「チュリー!」

家に帰って来た娘が、
紙を持ってそう言ったので、
僕は思わず聞き返した。

「チュリー?」

持ってた紙を見てうなずいた。

娘が言ってたのは、
その紙に書いてあった「木」の事だった。

先月から通い始めた、
英語の教室から帰って来て、
覚えたての「木」を英語で話してただけだった。

「そっか!ツリーね!」

って僕が言うと、

「チュリーでしょ!」

って正されてしまった。

中高6年間で英語を学んだけど、
カタカナ英語が体にしみこんでしまってる自分に気付かされた。

娘に触発されて英語を、
僕も少し勉強している。

その中で衝撃だったのは、
英単語には「促音」と言われる、
「小さい"つ"="っ"」がないと言う事だった。

確かに、
「アップル」ではなく、
「アポー」って言うのは有名だ。

そう考えると、
ボイトレの初期の段階で、
殆どの方が喉の力が強すぎて、
リラックスした柔らかい歌声が、
習得出来ない理由がここにあると思った。

ボイトレの体験レッスンで、
最初にお伝えするのはたった3つ。

正しい姿勢と、

腹式呼吸と、

軟口蓋の開放。

この中の腹式呼吸が、
中々上手く行かないのは、

常に「小さい"つ"」で、
息をつめて日本語を話してる事で、
喉を開放して息を通す感覚が、
難しいんだと思った。

その上「R」の発音の時のような、
「軟口蓋」と言われる、
口の奥の上をあげて、
喉仏を下げる作業も、
あくびの時かうがいの時以外、
やっていない事で、

英語圏の人の声のような、
しっかりと喉から響かせる感覚が分かり辛いんだろう。

僕ももちろん、
ボイトレに習い始めた頃は、
口の奥を広げる事と息をお腹から出す事に何ヶ月も苦戦した。

それは日本人やアジア人特有の、
「促音」の有無が左右してるかもって、
この歳になって娘に気付かされた。

ネイティブの先生に、
英語を教わっている娘は、
このままいくともしかしたら、
促音のない日本語をごく自然に話すのかもしれない。

数年後に、

「おやつ何食べたい?」

って僕が聞いたら、

「キカ!」

って言って僕を惑わす日が来るかもしれない。



※「キカ」=「キットカット」
20150917a

「先生の曲歌っていいですか?」

先週のレッスンで、
生徒さんのお一人から、
そう言われてドキっとした。

「えっ?どういう事?」

「課題曲カケラバンクの曲いいですか?」

「う、うん…もちろんいいよ!
ってか嬉しくて泣きそう。」

って会話をした。

ボイトレの時課題曲はいつも、
基礎が出来た方には自ら選んで貰ってる。

歌いたい曲を歌って貰ってる。

なのでこれまで50曲程、
ギター伴奏して下さいって依頼され、
自分の知らない歌の練習をして来た。

東京での6年間で、
コピーやカバーは数曲程度で、
ほとんどオリジナルソングの制作をしてたので、

ここ一年半で誰かの曲を、
短期間で大量に覚えた事で、
色んな事に気付かされている。

人気の歌ってのは、
古い曲も新しい曲も、
このコード進行多いなぁ、

とか、

今売れてる彼女の歌って、
こんな素敵な歌詞やったんやぁ、

とか、

このジャンル食わず嫌いやったけど、
この面白いメロディラインは俺にはない発想やなぁ、

とか。

今生徒さんには日々、
新しい世界を見せて貰ってる。

子育てをしててもそれは思う。

親になったら、
一人前になると思ってたけど、

親になってようやく、
半人前になれたなぁって。

そんな最中に発表会が終わり、
次の課題曲を決めといてねって、
伝えてた大学生の男の子に、

「次カケラバンクの、
"目を閉じて見えるモノ"
を歌ってもいいですか?」

って言われビックリした。

東京でトレーナーをしてた時は、
9割の生徒さんが僕のライブを見た事のある方だったけど、

京都に帰って来てからは逆に、
9割の方が僕のライブを、
見た事がないままネットで、
見つけたスクールに体験レッスンに来られ通われている。

なので、

「先生ってどんな事されてたんですか?」

って尋ねてくれた方以外は、
僕の歌声もライブももちろん曲も知らないまま。

そんな中で彼は、
僕に興味を持ってくれて、
YouTubeで聞いてくれてたみたいだった。

「じゃあ次回譜面用意しとくね!」

嬉しいやら恥ずかしいやら、
くすぐったい気持ちが交じり合った、
「複雑」な感情が芽生えた。

きっと、

言葉に出来ない、
「複雑」な想いになった時、
その経験は人の視野を広げてくれる。

これにあてはまる言葉って、
世の中にないんだろうか。

同じような経験をした先人が、
すでに言葉にしてるんじゃないだろうか。

あの先輩なら知ってるかも。

そう思うと行動がドンドン変わって行く。

今週僕は、
最近遠のいてた図書館に、
数ヶ月ぶりに行って本を借りて来た。

今まで素通りしてたジャンルの本棚に向かってた。

最近連絡を取ってない人に、
メールをしてみた。

今までした事のない深い会話が出来た。

「複雑」って言葉は、
「微妙」って言葉同様、
ネガティブな使われ方をされるけど、

気持ちが複雑になった時や、
微妙な感覚になった時は、

想定外の事が、
目の前で起こった時だと思う。

それって未経験な事だから、
既知の言葉や考え方で、
処理をして終わらせようとして、
逃げや守りに入りそうになるけど、
前向きにとらえれば「新しい世界」への入り口だと思う。

