・時平の大臣、国経大納言の妻(め)を取る語

 

 齢八十の高齢のおじ、国経大納言の妻が二十歳くらいと若くて美しいということで、元々好色な時平が叔父の妻が美人という話を聞いてはてさてどんな方かと思った。そこで同じ好色仲間の兵衛佐平定文(ひょうえのすけたいらのさだふみ)に探りを入れた。大層綺麗な方で奥方も年寄りに嫁いで寂しいと言っているとの話を聞き、これはなんとしても手に入れねばと思い策を弄する。

 

 おじよりも自分の方が身分が高いにもかかわらず、日ごろからおじを立てるようにし、正月にお訪ねしますと伝えた。おじは接待の準備万端で迎えた。

 時平は酒の席で大いにおじをおだてた。おじは酔っ払いいい気になり、私の妻は若くて美しいんですよ、ほれこの通り、一つ妻を引き出物としてお持ち帰りください。大臣は、伺った買いがあります、と妻をお土産にもらって帰った。

 叔父は次の日酔いがさめてすっかり後悔した。

 

 いやあ、いくらおだてられたと言え、私の妻は若くて美しい、一つこれを土産にやろう、というのが凄い。

 

 元の話は、時平が素晴らしい人である事の挿話や、一連の出来事の細かい経緯が記してある。