夢のつばさ・12 ひとかけらの純粋 | つくることでつながりたい

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何気ない毎日がどんなにしあわせか・・
不器用で遠回りばかりの私の 大好きなハンドメイドと夢への道のり、日々とキモチ。


前回のお話→夢のつばさ・11

教室では
まずトワルに沿って、型紙の補正から始めました。

ハトロン紙を長方形に切って
ウエスト部分と脇の部分にのりで貼ります。

その後、トワルに打ったピンと裂け目を見ながら
先生と一緒に
型紙にどんどん補正を入れました。

試着をした時、
私が心地良いと感じるウエスト位置が
型紙の当初のウエスト位置よりかなり下だと
いうことがわかり
前スカートのウエストを数cm下げたり

それに伴い、
お腹が少しでもスッキリ見えるよう設定した、
タックの幅と長さも

再度計算をし直して、
ラインを引き直したりしました。

また先生が「あなたは腰が張っているから」と
腰の部分に少しだけ丸みを入れて
脇のラインを調整して下さいました。

先生はフリーハンドで、
まるで魔法使いのように

きれいなカーブを裾へ向かって、
自然につなげて引いていきます。

カーブの角度もタックの幅と長さも
先生の経験による勘なので、

私は、もう目をきらきらさせて
じっと見つめてしまいました・笑


そんな先生を見ていたら

”好きな生地で、好きな形で
自分の身体に沿った綺麗なラインのお洋服が
作れるようになりたい”

お洋服を作りたいと思った時の
初めての気持ち

がよみがえってきました。


これは、洋裁だけではなく
人生全般、どんなことに対してもそうですが、

壁に当たったとき、苦しいとき、
折れそうなとき、

立ち止まって座り込んでしまったとき、

その物事の状態・結果如何問わず
最後の最後に自分を支えてくれるのは、

私は

こんな自分の心の中に最初に芽生えた
シンプルな気持ち、


”ひとかけらの純粋”


なんじゃないかと感じています。


まったくの余談になりますが
樹々希林さんが某事件のインタビューで
「それでもなぜ別れないのか?」と問われた時、

「・・・まぁ、ひとつね、
 ひとつ純粋なところが見えるから」

その答えを
なんとなく私の感じているこんな想いと
通ずるような感覚を持って聞いていました。

ホントに余談でしたね・笑


「もう一度、このスカートと向き合ってみよう」

当初、太った自分を受け入れられず
現実から目を背けていた私が
そんな想いで取り組み始めたやり直しの作業。

ほぼ原型が無くなりつつある型紙の補正を終えて
次は、トワルの補正。

展示会まで時間もありません。

そんな私に先生が
「もし都合がつくなら
 来週は、午前のクラスから出席して作ってもいいよ。」

と言って下さいました。


”この大好きなグレーテルの生地で
 スカートを仕立てて着たい”

私は、そんな
ひとかけらの純粋に支えられて

やり直しの作業にも、
徐々に楽しさや喜びを見出し、
前向きな気持ちで進めていたので


私は即決で

「来週は午前から来よう」
「展示会に間に合うようにベストを尽くそう」

そう決めたのでした。