だからそんな時こそ、
「分からない」って正直に言って、
誰かの人生を参考にさせて貰うと、
今まで知らなかったステージに行けると思う。

今日から自分の曲の唄を、
弾き語りする生徒さんに、
生まれて初めて指導するレッスンが始まる。

何だか「複雑」なこの気持ちが、
久しぶりでワクワクしてる。

複雑な気持ちになれて単純に嬉しい。

いややっぱり、
「嬉しい」って言葉では完璧に表現出来ない。

でも今の僕が知ってる言葉の中では、
あてはまるのは「嬉しい」がベター。

「ベスト」の言葉に出会うまで、
とりあえず「嬉しい」を使ってみる。

きっと、

言葉に出来ない、
スッキリしてないこの状態でも、
僕が今ワクワクしてるのは、

数か月後の自分が、
スッキリさせるって不思議と、
分かってるからかもしれない。

彼のオリジナルの、
「目を閉じて見えるモノ」が、
数か月後に完成したら、
僕の前座をお願いし歌って貰えたら、
どんな気持ちになるんだろう。

ファンの皆はどんな顔をするんだろう。

その光景を見た時又僕は、
複雑な気持ちになって笑ってるだろうな。



※上記写真:櫻井幹也(京都・上京区)

20150916b


「プロになりたいんです!」


生徒さんの中には、

熱い想いを持って体験レッスンに、

来られる方が沢山いらっしゃる。


その想いをくみ取って、

彼ら彼女らに宿題を沢山出して、

向上心を持って貰うようにしてる。


そしてボイトレを数ヶ月し、

声も少しずつ良くなって来て、

音程もだいぶ外さなくなった頃に、

僕はプロ志向の方にこんな事を聞いてみる。


「どんなプロになりたい?」


そう聞くと、


「多くの人に想いを、

届けられるようになりたいです!」


そういった抽象的な表現が結構出て来る。


そういう時僕は少し深入りしてみる。


「じゃあ音楽じゃなくても、

コックさんやカバンの職人や小説家でも良いかもね。」


その時たいてい苦笑いをされる。


「いや!歌を歌いたいんです!」


続いて少し強い口調でそう返される。


もちろん僕も分かってる。


唄が好きで憧れのミュージシャンのようになりたいからボイトレに来ている事を。


けど僕が東京に行って、

プロとして6年間活動してた経験から言うと、


自分がなぜ音楽をしてて、

自分は音楽で何が出来て、

自分は誰に音楽を届けたいのか、


が曖昧だと周りの人に傷付けられる事が増えてしまう。


さっきの僕の質問のように、


「あなたはなぜ小説家を目指さないの?」


とか、


「あなた違う楽器したら?

それかアイドルはどう?」


とか、


はたまた、


「次回のイベント(あなたじゃなくても良いので)他の人の出演が決まりました。」


って言われる事が毎日のようにある。


その時に、

自分の「ビジョン」と「ミッション」を、

言葉で説明出来ないと、

日々イライラして過ごす事になる。


20150916a


なので今後生徒さんにはなるべく、

傷つく場面を減らして欲しいので、

レッスンのスタジオには色んな本を置いている。


もし、


「これ面白そうですね」


って言って貰えたら貸し出そうと。


けどミュージシャン志望なので、

読書に興味がない人が多い。


僕もプロダクションに入る以外、

選択肢を考えて無かったので、

そういったビジネスはその道の、

プロに任せるつもりでいたので、

経済にはうとかった。


でもプロになりたい人と話してると、

意外とインディーズで自由にやりたい人が多い。


なのにそういった本は余り読んでない人だらけ。


なので表紙からして目立つ本を一冊先週から置いてみた。


「ビジネスにしてもね、

顧客や社会に、

愛とリスペクトを持って、

相手が喜んでお金を払いたくなる

『良い事』を届けていれば、

無駄なコストなんかかけなくても、

自然とものは売れるの」


「すごいですね!

じゃあなんでそんな素敵なことをしない会社がいっぱいあるんですか?」


そんな文章から始まる、


「コトラーが教えてくれたこと

女子大生バンドが実践したマーケティング」


という本。


「フィリップ・コトラー」氏とは、

アメリカ「ノースウェスタン大学」の、

「ケロッグ経営大学院」の特別教授で、

「マーケティング」の第一人者とも言われてる人。


「マーケティング」ってのは、


「Wikipedia」によると、


"「顧客が真に求める商品やサービスを作り、

その情報を届け顧客がその商品を、

効果的に得られるようにする活動」


の全てを表す概念である。"


とあった。


そういう気持ちは誰しも持ってても、

じゃあそれを具体的にどうするかまでは考えてなかったりする。


10代や20代前半ならなおの事。


なのでマーケティングの、

入門的なこの本を今週から、

沢山の生徒さんの目に留まる事を願って本棚に置いてみる。


中には女子大生もいるので、

その子が読むとどんな反応を示して、

どう活かしてくれるかも想像したらワクワクする。


いきなりそれぞれの使命が、

一冊の本で見つかるとは思わないし、


マーケティングを理解したら、

全員がビジネス的に成功するとは思ってない。


けどその入り口に立って貰えたら嬉しい。


関わった人の一人でも多くの人に、

使命を見つけて貰う事が僕の使命の一部だから。



※上記写真:櫻井幹也


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