新国立競技場のデザインも、
エンブレムのデザインも白紙になった。
テレビは連日それを報じてる。
オリンピックを今まで、
見に行った事がないような人達、
もちろん出た事もない偉いさん達が、
不機嫌な顔で記者会見をしている。
お金の話を延々としている。
そう言えば2年前の、
オリンピック招致の時に、
こんなポスターがあった。
改めて読んでみた。
「オリンピック・パラリンピックは夢をくれる。
…経済に力をくれる。」
その後の文面にはこうもあった。
「復興と戦う今、
未来とも戦わなければいけない」
このコピーを採用した人達が今、
むしろ国民からのバッシングと戦い、
経済的損失から復興しなけれはならなくなってる。
皮肉ではなく彼らの、
「夢=金儲け」で、
そして、
「夢を叶える為には、
未来と戦わないといけない」
という思考回路が招いた結果だと思った。
だって、
「戦う」って事はもちろん「敵」がいる。
って事はこの人達の頭は、
お金儲けというのは、
誰かにより良いサービスを、
提供して感謝されて「味方」と共に満たす事、
というより、
あらゆる手段を取って、
財布を出す気になるよう促して、
シメシメってほくそ笑む「敵」を騙すという発想なんだろう。
一時流行った、
「金持ち=勝ち組」も、
こういう人達が作った言葉なんだろう。
「勝つ人」が居るという事は「負ける人」がいる。
となると、
夢も未来も、
人から奪わないと手に出来ない。
そう思う人達にとっては、
夢が叶わない人が多ければ多い程、
自分の夢が叶う確率が上がる事、
貧乏になる人が多ければ多い程、
自分の懐が潤って行く事が、
もはや常識なんだろう。
コピーにあった、
東北の「復興」も一体、
誰と戦わなければならないのか僕には分からない。
また先日ニュースで、
バルセロナ五輪銀メダリストの、
「有森裕子」さんが色んな問題に対して涙されていた。
招致した人の中や、
今の色んな組織の中に、
スポーツへの敬意を持ってる人達が、
どれだけ少ないかを象徴してる気がした。
オリンピックは1980年に、
立候補する所がゼロになったらしい。
それぐらい莫大な予算が必要になる。
それが1984年ロサンゼルスオリンピックで商業主義に舵を切った。
スポンサー集めなど、
「金儲け」を堂々としても良くなった。
招致段階でロビー活動やら、
いかにライバルに勝つかが更に問われるようになった。
僕のいた音楽業界にも感じられたけど、
多くの人の欲望をそそれたら「勝ち」。
そうじゃなきゃ「アウト」。
そういう、
二元論的発想が当たり前で、
僕もそれに染まりそうで自分が怖かった。
プロとして生活を維持しなくちゃいけないから当然。
それは確かに正しい。
でも商品を求める人やファンを、
「敵」と見てたら米兵みたいに、
PTSDに近い状態になってしまった。
そんな経験をした今、
僕はこう思うようになった。
どんな時も戦わないという手段を取ろうって。
矛盾した言い方だけど、
「戦わないという戦略」を出来る限り取ろうって。
日々の向上心はただ、
昨日の自分と比較するだけ。
環境も才能も違う人と、
比べて争わないようにしようって。
「お金を沢山貰えるから好きになる」
って人より、
「好きな事をして対価としてお金を貰う」
って人を自分の関わる世界に、
一人でも増やしたいって。
そう思うようになった。
今指導させて貰ってる、
6歳の子から60代の方にまで、
その想いを僕は今日もレッスンで伝えたい。
理想だけど少しでも、
「競争」ではなく、
「共生」を目指して。


