20151113a


久々に家族で車に乗って、

買い物に出かけた。


信号待ちをしてた時、

ある日の光景を思い出した。


3年前ぐらいだったと思う。


ミュージシャン10人程が集まって、

イベントの話をしてた時に、

話しの流れで「片親だった人?」

って僕がその場で質問したら、

約半数が手を挙げた事があった。


自分がミュージシャンを選び、

東京に出てその日のその時間に、

その場所にいる事が何だか、

偶然ではない気がして、

心がザワッとしたあの日の事を思い出した。


プロのミュージシャンを、

している人や目指している人で、

複雑な家庭で育った人が多いのは、

心理学的にはどうなのか今改めて勉強してみた。


たしか厚生労働省が今年、

発表したデータによると、

祖父母などが居なくて、

18歳未満の子どもがいる、

「母子家庭」と「父子家庭」は、

全世帯数の「1.8%」の123万世帯らしい。


子どもがいる世帯の中では「7.6%」らしい。


そんな母子家庭の母親の、

「57%」が非正規雇用で働いていて、

一般家庭の母親の非正規雇用率「54%」を上回っていると言う。


さらに離婚した父親が、

養育費を出すのも何と「20%」らしい。


なので母子家庭の平均年収は181万円。


これにより子どもの大学進学率も、

一般家庭の半分以下となってると言う。


「ひとり親」の原因トップはもちろん「離婚」で80%を占める。


1993年アメリカの心理学者、

「ジュディス・ウォーラースタイン」氏は、


両親が離婚をした子どもは、

両親が揃っている子どもより、

精神的トラブルを2.5倍抱えたと言う調査結果を発表した。


また、


「アメリカ価値研究所」によると、

離婚や未婚や再婚した家族で、

育った娘が未婚の母になる率は3倍に達すると言う。


親のストレスの多くが、

そのまま我が子に引き継がれてしまってる。


全員ではないだろうけど、
僕にもそんな「分離感」を、

幼少期から自分の中に抱えてた。


それを心理学では、

「コンプレックス」と言う。


心理的に大きな負担となる、

事件に対して無意識の中に、

思考や感情や情景を一まとめにして抑圧した物。


それは何かのきっかけで常に意識に昇って来るらしい。


親が離婚した経験をもつ、
あの時のミュージシャン達も、
心に溜まっていた複雑な想いを、

音楽で外に表現し歌にして、

多くに人に共感をして貰い、
穴埋めして貰いたかった気がする。


「親」が越えられなかった、


「ネガティブな感情を、

誰かに押し付けずに、

自分の中でプラスに昇華する。」


って課題をクリアする為に。


だから僕は、

結婚をする事に恐さもあったけど、


「俺が親になったら自分がして貰えなかった事をもっとしよう」


って理想を掲げていた。


でも今自分が親になって、

親の大変さを知った。


結婚生活は、
まるでこの一直線の道を、

運転してるのと同じだなって思った。


後部座席に乗って、

父親が運転してるのを子どもの頃見てた。


その時は簡単そうに見えてた。


けど、


よそ見をしていたり、

自分の事ばかり考えてると、
車はゆっくり歩道に外れていく。


前をしっかり見て、
たまに左右と後ろを確認して、
色んな話を家族としながら、
まめにハンドルを修正しないと事故になる。


数年前までは、

この車が何処に走ってるのか、
ゴールが分からないと不安になってたけれど、

今はもうそんな事を気にしなくなった。


いや、


気にしても分からない事が、

この世界には沢山ある事を悟った。


それは、


結果ばかりを追い求めて、

失敗ばかりしてた東京での経験が大きいかもしれない。


求めてるような結果が出ない原因は、
結果を求め過ぎた事だとようやく気付いた。


何をするにも結果なんてどうでもいい。


ただドライブが楽しければそれでいい。


そんな事を今思う。


目の前の信号が青になった。


僕はゆっくりアクセルを踏み込んだ。


バックミラーに映った、

後部座席の娘の頬が、

夕日の色に染まってた。



※上記写真:櫻井幹也(京都・伏見)

