久々に家族で車に乗って、
買い物に出かけた。
信号待ちをしてた時、
ある日の光景を思い出した。
3年前ぐらいだったと思う。
ミュージシャン10人程が集まって、
イベントの話をしてた時に、
話しの流れで「片親だった人?」
って僕がその場で質問したら、
約半数が手を挙げた事があった。
自分がミュージシャンを選び、
東京に出てその日のその時間に、
その場所にいる事が何だか、
偶然ではない気がして、
心がザワッとしたあの日の事を思い出した。
プロのミュージシャンを、
している人や目指している人で、
複雑な家庭で育った人が多いのは、
心理学的にはどうなのか今改めて勉強してみた。
たしか厚生労働省が今年、
発表したデータによると、
祖父母などが居なくて、
18歳未満の子どもがいる、
「母子家庭」と「父子家庭」は、
全世帯数の「1.8%」の123万世帯らしい。
子どもがいる世帯の中では「7.6%」らしい。
そんな母子家庭の母親の、
「57%」が非正規雇用で働いていて、
一般家庭の母親の非正規雇用率「54%」を上回っていると言う。
さらに離婚した父親が、
養育費を出すのも何と「20%」らしい。
なので母子家庭の平均年収は181万円。
これにより子どもの大学進学率も、
一般家庭の半分以下となってると言う。
「ひとり親」の原因トップはもちろん「離婚」で80%を占める。
1993年アメリカの心理学者、
「ジュディス・ウォーラースタイン」氏は、
両親が離婚をした子どもは、
両親が揃っている子どもより、
精神的トラブルを2.5倍抱えたと言う調査結果を発表した。
また、
「アメリカ価値研究所」によると、
離婚や未婚や再婚した家族で、
育った娘が未婚の母になる率は3倍に達すると言う。
親のストレスの多くが、
そのまま我が子に引き継がれてしまってる。
全員ではないだろうけど、
僕にもそんな「分離感」を、
幼少期から自分の中に抱えてた。
それを心理学では、
「コンプレックス」と言う。
心理的に大きな負担となる、
事件に対して無意識の中に、
思考や感情や情景を一まとめにして抑圧した物。
それは何かのきっかけで常に意識に昇って来るらしい。
親が離婚した経験をもつ、
あの時のミュージシャン達も、
心に溜まっていた複雑な想いを、
音楽で外に表現し歌にして、
多くに人に共感をして貰い、
穴埋めして貰いたかった気がする。
「親」が越えられなかった、
「ネガティブな感情を、
誰かに押し付けずに、
自分の中でプラスに昇華する。」
って課題をクリアする為に。
だから僕は、
結婚をする事に恐さもあったけど、
「俺が親になったら自分がして貰えなかった事をもっとしよう」
って理想を掲げていた。
でも今自分が親になって、
親の大変さを知った。
結婚生活は、
まるでこの一直線の道を、
運転してるのと同じだなって思った。
後部座席に乗って、
父親が運転してるのを子どもの頃見てた。
その時は簡単そうに見えてた。
けど、
よそ見をしていたり、
自分の事ばかり考えてると、
車はゆっくり歩道に外れていく。
前をしっかり見て、
たまに左右と後ろを確認して、
色んな話を家族としながら、
まめにハンドルを修正しないと事故になる。
数年前までは、
この車が何処に走ってるのか、
ゴールが分からないと不安になってたけれど、
今はもうそんな事を気にしなくなった。
いや、
気にしても分からない事が、
この世界には沢山ある事を悟った。
それは、
結果ばかりを追い求めて、
失敗ばかりしてた東京での経験が大きいかもしれない。
求めてるような結果が出ない原因は、
結果を求め過ぎた事だとようやく気付いた。
何をするにも結果なんてどうでもいい。
ただドライブが楽しければそれでいい。
そんな事を今思う。
目の前の信号が青になった。
僕はゆっくりアクセルを踏み込んだ。
バックミラーに映った、
後部座席の娘の頬が、
夕日の色に染まってた。
※上記写真:櫻井幹也(京都・伏見)




