ユニクロのロゴデザインってカンタンすぎる!? デザイナーの意図を知る
今や、持っていない人はいないであろうuniqlo(ユニクロ)の洋服。高品質、低価格を実現するモンスターブランドです。おしゃれ着だけではなくインナーの「ヒートテック」や「エアリズム」、部屋着としての「スウェット」「スウェットパンツ」など、老若男女問わず全世代が持っているのではないでしょうか。そんなユニクロが、大々的なブランディングを行なったのは2006年。実はそれ以前は、ロゴもエンジ色でなんだかダサいイメージだったのです(下の写真)。参照:ロゴデザ海外進出をきっかけに"ブランディング"実はこのユニクロロゴ、今の形になったのは2006年のこと。ニューヨーク、ソーホーの旗艦店オープンの際にあわせて変更されたものなのです。それまでのユニクロは"フリース"の大ヒットがあったものの、"ダサい、カッコ悪い!イメージが定着してしまい、なかなか厳しい状況だったとのこと。そんなユニクロのイメージ戦略、起死回生のブランディングを任されたのは、アートディレクター佐藤 可士和(さとうかしわ)さん。KASHIWA SATO - CREATIVE DIRECTOR / SAMURAI INC. TOKYOOfficial Website of Kashiwa Sato : Art Director / Creative Director, Tokyo Japan.kashiwasato.comツタヤTカードなど、数々のブランディングで有名なクリエイターで、「アートディレクター」「ブランディング」という言葉を浸透させたのも、彼の功績が大きいと思います。デザイナーがザワついた訳可士和さんによるユニクロの新ロゴはこちら。直線的でかなりシンプルなデザインですね。シンプルが故に、誰でも作れそうと思われてしまうかもしれません。このロゴが発表された時、デザイナーの間ではちょっとした話題になりました。その内容はデザイナーの職人技である「視覚調整」がなされていない!!と言う批判でした。デザイナーは、こと企業ロゴのような重要なデザインでは、細部まで微調整を繰り返し、美しい形を目指します。しかし、このロゴは機械的で直線的、まるで調整がなされていない、手抜きしたデザインだと、非難を浴びたのです。あえての機械的なデザイン可士和さんのインタビューによると、“あえて視覚調整をしていない”とのこと。ブランディングにあたってのコンセプトである「美意識のある超合理性」に基づくデザイン、とのことでした。可士和さんは、このロゴをプレゼンする時、“実際の看板を作ってプレゼンした”そうですから、ロゴに自信がなければそんなことはできません。。では、何がすごいのかそのすごさは、ロゴが展開されてから発揮されます(上)。普通はロゴの他にタレントやビジュアルを用意しなければイメージを伝達できませんが、なんと、ユニクロはロゴ1つで全て成立してしまうのです!そんなことを実現できるのは、おそらく長い歴史を持つ「ルイ・ヴィトン」のLVマークくらいではないかと。さらに、その後「UT」や「+J」など関連ブランドが展開されても、ユニクロのブランドだなと認識できるほどの統一感がある。さらにさらに、下の写真をご覧ください。ユニクロのスポーツウェアを買ったことのある人はご存知だと思いますが、服のどこかに四角2コがついています。なんと!四角が2コ並ぶだけでユニクロと認識できてしまうレベルにまで。ブランディングおそるべし…ここまでの展開を見越してのロゴデザインなのですね。。こういったプロジェクトは表面的なデザインよりも"コンセプト"や"ビジョン"など、企業のポジションや特性をとことん突き詰めた上で、ようやくカタチが出てきます。ブランドとして一つにまとまったユニクロ。その快進撃はご存知の通りです。企業の成長は、根本的に力があることが一番ですが、それを形にして発信する"ブランディング"は多いに注目するべき手法です。このブログでは消費者の深層心理"インサイト"を行動経済学の視点から読み解きます。実戦で使える実例も入れていますので、企業の広報PR担当の方へおすすめです!企業やお店のマーケティング、売れる仕組みとしても取り入れてみてください。以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。マーケティングインサイトラボ 山浦慶太こちらもおすすめです!▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽▼ ▽佐藤可士和のクリエイティブシンキング (日本経済新聞出版)Amazon(アマゾン)