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ロックミュージシャンが、

眉間にシワを寄せて、

強い口調で歌ってた。


YouTubeから流れて来た、

新人バンドの広告に、

20代の頃の僕ならファンになって、

色々検索してただろう。


でも今は「ロック」の中にある、

「苛立ち」や「怒り」に距離を置けるようになってる。


音楽を始めて15年。


今改めて振り返ると、

自分自身にもそして、

出会ったミュージシャンにも、

いつも「欲求不満」を感じていた。


京都に戻って心理学を勉強して、

自分が大学を卒業した後に、

ミュージシャンを選んだ理由が分かって来た。


そこには、

「ストレス」と「承認欲求」が大きく横たわっていた。


ストレスを人が感じるには、


①バランスのとれた食事が取れてない

②適度な休息・睡眠時間が取れてない

③自然と接する環境がない

④パソコンする時間が多い

⑤人間関係が上手く行っていない

という要素がある。


ストレスを受け過ぎると体は、

「コルチゾール」を脳が分泌し続け、

免疫力が低下し老廃物がたまりイライラしてくる。


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そしてそのイライラを、

どうにか表に出そうとする。


そこで心理学者、

「アルフレッド・アドラー」氏の言葉がヒントになる。 


「子どもは感情でしか大人を支配できない。

大人になってからも感情を使って、

人を動かそうとするのは幼稚である。」


「”怒り”は第二感情で、

その手前には第一感情があって、

感情を表現するのは、

叶えたい目的があるからだ。」


「怒り」は、


「不安感」や「孤独感」や、

「失望感」や「劣等感」など、

「承認欲求」が周りから、

満たされてないと感じ、

それを周りの人へ表現する「道具」らしい。


確かに東京生活を振り返ると、

僕は①から⑤を改善しようとせず、

周りに子どもみたいに心配して貰おうとしてしまい、


「ストレスを受け続けたい」、


という目的を果たそうとしてたのかもしれない。


苦しんでも耐えてる姿を、

周りの人に見せて「すごい」

って認めて貰いたいっていう、

幼少期から植えつけて来た、

「コンプレックス」が強くなってた気がする。


だからあらゆるSNSに登録して、

繋がってる人数や「いいね!」数を、

どんどん増やそうとしていた。


コンプレックスを自信過剰に変え、

それを認めてくれる大多数の、

承認をずっと待ってた気がする。


けどそんな理想は、

実現するはずもなく、

ロックな怒りの歌を、

次から次へと作って歌ってた。


そしてブレーカーが落ちるように、

ストレス量が体の限界を迎えたのか、

徐々にうつ状態になっていき、

東京生活3年目で心身ともにダウンしてしまった。


電力を使いすぎると漏電になる。


そうなると火事になる。


それを防ぐ為に停電を起こす。


それと同じで体も、

キャパ以上のストレスを感じると、

「今のままじゃダメだよ」っていう合図を送っていた気がする。


そんな経験をしたからか、


今は「いいね!」も「コメント」も、

確かに嬉しいけど、


もう今は①から⑤を大幅に改善出来たから、


それがあろうがなかろうが、

家の前を掃除するように、

ただただ毎日ブログのネタを探して、

ブログを更新してる自分がいる。


だから、


若いロックミュージシャンを見て、

あの時の自分に伝えるように、


「多くのファンも大事だけど、

身近な人ともっともっと、

話し合える時間を取って、
それぞれの承認欲求を今後、

どうやったら満たせるかを、

少しずつでも良いから見つけて欲しいな」


ってただただ思ってしまった。


YouTubeを閉じた時、

一年後の彼らの新曲が、

おだやかなメロディになってる事を少し願ってた。


これはこれで形は違えどファンになってるのかも。


そう思ったら何だかおかしくなった。



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20151107a


駅に向かって歩いてた午前9時。


街中にある排水溝に、

一人のおじさんがポイっと、

吸い終えたタバコを捨てた。


一瞬イラってしたけど、

そんな事で一日が不愉快になるもの嫌だし、


ふと思い出したイライラ解消法を試してみた。


それは数年前あるタレントさんが、

テレビで言ってたやり方だった。


「良い事をした人は、

また人に生まれ変わる。


俺は人間に生まれ変わって、

もう何回目かやけども、

マナーの悪い奴を見たら、


”あっあいつは一回目の人生なんやなっ!


”人間一回目なんやな!”


って思えば腹が立たなくなる。」


それを初めて実践したみたけど、


「これって上から目線の差別では?」


って思ったり、


「僕が前世で良い事をして、

今が一回目の人生じゃないって、

いったい誰が保障するの?」


って思ったりしてなんか、

嫌な気持ちになってしまった。


このタレントさんが後に、

暴力事件を起こしたから、

なおさらこの方法には抵抗があった。


その後ふいに気付いた。


「じゃあ横から目線にしたらどうだろうか」


って。


その時心理学の「投影」、

ってのがある事を思い出した。


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人間は自分自身の事で、

意識出来るのはたった4%で、

96%は潜在意識と無意識下にあると言う。


だから目の前で、

「正しくない」と思う事を、

言ったりやったりしてる人を見ると、


過去のどっかのタイミングで、

潜在意識下に「間違い」と判断し、

押しこめた所を刺激されて、


「あれは間違ってる」


って思って、


その人の事をも押しこめようとする。


色んなものを、

潜在意識下に押しこめた理由は、


過去に同じような事をして、

親や先生から怒られた経験か、

自分も同じような罪を犯して、

もう二度とすまいと封じ込めた経験らしい。


だからあのおじさんの、

現在の4%の意識の中では、


「ポイ捨ては間違ってない」


としている事になる。


そんな人に注意しても喧嘩になるだけ。


今僕が出来る事と言えば、

その人の事を想像してみる事しかない。


「いつもは良い人なのに、

昨日奥さんと喧嘩をして、

人生で初めてのポイ捨てをしたのを、

僕が奇跡的に見たのかもしれない。」


とか、


あの人のお父さんが、

ポイ捨ての常習犯で、

小さい頃からそれを見て、

今真似をしてるのかもしれない。」


この二つに共通するのは、

僕にはこれ以上その人に、

何も出来ないって事だった。


その人の奥さんに、

話しをしに行ける訳もないし、


ましてや、


おじさんのお父さんの事を、

変えられる訳もないし、

もしかしたら亡くなってるかもしれない。


そう考えると、

もうそこから先は僕のテリトリーの外。


これ以上考えても時間の無駄になる。


そう思って、

ポイ捨ての場面を、

頭の中から「ポイ!」ってしたら、

イライラがスッと体から消えてった。


結局色んな出来事は、

自分の中を映してる鏡。


だとすると、


楽しい時は、

楽しい事が見えたり聞こえたりするし、


辛い時は、

辛い事が見えたり聞こえたりする。


自分の過去の事を許したら、

目の前の人の事も許せるようになる。


もしこの先、


イライラしたら一旦、

自分と目の前の人や物から外れて、

横から見る事にしよう。


そして自分の手の届かない、

範囲の外にまで色んな想像を膨らませたらいい。


そうしよう。


そう思ったせいか、

駅の屋根にとまってたカラスが鳴いた。


「俺もそう思うよ」


そう言ってた気がした。



※上記写真:櫻井幹也(京都・伏見)