~2015年5月~
洋服のリメイクを試行錯誤して「肩パッド」と「右袖に綿詰め」で一日過ごしてみたところ、
あっという間に綿が袖口に偏って手首部分がパンパンに膨らんだ形になりました。
そりゃそうだ、こりゃいかん!本当にアホな私。
直接綿を詰めるのをやめて「腕型クッション」を作ることにしました。
そのクッションを右袖に詰めて、均等に厚みが出るようにしました。
クッションは残された左腕の採寸をして、なんとかかんとか作りました。
実は私、本当に不器用で雑巾一つろくに手縫いできず、ミシンは糸通しの時点で挫折するレベルです。
だから、肩パッドも腕クッションも非常に残念な作りでした…。
そしてそのまま家族で某所におでかけしたところ事件が起きました。
ご年配の女性に叫ばれ、私は肩をつかまれたんです。
「何この子!病気なの??どうしたのよ!?」
(まだツルツル頭で帽子を被っていました。)
「…やだ!ちょっとこの子、手も無いじゃない!!」
「ちょっとあなたがお母さんでしょ??一体この子どうしたの?なんの病気??」
こちらの方がギョッとする大声でした。
何で見ず知らずのそんな失礼な言い方する人に大事なうちの子の事情を教えなきゃいけないの??
言い返したくなりました。
でも怒りを抑えてしゃべれる自信がなく、トラブルになるのが嫌で私は無視して立ち去りました。
子どもは大変ショックを受けていました。
涙ぐんで物凄く怒りました。
「ママ!さっきの人、すごくいやな人!!いやな人だよ!」
今の私なら落ち着きはらって、
堂々と説明するなりサラリとかわすなりできます。
もう何でもどんと来いです。
でもその時は初めて遭遇した事態に、こどもと一緒に怒って泣いて抱きしめてやる事以外
自分に出来ることが分かりませんでした。
他にも、
小学生と思しき子供たちに囲まれて、つるしあげのような事態になったこともありました。
子どもたちに悪意はなく、ただ単に自分たちと違う姿をした子に興味津々で、
この子手が無いよ?なんで?どうして?と。
私からほんのちょっと離れた場所で子供が単独行動している時に限って、
子供達に囲まれる事が起きました。
さらに他にも色々ありましたが…。
これらの経験を経て私は、
誰にも気づかれないよう洋服のリメイクをもっと頑張るべきなのではないか悩みました。
だって、すぐに半袖の季節がやってくる。
どうする?どうしたら良い?
長袖ですら、手が無いことに気づかれてなんだかんだ言われてしまうのに。
半袖なんて腕が無いことが一目瞭然。
どうにかして義手がつけられるようにまた試行錯誤するべき??
悩みながらも長袖シャツに対し、とりあえず下図のようなリメイクを施したのです。
出来栄えにもこだわり、本当に夜なべをしてミシン頑張りました。
これはかなりの完成度で、ご近所さん達も「凄いよ!まったく違和感ない!」と言ってくれました。
子どもの腕が無いという事、スルー頂けるのが一番助かります。
でも人間て、本能的に反応してしまいます。
それは仕方ないと思うんです。
腕のない我が子に気付くと、
大抵の方が「ん?」となって二度見をしてから通り過ぎます。
中には振り返ってジーッと見る人もいるし、
指をさしたりヒソヒソお話する人もいます。
まぁこれも仕方ないです。
しかし、二度見・三度見・四度見・立ち止まり、
「何なのよこの子!」と言われてしまうのは困ります。
気付く側の人の貴重なお時間…無駄にさせてしまいます。
実際のとこ、上図の格好で外を出歩いても、
通りがかりの人に二度見されることはありませんでした。
快適に外出を満喫することが出来ました。
うーん、二度見を防ぎ自然とスルーしてもらえるなら、やっぱり余計なトラブル防止に良いなぁと感じました。
半袖に装着できる義手、何とか作ってみようかな…。
そんな考えが強くなっていきました。
でも、また一つの疑問が生まれます。
「義手や洋服のリメイクで見た目を五体満足にする。」
これが正しいことなのだろうか?と。
“逃げ”になるのではないか?と。
腕を失わせておいて酷かもしれませんが、
自分には腕が無いことを堂々と告げて、一人でも戦えるような強い子になって欲しい。
人の目なんか気にしないくらい強い子になって欲しいと思っていたからです。
いつか自立するその日に向かって。
義手が、そんな成長の妨げになるのではないかと悩んでしまったのです。
主人は完全に義手不要派でした。
これから腕のことでは不愉快な扱いを受けることも多いだろう。
腕無しの姿で外を歩くくらい何でもないって思えるくらい、強くならなきゃいけない。
肩はどうしても必要だから納得してるけど、強い心を培うためには義手なんて要らない。
夏が来ても、そのまま(肩パッド付きの)半袖を着ていれば良い。
そう言っていました。
けど私は、、、
強くなる前に心が壊れてしまったら??
そんな不安がありました。
これだけ闘病でつらい思いをさせてきて、こんどは治療のために失った腕のことで苦しんで…あんまりだよ。
まだ5歳なんだよ??って。
