワイヤル略史 審美社

*ラ・ファイエット夫人 1634-93
 パリの自分の館でサロンを開催し、知識人たちと親交を結ぶ。
 今日、ラ・ファイエット夫人の作品とみなされているものは、すべて匿名または別な男性作家の名前を借りて出版されたもの。
 『モンパンシエの奥方』『クレーヴの奥方』『ザイード』『タンド伯爵夫人』など。

クレーヴの奥方 : 他ニ篇  岩波文庫
記録と小説とのあいだ : ラ・ファイエット夫人作品論  萩原茂久 北樹出版


3.古典主義の危機

・ジャン・ド・ラ・ブリュイエール 1645-96
 84年に大コンデ公の孫の家庭教師となり、大貴族の宮廷生活をつぶさに観察する機会を得る。家庭教師は86年に辞するがコンデ家には死の年まで仕えた。
 『人さまざま、あるいは当世風俗誌』。発表後ただちに大評判になり、版を重ねるたびに増補された。格言、省察、肖像描写などを断章形式で書いた文章が治められている。

カラクテール : 当世風俗誌:岩波文庫

・シャルル・ペロー 1628-1703
 『コント』『昔々の物語』(別名『がちょうおばさんの物語』)。合理主義者でモラリストであるペローの鋭い人間観察が随所にちりばめられている。
 

 

 邦訳を探すと、岩波文庫、最強な気がしてくる。

 次は筑摩書房か。