生涯学習概論レポート(2022) | Every book its reader.(いずれの本にもすべて,その読者を。)

Every book its reader.(いずれの本にもすべて,その読者を。)

1人でも多くの人が、1冊でも多くの本に出会えますように…。

※合格レポートはあくまでも参考掲載です。丸写しや類似した内容のレポートは不正とみなされ不合格になる可能性がありますのでやめてください。

 

(設題)

生涯学習支援における図書館の役割について、図書館の3要素である「人(司書)」「資料、情報」「施設」の3つの観点から述べなさい。

 

1.序論

 生涯学習とは人々が自らの意志により、生涯にわたって知識、技術、態度行動などを開発する過程のことである。

 本論では、生涯学習支援における図書館の役割について、「人(司書)」「資料、情報」「施設」の観点から説明し、最後に私見を述べる。

 

2.生涯学習支援における図書館の役割

(1)人(司書)

 図書館の最も基本的なサービスは貸出サービスとレファレンスサービスである。司書・司書補は専門的職員であり、資料の収集、整理、保存、提供及び情報サービス、その他の専門的業務を担当する。

これまでの図書館では資料の貸出サービスが中心であったが、情報化社会が進み、学習や研究において情報検索ニーズが高まるにつれ、レファレンスサービスの必要性が見直されるようになった。レファレンスサービスとは利用者の質問に答えて、図書館や資料の利用方法を案内し、利用者が求める特定の情報や資料を探し出し提供するサービスである。地域の人々や団体は、司書からレファレンスサービスを受けることにより必要な情報が提供され課題を解決することができる。それを基に意思決定を行うことは地域社会の課題解決や活性化にもつながる。レファレンスサービスは生涯学習支援において非常に重要な役割を果たしているのである。

レファレンスサービスを行う司書は、図書館業務に関する知識や経験に加え、IT技術、社会の変化や地方公共団体の行政に関する知識、関係機関と連携協力するための幅広い視野や行動力が必要とされる。そして情報技術を活用し、常に利用者が求める資料にアクセス、提供できるよう努める必要がある。

 

(2)資料、情報

 生涯学習支援における図書館の重要な役割として資料や情報の収集、組織、保存がある。提供する資料は、図書・雑誌・新聞・パンフレット・CD等の他、ネットワーク情報資源も重要な資料のひとつである。資料の充実のためには、資料費の確保に努めるとともに、他の図書館と連携・協力して効率的な収集・保存を行う必要があり、印刷資料だけでなく、ネットワーク情報資源へのアクセスにも配慮する必要がある。

 現在ではスマートフォンの普及が進み、ネットワーク資源が日常的に利用されるようになった。民間の図書館蔵書検索サイト「カーリル」では、公立・大学・専門図書館合計6000館以上の所蔵と貸出状況を知ることができる。また、民間の電子図書館である「青空文庫」では、著作権保護期間が終了した図書の全文をインターネット上で公開している。

 公立図書館でも、WebOPACや電子図書館などの情報技術が取り入れられ、一般の方だけでなく、高齢者や障がいを持った方が資料にアクセスしやすい環境が整えられつつある。現代社会においては、資料の収集、組織、保存だけでなく、学習者がいかに資料にアクセスしやすい環境を提供するかということも非常に重要である。

 

(3)施設

 図書館は、設置者、設置の目的、想定する利用者等によって、六つの館種に分かれる。

 公立図書館は、地方公共団体が設置し、乳幼児から高齢者まですべての人々が無料で利用できる最も身近な図書館である。

 私立図書館は、一般財団法人又は一般社団法人が設置し、一般の人々にも公開されているが、入館料等の料金を課することができる点等で公立図書館と異なる。

 学校図書館は、小・中・高等学校等が設置し、学校教育に必要な資料を収集し、児童・生徒と教員が利用する。児童・生徒の精神の健全な発達、読書力や学力の向上に努めている。

 大学図書館は、4年制大学、短期大学等が設置する図書館からなり、教育と研究に必要な資料を収集し、学生と教員が利用する。

 専門図書館は、企業や各種団体が設置し、その専門分野に関する資料を収集し、主に設置機関の会員や職員が利用する。特定の種類の資料を中心に収集する図書館もあり、専門分野の関係者や一般の人々に公開されている場合も多い。

 国立図書館は、国内の出版物を網羅的に収集し、その書誌情報を作成し、国民と各館種の図書館に対するサービスを行う。国内出版物が全て納本され、全国書誌や雑誌記事索引を刊行し、全国の図書館に対して所蔵資料の貸出とレファレンスサービスを行い、全国の各種図書館を支援している。

 これらの図書館は、人々の学習を支援する役割を担い、各図書館が相互協力も行っており、生涯学習を支援する機関と考えることができる。

 

3.結論

 これまで述べてきたように生涯学習支援において図書館の役割は非常に重要なものである。今後、高齢化社会が更に進むことや、図書館利用教育が浸透していくことを考えるとその役割はますます重要なものとなるであろう。

これからも図書館には、専門的知識を持った司書を育成すること、あふれる情報の中から、正しい情報、必要な資料等を見極め、収集、管理していくことが求められる。そして生涯学習を支援する機関として、幼い頃から本や図書館に慣れ親しむことができる環境作りを行うこと、学校や地域等の他機関とも連携し、いつでも誰でも気軽に学習や情報検索をすることができる環境づくりを行うことが非常に大切であると考える。

 

(参考文献)

日本図書館協会 『図書館用語集 四訂版』 公益社団法人日本図書館協会 2019.6

伊藤俊夫(ほか)『新訂 生涯学習概論』ぎょうせい 2010.3

文部科学省、「これからの図書館サービスの在り方」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/giron/05080301/001/003.htm

(2022.04.08参照)

 

(講評)

このレポートでは生涯学習支援における図書館の役割について3つの観点から述べて下さい。

最初の設題は、図書館の「司書」として、どのような生涯学習支援ができるかを述べて下さい。ここでは「新しい公立図書館像」や「公立図書館の基本的な役割」、「専門職員としての司書」の視点を押さえることが大切ですが、ここはこれでよいです。これからの生涯学習時代に向けたレファレンスサービスの必要性について述べられています。

二つ目の設題は、「資料、情報」の視点から生涯学習支援における図書館の役割について述べてください。ここでも「公立図書館の基本的な役割」「公立図書館と情報技術」の視点を盛り込むことですが、図書館の情報化に対応した取り組みについて述べられています。これでよいです。

最後の設題は、各種の図書館「施設」として、どのような生涯学習支援ができるかを述べてください。ここでは「生涯学習と図書館」「図書館の種類」「社会教育施設としての公立図書館」の視点を踏まえて述べることですが、図書館の館種による生涯学習支援について述べられています。これでよいです。

最後に、これら3つの観点を踏まえ、図書館の役割としての総括的な生涯学習支援を述べています。

これで合格です。今後も精進して頑張ってください。

 

このレポートは先輩方のブログの講評を参考にレポートを書きました。ポイントが外れると再提出になるみたいなので要注意です

ニコ