「教養としての名画」(青春出版社 岡部昌幸:著)
音楽や絵画などの表現に対して
その表現の質を正当に評価する感覚を持ち合わせていない人に限って
作品の周辺にある外形的な知識にこだわる傾向があるようです。
かくいう私もその一人なんですが(笑)。
前にも書いたように、私はピアノを習っているのにもかかわらず
音に対する感性が多くの人の持つ水準より劣っているようです。
また、絵画についても、小学校・中学校時代、
美術や図画工作で平均以上の成績を取った記憶はありません。
だから、つい、画家や音楽家の生涯や作品の生まれた背景などの
いわゆる薀蓄が詰まった本を見ると手にとって見てしまいます。
足りないものを埋めたいという意識が働くのだろうと思うのですが
所詮知識は知識に過ぎず、芸術表現の本質に迫ることなど
出来ようはずがありません。
しかし、世の中に
「ダ・ヴィンチの『モナリザ』のどこがそれほどすごいのか?」
「ベートーヴェンの交響曲『運命』はどうして名作なのか?」
とかいうことをきちんと理解している人が
それほどたくさんいるとは思えないのも事実。
実は、そういう部分をきちんと解説した本がないのかなあ、とか思うのですが
でも一方で、そういう本があったとしても
「読んでも理解できないだろうな」という諦めもあります。
すべては芸術的感性を持ち得なかった悲しさ。
身長が低いのを嘆いても仕方がないのと同じこと。
受け入れて生きていくしかありません。
そういうわけで、今回紹介したこの本も
そのような愚劣な教養主義を満たしてくれる一般大衆向けの本。
絵画作品自体の本質的な価値に触れた部分は多くありません。
読む前からイヤな予感はしていたのですが、
読んで見て内容があまりにも「悪しき教養主義」だったので
自己嫌悪に陥ってしまいました。
僕もまだ青いなあ(笑)